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「繊月花-新撰組外伝-」
万華鏡-想いの欠片-

その瞳に映るもの

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ふと振り返ると、後ろをついてきていた女は足を止めていた
その視線の先には、若い夫婦と小さな子供がいて

ぐずる子供をあやす母親
泣き止まぬ子供をひょいっと抱き上げる父親
それはありふれた 他愛ない光景で

父の肩に乗せられた子供は、ぐずっていたことが嘘のように
無邪気な顔にはちきれそうな笑みを浮かべている

「…どうした」

いくぶん不機嫌な声になってしまったのはなぜだろう
紫苑が、自分以外のものに気を取られていることが気に入らないのか
それとも別の理由か
自分のことだというのに高杉にはわからなかった

自分を見つめる目に気づき、紫苑は慌てて高杉に駆け寄る

「すみません。つい」
「つい、見とれちまったのか」

あの光景に

そう言いかけて、ぐっと口をつぐむ
言葉にしてしまえば、それを認めてしまうような気がした

寄り添う若い夫婦に、小さな子供
それはどこにでもあるささやかな時間で
手を伸ばせば誰にでも掴める日々だけれど

-女の幸せってやつを考えてやれよ

いつだったか桂がこぼした言葉が脳裏をよぎる
あの時自分は何と答えただろう
くだらねえと鼻で笑ったように思うけれど

女の幸せ
それを紫苑が望んだとしても、高杉が与えてやることはこの先もあり得ないし
これまで与えてやりたいと思ったこともない
けれどもし

もしも紫苑がそれを望み、心から欲したら
その時自分はどうするだろう

考えても仕方のないことだと頭ではわかっているし
紫苑がそんなことを言うはずはないともわかっている
わかっているが、なぜか無性にいらだってしまう自分を持て余す
だが、そんな思いはおくびにも出さず、高杉はいつもの皮肉めいた笑みを浮かべた

「俺より気になるってのか」

挑発めいた高杉の言葉に
紫苑はやわらかな微笑を返す

「つい、懐かしくて」
「…懐かしいだと?」

思ってもいなかった返事に、高杉は眉根を寄せた

「小さい頃、私がお屋敷に引き取られて間もない頃」

静かに語る紫苑の声が、苛立つ高杉の心に沁みこんでくる

「泣いてぐずる私を」

白い手が高杉の腕にそっと触れる

「ああやって貴方が抱き上げてくださいました」


遠い昔の思い出が、高杉を見つめる琥珀の瞳に甦る
それは色褪せることなく、今も鮮やかに息づいているようで

「…行くぞ」

眉ひとつ動かさず、高杉はさっさと踵を返す
けれどその手はしっかりと、紫苑の細い腕を掴んでいた

「はい」

迷いなく頷き高杉の後をついていく紫苑の背を楽し気な笑い声が追いかけてきたけれど
紫苑がその光景を振り返ることはなかった

*「いい夫婦の日(11月22日)」に合わせて書くつもりが・・・w

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~ Comment ~

NoTitle 

アップお疲れ様ー
なんだか人間くさい高杉だね。
与えられないけど、相手が欲したらどうするだろう、なんてさ。
すごく身近に感じたよ。
んでその斜め上を行く(本来の使い方と違うけど、そう感じた)紫苑の発想がさ。
やっぱり高杉のことだけに染まってて良いよね。

最近読んだ漫画で「人と人は完全に分かり合うことはないけど、それでも一人じゃ生きられない」
っていうありふれたセリフがあってね。
ありふれてるんだけど結局そういうことなんだろうなと思うよ。

ま、高杉と紫苑は別格かもしれないけどさw

ぐりんグリーンさん 

ぐりんぐりーん
青空には雲が走りい~

って歌を思い出した。
なんの歌だ?

いやいやコメントありがとーです!
久しぶりの高杉×紫苑でおま。

人間臭いてw
まあ確かにいつもはもっと飄々としてるというか
あんまり感情読めないもんなあこいつ

斜め上をいく紫苑に笑った!
いや、笑ったというか納得したというか
そうなのー
紫苑はある面では高杉の上を超えてくる奴なんだよ!

>「人と人は完全に分かり合うことはないけど、それでも一人じゃ生きられない」

確かにぐりんたんも言ってるみたいにさ
ありふれて、使い古された言葉なんだろうけど
真理だからこそ、使い古されてるんだと思うよ

前に話した(書いた?)ことあるかもしれないけど
「百億の昼と千億の夜」に印象的なセリフがあってさ
突然暗闇に閉じ込められたシッダルータがさ
思わず傍にいるはずの阿修羅の名を呼ぶんだけどね
そのときの阿修羅の言った言葉がさ

『人間とは、一人でいるよりも悪を選ぶんだな』(微妙に言い回しは違うかもw)

一人の孤独より、たとえ悪であっても誰かのそばにいたい
そんな意味あいだったけど、なんか納得しちゃったよ

阿修羅がシッダルータに

NoTitle 

最後の一行w

歌はグリーングリーンだよ。そのままだよ。
私は学校で習ったさ。ある日パパと二人で語り合ったさ。

一人より悪ね。分かるなあ
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