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「繊月花-新撰組外伝-」
君に恋をした-桂小五郎の恋-

24 星に願いを 月に祈りを

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なにかを願ったことなんか これまで一度もない
願いを叶えるのは神でもなければ、まして人でもない
夢も願いも自分自身でつかみ取るものだと、そう思っていたし
その考えはこれからも変わることはないだろう

そんな俺が生涯にただ一度だけ
自分の力ではどうしようもなく
願い請うことしかできなかったことがある

ただひたすらに 夢であってくれと
そう願ったことが ただ一度


昼間は人の往来の絶えぬ三条通りも夜はひっそりと静まりかえる。
だが鴨川の東側となれば話は別だ。
祇園・宮川・先斗町といった花街が賑わいを見せるのはこれからだった。
人目を避ける身としては華々しい場所は避けたいものだし、人の口に戸は立てられぬとも言うけれど、花街の人間は口は災いの元とであることも知っている。だからこそ密談をするにはもってこいの場所と言えた。
特に、何をしでかすかわからない悪友と会うのであれば、衆目にさらされる真昼の都大路よりは夜の色町のほうがふさわしいと桂が考えるのは当然だった。

脱藩すると言い放ちさっさと京に上ってきた高杉を帰郷するように説得するのが今日の桂の役目なのだが、昔から食えない悪友だ。正攻法では勝てないことは百も承知だったから、桂は早々に交換条件を出した。偶然手にした交渉材料だったけれど、それは功を奏したようで高杉は渋々ながら交渉に応じた。

「俺が見ててやるから、おまえは萩に戻れ」
「…おまえに借りを作るつもりはねえよ」

不機嫌そうな悪友の声にも桂は動じない。そんなものは慣れっこだ。
むしろ、それが高杉なりの譲歩の言葉であることは手に取るようにわかる。
それに、と桂は思う。
高杉がどれほどのものを失ったのか。その喪失感がいかほどのものか。
小さな頃からずっとふたりを傍で見守ってきた桂には痛いほどわかったし、高杉にとって彼女の存在がどれほど大きいものだったのかも嫌と言うほど知っている。

あの頃に戻れれば、と思うほど子供ではないつもりだけれど、それでも少しでも可能性があるのなら。
せめてこのふたりだけでも、と。
そう思ってしまう自分はやはり甘いのかもしれないが、それでも言わずにはいられなかった。

「…おまえらはまだ生きてる。それだけでも充分じゃねえか」

静かな桂の声に高杉は顔をあげる。
仄かな灯りに浮かぶ桂の顔はどこか憂いを帯びているように見えた。



あっという間のことだった。
晩秋の嵐は思っていた以上に激しく、逃げ惑うことすらできぬまま、人も荷も海に放り出された。
それでも白い手は掴んで離さず、胸に細い体を抱きしめた。
何があっても離すものかと、荒波の中を漂った。
けれどいつの間にか意識はなくなり、ああこのまま終わるのかという思いが脳裏を掠め
胸に抱きしめた娘に一度だけくちづけを落とした。

そこで記憶は途切れている。

どうやって助かったのかは覚えていない。
流れに身を任せたことが幸いしたのかもしれないが、気づけば海辺の小さな村にいた。
浜に流れ着いていたところを助けられたらしい。
自分のそばに誰かいなかったか、若い娘を助けていないか
そう問いかけても、村人たちは一様に首を振るだけだった。



夜も更けたというのに、三味の音や芸者の唄声は止むことはなく、祇園花街はまだまだ賑やかだ。
視線をあげれば、障子窓の向こうには月が浮かび、幾多の星が瞬いていた。
それは遠く離れた故郷の空と同じ、何も変わらないように見えたけれど。

神も神仏も信じない。
己の夢を、願いを叶えるのは己自身だ。
幼いころからそう思ってきた。
神頼みなど、したことはなかった。

けれどあの時だけは、そして今でも。

夢であってくれ
これは悪い夢で、目覚めれば萩の町で
傍で彼女が笑っている

幾夜の時が流れようとも
桂は、そう願わずにはいられなかった。


*お待たせしております桂話もそろそろ終盤…のはずw ちなみに今回は、お気づきかもしれませんが「繊月花」の「獅子はまどろみ溜息をつく」の設定でのお話でございまする(*^_^*)


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~ Comment ~

 

え、と。
んーと。
ちょっと、まって。
うーんと。
え?え?

 

今井美樹のPRIDEを思い出した>タイトル
やはりこうなってしまうのねー。悲しいけどお見事。

あーやん&ぐりんたん 

コメントありがと―なの(*^_^*)

あーやん
…どう返信すりゃいいかわからねえよ
とりあえず気が済むまで悩んでてねっ←

ぐりんたん

はいご想像の通りの展開でございまする
まあ、書き始めたときから、皆さま予想はしていたんじゃないかとw

でもまだおわりじゃないしっ!!

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