FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←23 永い夜のその向こう →恐ろしいお話w
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
もくじ  3kaku_s_L.png 作品のご紹介
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
もくじ  3kaku_s_L.png 鏡花水月
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
もくじ  3kaku_s_L.png 宝 箱
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png イベントレポ
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「薄桜鬼 沖田総司」
それはきっと恋だった(短編)

苦い?甘い?

 ←23 永い夜のその向こう →恐ろしいお話w

じくじくと
何とも言えない痛みが頬を襲う
いっそ、のたうちまわるような激痛であれば諦めもつくというのに
痛いような重いような、もどかしいその感覚に我知らず眉を寄せる
冷たい布を当てれば少しはましになるかと思い試してみたけれど
頬の表面が冷えるだけで、肝心の患部にはなんの影響もなかった

「針で刺したい…」

誰にともなく呟いてみる
実際に見たわけではないけれど、口の中が腫れていることはわかっている
ぷくっと腫れたところを鋭利な針で刺してみれば悪いものが全部出て
あっという間にすっきりする気がする
その爽快感を感じたいと言う欲望がむくむくと胸に湧き上がった

「…針」

なんとなく部屋を見渡して目当てのものを探してみるけれど
むろんそんなに都合よくあるはずもなし

「…はああああああああ」

近年稀にみる大きな溜息は、開けっ放しの障子の向こう
雲ひとつない青い空へと吸い込まれていった

わかっている
これは誰が悪いわけじゃない
それがわかっているからと言って、痛みがひくわけでもない
相変わらず口の中は違和感でいっぱいだ

放っておいて治るなんてこともない
きっと痛みはどんどんひどくなって 今夜は眠れないかもしれない
だからといって なにか手立てがあるのかといえば

「そんなの、あるわけないじゃない」

またひとつ 溜息をつく
その繰り返しもそろそろ飽きてきた
なにか気がまぎれることがあればいいのだけれど

なんてことを思っていたら
まるでそれを見計らったかのように顔をのぞかせた影に
総司はなんともいえぬ表情を浮かべた

「…なに」

不機嫌がありありとわかる声で告げると、案の定、千鶴はびくんと肩を震わせた
その手には、茶器を乗せた盆がある

「あ、あの。薬湯をお持ちしたんですけど」
「…美味しくないからいらない」

元来、薬湯とは旨いものであるはずがないのだし
理不尽な物言いに文句のひとつ言ってみてもバチは当たらないようなものだが
そうはしないのが千鶴だった
一瞬は怯んだものの、千鶴は意を決したように顔をあげ、ずんずんと部屋に入った
畳に寝転がる総司の傍に膝をつき、盆をそっと置く

「召し上がるんじゃなく、お行儀はよくないですけど、お口の中をすすぐような気持で試してみてください」
「やだ」

子供か
そう思うほどあっさりと、端的に却下されたが、そんなことは想定のうちだ
負けじと千鶴はずいっと身を乗り出した

「沖田さん」

名を呼んだだけ
それでも、その声音に確固たる覚悟のようなものを感じて、総司はぷいっと顔を背ける

いつもなら
少しからかっただけで顔を真っ赤にして、時には泣きべそをかいて逃げ出すくせに
どうして今日は逃げないのさ
僕がなにをしたって、そんな風に怒った顔をしたことなんかなかったくせに

「…そこ、置いといて。あとで飲むから」
「だめです」

総司にしてみれば随分な妥協案だったのだが、千鶴は引き下がらない

「今。わたしの目の前で。飲んで下さい」

一言一句をきっぱりと言い切られて、今度こそ総司はあからさまに顔を顰めた

「ああもう!うるさいな!」

半ばやけくそのように声をあげると、総司はびっくりするほど素早い身のこなしで体を起こす

「…え?」

なにが起こったのかわからないまま、千鶴は眼をぱちくりとさせた-総司に上半身を抱きしめられた形で

「…へ?」

固まったまま視線をあげると、にんまりと、それはそれは悪い顔をした総司がいた
翡翠の眼差しがまっすぐ自分を見ている
見た目よりもうんとたくましい腕は、しかりと自分の身体を抱きこんでいて

ようやく自分の状況に気づいた千鶴は、頬を真っ赤に染めた
それは、つい先刻まで毅然としていたことが嘘のようなうろたえようだ

これで形勢逆転だよね

どんなことであっても、勝負に負けるなんてあり得ない
まして相手が千鶴であればなおさらだ
総司の顔には、しっかりとそう書いてあった

「じゃあ、君が飲ませてよ」
「…はい?」
「だから。君が飲ませてよ」

片腕で千鶴を抱きこんだまま、空いた手で湯飲みを取る総司を千鶴はぼんやりと見つめる
何を言ってるのかわからない
普段からよくわからない人だけど
そう言いたげな千鶴に総司は艶然と微笑んだ
ほっそりした指が、湯飲みを千鶴の口元に運んでゆく

「あ、あの」

いや、飲むのはわたしじゃなく沖田さんじゃ!

という言葉は、声になる前に薬湯に流された
苦い味が口いっぱいに広がり、思わず目を閉じた瞬間

ほんの少し熱を帯びた柔らかいものが唇に触れた気がした


*歯茎がね、腫れてるのw痛いのよわりと…という状況で書いた小話w


関連記事
スポンサーサイト



 関連カテゴリ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
もくじ  3kaku_s_L.png 作品のご紹介
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
もくじ  3kaku_s_L.png 鏡花水月
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
もくじ  3kaku_s_L.png 宝 箱
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png イベントレポ
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類

~ Comment ~

NoTitle 

あぁぁ…口中の炎症は不快極まりないですよねぇ。。。
それを作品に昇華させるところが、うさぎさんさすがw
お疲れが出てるのかな、お大事になさってくださいね!!

NoTitle 

すごく総司っぽいねw
かわいい話だ~
痛みひどかったら病院行ってね

真香さん 

こんな駄文にコメントありがとうございます!
そうなんです。
口中の炎症って、ほんと不快極まりない(T_T)
自分じゃどうしようもないから余計に腹が立つw

>それを作品に昇華させる

いや、そんな大層なもんじゃないですw
とりあえず気を紛らわせたかっただけで
結局なにも改善できてないんですけどね・・・

ほんと、真香さんも体調には気を付けてくださいね!

ぐりんたん 

自分のイライラ&痛みを総司に代弁してもらっただけの話
読んでくれてありがとーなの!
こーゆーときはなぜか総司なんだよねえ・・・
副長なんかは我慢しそうだしさ
高杉は女押し倒して紛らわせそうだw

痛みはね
治ってはいないけど、ましになってきた
慣れてきたのかもしれんがw

最近、気候の変化に対応できにくくなってきたよう
ぐりんたんも気をつけてねー!
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【23 永い夜のその向こう】へ
  • 【恐ろしいお話w】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。