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「繊月花-新撰組外伝-」
君に恋をした-桂小五郎の恋-

21 夕照の海に約束を

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誰が見ても達筆だと認める文字で書かれた文が届いたのは、秋も終わりの頃だった
丁寧な言い回しはあったが、内容はといえば、こういうことだ

なにをぐずぐずしてる
とっとと来やがれ

高杉が江戸へ発ってから半年が過ぎた
徒党を組む男ではないし、一人で気ままに過ごしてはいるだろうが、後から追いかけると言った自分を首を長くして待っていることも事実だ
別に二人で何かをしようというわけではない
それぞれに江戸でやるべきことがあり、それは時期を逸するわけにはいかないことでもある
機が熟すのはまだ当分先になるが、それまでにやっておかねばならぬことは山積みで、時間もかかる話だ

だから、高杉は自分を待っている

そんなことは、高杉が萩を離れた時からわかっていた
二人同時に動けば目立つ 
だから先に高杉が動き、その後を少し遅れて追いかける
それが二人の間の暗黙の了解だったのだが、思いがけず遅れてしまった理由は、桂自身、自覚していた

これ以上は無理だ

桂はようやく決心を固めた


海風が頬を撫でる
その冷たさに顔をしかめながら、桂はひとつ息を吐いた
視線の先には、寄せては返す波を飽きもせず眺めている染花の姿がある

「染花」

低い呼び声に、染花はゆっくりと振り向いた

「はい」

いつもと同じ、邪気のない顔と素直な返事
女将に話をつけたから、今日は日暮れまでは貸し切りだ
そういって郭に迎えに行った時、染花は嬉しそうに笑ってみせた
けれど時折見せる憂いを帯びた横顔は、出会った頃にはなかったものだ

「話がある」

引き延ばしたところで仕方はない
結果は変わらないし、変えるつもりもない
そんな桂の思いを知ってか知らずか、染花は桂をまっすぐに見つめた

「はい」

こんな染花を見るのは初めてかもしれない
まるですべてを知っていて、そして覚悟を決めているような、そんな顔
桂はわずかに目を細めた

「染花、俺は江戸へ行く」

はっきりと、桂は言い切った
誤魔化しも詭弁もいらない
事実だけを告げると、そう決めていたから

「桂さま」

泣くだろうか、それとも詰るだろうか
そんな風に思っていた桂だったが、意外にも染花は落ち着いていた
驚くこともなく、ただまっすぐ桂を見つめている

「・・・わかっていました、わたし」
「染花」

澄んだ瞳が桂を捉える
迷いもない、躊躇いもないまっすぐな眼差しを逸らさぬまま染花は静かに告げる

「いつか来る日だとわかっていました。貴方を見送る覚悟もできています。だからどうか、遠慮なさらないでください」
「染花、おまえ」
「…高杉さまはわたしにこうおっしゃいました。貴方の足枷にはなるなと」

さすがに声こそ出さなかったものの、桂の顔には驚きの色がありありと浮かんでいる
高杉が染花と話をしたなど、初耳だ

「今まで貴方とご一緒できただけで、わたしは幸せです。だから」

言葉も眼差しにも、揺るぎはない
けれど袖口からわずかに見える白い手が震えていることを桂は見逃さなかった

「…染花」

細い手をそっと掴むと、初めて染花は表情を変えた
張りつめていた糸が切れたように、瞳が潤んだ

「おまえがそこまで覚悟を決めてくれてるのなら」

泣くまいと、涙をこらえるように唇をかみしめる染花の頬にそっと手を添える

「その覚悟を俺にくれ」
「…え?」

なんのことかと染花が問う前に、桂は染花の体を抱きしめた
腕の中で身を強張らせる染花の耳元で低く囁く

「…え?」

囁きは海風にさらわれる
聞き間違いかと目を瞬かせる染花に、桂はもう一度同じ言葉を繰り返した

一緒に来い

水平線に陽が沈む
それは何度も目にした光景なのに、どうして今日は滲んで見えるのだろう

零れる涙を拭ってくれたのは、愛しい人の唇だった

*おそろしいことに、「桂の恋物語」書き始めて、すでに1年以上経ってるんだよ(゚д゚)なのにまだ完結の兆しが見えねえw

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~ Comment ~

 

え?!
一緒に来い?!
一緒に…。

NoTitle 

一緒に行くんかーーい!
いや全然かまわないけど。とても喜ばしいけど!
このシリーズ不思議だよねえ。
特に事件とかあるわけじゃないのに、自然とストーリーが進んでるというか。
ってか今回が最終回だと思ってたら続きあるんだね、楽しみに待ってるよ。
「その覚悟を俺にくれ」きたこれ名台詞!
言われてみたい、でもおそらく言われることなどない台詞上位ランクイン候補!(長い)
桂ってば相変わらずキザねまったく

あーやん&ぐりんたん 

い、いや
まだ一緒に行くと決まったわけでは(ごにょごにょ)

いやー
ほんと、ひっさびさの桂話でさ
思わず(自分が書いたにも関わらず)最初から読み返したよw
第1話からすでに1年余・・・
ここまでひっぱったのって初めてかもしれない

>特に事件とかあるわけじゃないのに、自然とストーリーが進んでるというか。

そーなんだよ
桂話が書きにくいのはさ
大々的な事件が起こらないからなんだよっ!
桂ってば、活躍するのはもう少し後の時代だからさー

妙なところで史実を守りたい方だから(嘘つけ)
架空の事件を起こすこともできず
今となっては、高杉を江戸に行かせたことを悔やんでいるw

>ってか今回が最終回だと思ってたら続きあるんだね、楽しみに待ってるよ。

う、うん 汗
なんとか年度末までには完結させたいと願っている

>「その覚悟を俺にくれ」きたこれ名台詞!

言われてみたいよねえ
言われても、あげないかもしれんが

名セリフと言えばさ
今、「夢100」(しつこく続けている)で一番のお気に入り王子
イヌイって俺様キャラなんだけど

「ずるい男だってわかってんのに それでもお前、俺のこと好きなんだ?」

このセリフに胸を射貫かれてます(≧▽≦)
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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