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「四季綴り-薄桜鬼異聞」
土方編

A-1 And time begins to move

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誰が言いだしたなんてことは、もう覚えていない
覚えていないけれど、いつのまにかそれは当たり前のようになっていて
まるで最初からそうだったかのように


「-今日の夕餉は魚か」

稽古を終えた後なのかもしれない
副長室の襖を開けた原田の額にはうっすらと汗が滲んでいた
閉め切っていたから気づかなかったが、廊下の向こうから魚を焼く香りが流れてくる
土方はひとつ息を吐くと筆を置いた

「なんだ」

一区切りついたのか、あるいは諦めたのかはわからないが、土方は体ごと向きをかえ原田を見上げる
原田は遠慮なくその場に腰を下ろした

「いや。別にたいした用はねえ」
「だったら井戸へでもいって汗を流して来い」
「それはそうするけどよ」

それでも原田は動こうとしない
土方は僅かに眉根を寄せた

「用があるならさっさと言え。俺は忙しいんだ」
「…昨日、十番組は巡察だったんだがよ」

何を今さら
そんなことはわかりきっている
土方の表情はそう言いたげだ

「報告しようかどうか、迷ったんだけどよ」
「なに?」

巡察を終えた組長は、時間を問わず土方に報告をすることになっている
特に何もなかったとしても、だ
その決まり通り、昨日も原田はちゃんと報告に来ていた

「なんだ。言い忘れか?」
「いや。隊務にゃ直接関係ねえから、昨日は言わなかったんだが」
「関係あるかどうかは俺が決める。さっさと言え」

土方の声音にわずかな苛立ちが混じる
原田は苦笑した

「隠すつもりじゃなかったんだが。一晩考えて、やっぱ言っとくべきかなって思ってよ」
「もったいぶるな」

原田は、幹部の中でも土方が信頼している一人だ
無頼漢に見えて意外と目端が効くし、頭も切れる
その男がこうまで思案することなど、滅多にないことだった

「なんだってんだ。攘夷志士の隠れ家でも見つけたか」
「-あいつのことだよ」

原田は視線を廊下の向こうへと動かした
それが「誰」のことを言っているのか、聞かずともわかる

「…あいつは昨日は屯所を一歩も出てねえぞ」
「それはわかってる。斎藤がずっと稽古をつけていて、それ以外は洗濯したり掃除してたんだろ」
「その合間に俺を狙って突進してきてたがな」

そう言って、ふん、と鼻をならす土方に原田は目を瞬かせた

「なんだ。まだ狙ってんのか、あんたのこと」
「腕はいっこうにあがってねえけどな」
「懲りねえ奴だな」
「んなことはどうでもいい。さっさと話せ」
「…実はよ」

原田は、昨日の巡察で見聞きしたことを簡潔に告げた
そこに無駄な装飾や主観は一切なかった


「-ってわけだ」

話を聞き終えた土方は、眉ひとつ動かしていなかった
ただ一言、「そうか」と言っただけだ
その反応に、原田は訝し気に眉をよせ、そして気づいた

「まさか、あんた、知ってたのか」

その問いかけに土方は答えなかったけれど、その貌が返事をしている
そうか、と原田は呟き、そして肩をすくめた

「そりゃ、そうだな。あんたが放っておくわけはねえもんな」

その声は嫌味でも皮肉でもなく、むしろ賞賛の色さえ帯びている

忘れていた
目の前にいる男は、京の町で恐れられている人斬り狼たちを束ねている人間だ
抜かりなどあるはずがない

「-用が済んだらさっさと汗を流して来い。そのうち飯だ」
「んだな」

どこかさっぱりした表情をして原田は立ち上がる
部屋を出ようとして、そして肩越しに土方を振り返った

「けど、今の名前もあいつにゃ合ってると思うけどな」

土方は何も言わず、ただその秀麗な顔に苦笑を浮かべ再び筆を手にする
そんな姿に目を細めながら、原田は廊下の奥に向かって大声で叫んだ

「巴!飯の支度、手伝ってやるよ!」

助かります

原田の呼びかけに答える軽やかな声が聞こえたけれど、土方が振り向くことはなかった


おまえ、名前は

貴方たちに教えるつもりはありません

名無しじゃめんどくせえだろうが

好きに呼べばいいでしょう

気の強い女だな


そんなやりとりが脳裏に甦る
誰が言いだしたのかなんて、もうどうでもいい
その名はいつの間にか皆の口に、耳に馴染んでいて
まるで最初からそうだったかのように

*とりあえず「土方編」スタート!どーなるかは皆目見当もついてませんwわけのわからねえ伏線は繋いでくれても放置してくれてもどっちでもいーよ!

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~ Comment ~

NoTitle 

巴、いい名前だね
名前が付くとこれまでと違う色を持つよねー

この伏線は…どうにもこうにもw
苦手だぜこういうの(´ω`)

>誰が言いだしたのかなんて、もうどうでもいい

最後のここが好き。
ほっこりした!

ぐりんグリーンさん 

勝手に「巴」にしちゃってごめんよ!
だって名前ないと書きにくいしさー

でも「名前」って不思議だね
その瞬間、なんかくっきりと輪郭(顔だけじゃなく)がが見えてくる気がする

伏線については大した意味はない。
今後の展開に絡めるつもりで書いたわけじゃないから放置してくれて大丈夫だ!←実は回収するつもりもないかもしれないw

続きよろしくねー!

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A-2 今夜のゲストはこの方でーす 

「巴!飯の支度、手伝ってやるよ!」

原田さんにそう呼びかけられてつい「助かります」なんて返事をしてしまった。
これじゃ勝手方を任された奉公人だ。
私は一体何をやっているんだろう。

この人たちが憎たらしくて仕方なかった、あの時の気持ちは今でも忘れてない。
新選組なんて、天変地異が起こって壊滅してしまえばいいのにと何度も思った。

本当は自分の手でこの人たちを苦しめてやりたい。
でも私一人の力じゃどうにも出来ないと知ってしまった。

私が何を仕掛けても、まるで子供の悪戯みたいに呆れた顔をされるだけ。
軽くいなされて「またお前か」と言われるだけ。

これだけ何回も繰り返せば誰だって分かる。
私はこの人たちに敵わない。

もう一つ私の気持ちを鈍らせるのは、
彼らが私に優しいということだった。

折檻されるわけでもない。
洗濯ひとつ、炊事ひとつで「ありがたい」やら「すまねえな」と声をかけられる。

そのたびに私の心のどこかが軋む。


こんなに優しいのに、彼らは人を斬る。


***

夜も更けたというのに目が冴えて眠れない。
少し夜風にあたろうと廊下に出た私は、人の気配を感じて足を止めた。

「…誰?」

恐る恐る訊ねると、その気配はこちらに近寄ってきた。

「…女だと?」

聞き慣れない声だった。
それだけでも十分警戒に値するのに、続いた言葉がさらに私を驚かせる。

「お前も幕府の犬どもの仲間か。
慰み者として置いておくには些か年が若いようだが」

辛辣な口調と隠さぬ敵意。
泣く子も黙ると言われる新選組を、こんな風に馬鹿にできる人が居るなんて。

声の主は、今や顔を判別できるくらいまで近くに来ていた。
金の髪と赤い瞳が印象的な男の人だ。

あなた、だれ?

そう聞こうとした矢先に、私の後ろから鋭い声が飛んできた。

「風間」

振り返ると土方さんが刀を持って立っていた。
目は私を見ていない。私を通り越して、風間と呼んだ男を睨みつけている。

「てめえ…また来たのかよ」

「貴様らが紛い物の鬼を生み続ける限りはな。
この俺が直々に足を運んでやろうというのだ、光栄に思え」

「はっ、随分と暇な生き物だな鬼ってのは」

「易々と巣に入られているくせに口だけは達者だな。犬にしては上出来だ」

二人が応酬してる間、私は混乱した頭を必死でほぐそうとしていた。

紛い物の鬼?
鬼って?

ううん待って、その前に聞き捨てならない台詞があったはず。
とんでもない暴言に気付いた私は思わず口を開いてしまった。

「慰み者なんて失礼にも程があります。謝ってください」

二人が同時にこちらを向いた。

「謝るだと?お前のような小娘に、俺が?」

風間という人が心底不愉快そうに吐き捨てた。
その途端、頬にびりびりとした空気が走る。

もしかしたらこれが殺気というものなのかもしれない。
恐怖で足がすくんだ。

「待て」

土方さんの凛とした声がその気から私を解いてくれた。
それまで呼吸も忘れていた私は、ほうと息をつく。

「こいつには手を出すな。俺達とは関係ねえ」

「…犬と阿呆な小娘、か。似合いだな」

風間という人はそう呟くと、すっと暗闇に姿を消した。
飛び上がるわけでもなく走り去るわけでもなく。本当に掻き消えた。

「大丈夫か?」

土方さんが私を心配そうに覗き込む。

「…はい」

「そうか」

土方さんは少しためらった後、そっと私の頭に手を置いた。

「怖い思いをさせてすまなかったな、巴」

彼に巴と呼ばれたのはこの時が初めてだった。
瞬きも忘れてまじまじと見返してしまう。




こんなに優しいのに彼らは人を斬る
人を斬るのに私を守ってくれる
人を斬ったその手が私に温もりをくれる




視界がぼんやりと霞む。

「はい、本当はすごく怖かったです」

私はいつの間にか泣いていた。







※というわけでゲストに風間さんを迎えてお送りしました。
結局何しに来たんでしょうねこの人(出演料:かすていら1年分)
  • #3717 借りぐらしのぐりエッティ 
  • URL 
  • 2016.11/27 23:23 
  • [Edit]  ▲EntryTop 

下宿人なのに態度のでかいぐりエッティさんへ 

きゃーきゃーきゃーっ!!(≧▽≦)
とうとう始まったのねちーさまルートがっ
どうしようかしら
あーんなこととか こーんなこととか
色んなことやらせようかしらっ!

・・・と思って読み進めたら

>ゲストに風間さんを迎えてお送りしました

ゲストかよっ
ほんとに何しに来たんだこの人w

でもちーさまのおかげで、二人の思いみたいなのが
ちら見えしてきましたね!
さすがちーさまだよ
 
いやいや、そんなことよりもっ

>こんなに優しいのに彼らは人を斬る
>人を斬るのに私を守ってくれる
>人を斬ったその手が私に温もりをくれる

これがこの話のテーマかもしれないなあって思った
なんとかうまく絡めてみたいなあ

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