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「四季綴り-薄桜鬼異聞」
始まりの章

8 Have you found what you're looking for?

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雨か

いつの間にか降り出した雨の音に、原田は顔を上げた
抱えていた槍を畳に置くと静かに立ち上がる
そっと襖を開けてみれば、雨に煙る広大な境内を灯篭の灯りがぼんやりと浮かび上がらせていた

寒いな

もう春も終わりを迎える時期だというのに、空気はひんやりとしている
原田はぶるっと一度だけ肩を震わせたが、部屋には戻らなかった
後ろ手に襖を閉め、そのまま縁側に腰を下ろす
こうして眺める景色は初めてではないようで、わずかに眉を寄せた

ああ そうか

この既視感の正体に気づき、思わず苦笑する
すでに花は散ってしまったけれど、境内を囲むのは桜の木
夜明けを迎える頃には大勢の人間が出入りすることになるだろう大きな門は、今は人を拒むように閉じられていて

寺ってのは、どこも似たような造りだな

かつて自分たちが身を寄せていたのも寺だった
境内には四季折々に花を咲かせる木があって、殺伐としてもおかしくない自分たちの日々に彩を添えてくれていた
春には桜、夏の緑に秋の紅葉
色を失くす冬でさえ、白銀の境内で笑い転げていた

ああ そうか

もう一度、原田は同じ思いを胸に抱きながら、自分の右隣に視線を落とした
まだ真夜中だ そこには誰もいない
それでも原田は、そこに誰かがいるかのように口元をほころばせた


「…なにやってんだ?」

自分の足元にしゃがみこんでいる娘は、ちらりと視線だけを動かした

「お掃除です」
「そりゃあ見ればわかる」

雑巾を片手に廊下を行ったり来たりしていれば、廊下の掃除をしていることくらいは誰にでもわかる
原田が聞いたのは、そういう意味ではない

「なんでおまえがそんなことやってんだ?」

嫌味でもなんでもなく、それは素直な気持ちだったのだが、娘はむっとした表情で原田を見た

「ただ飯食らいって言われるのは真っ平ですから」

素っ気なく言うと、娘は原田の脇をすり抜けて再び廊下の雑巾がけを始めた

「洗うものがあれば出しておいてください。この後お洗濯しますから」

振り向きもせずにそう告げる娘に、原田は楽し気に口端を上げた
それが、原田が娘と交わした最初の会話だった


経緯は夜のうちに土方から聞いていたが、翌朝早くから原田は巡察で外出したから、娘とまともに顔を合わせるのはこれが初めてだった
土方は「朝になれば家に帰す」と言っていたが、どうやら状況が変わったらしい
その理由を原田が知ったのは、その日の夜のことだった

全て忘れて家に帰れと言った土方に対し、娘は「嫌だ」と反論した

そう教えてくれたのは斎藤だ
なぜか土方はそれを認め、娘が屯所に居つくことを許した

「副長が何をお考えなのかは俺にはわからんが」
「で、なんで廊下の掃除なんだ?土方さんの命令か?」
「あやつが自分から言いだした」
「えらく勤勉な奴だな」
「…一因は総司だがな」

斎藤は詳しくは言わなかったが、原田には察しがついた
おおかた総司が余計なことを言ったのだろう
ただ飯食らいを養う余裕なんてないからね、とでも

「ま、いつまで続くか見ものだな」

それが「誰」に対する言葉なのか
斎藤も、そして口にした原田自身も、この時には考えもしていなかった


あれから幾年が過ぎた
思えば、移りゆく季節のそのすべてに、あの娘の面影がある
最初は遠巻きに、けれど少しずつ、だが確実に
娘は自分たちの傍に近づいてきていて

隣に座って月見をしたのはいつだっけな

見上げても、真っ暗な空に月はなく
ただ降りしきる雨が頬を濡らすだけだ

あの頃
娘は、そして自分たちは何かを探して生きていた
それがなんなのか
今でもはっきりとした答えは出ていない

けど
それも明日で終わりかもしれねえな

上野寛永寺の夜の中
雨は止む気配はなく
それでも原田の目には、金色に輝く満月が見えるような気がした

*一応、上野戦争前夜のつもりwまたまた時系列むちゃくちゃですまぬ!

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~ Comment ~

 

あの頃何かを探して生きていた、じゃないわいw
すっ飛ばしすぎじゃー

あーもうギャグ系に行きたくなってきた

ぐりんたん 

こ、コメントありがとっ

>すっ飛ばしすぎじゃー

う、うん。自分でもそう思うw
だって。だって!
とりあえず原田も出しとこうかな、と

>あーもうギャグ系に行きたくなってきた

どこへ行こうがついて行きますぜ!!


9.無いのなら 作ってしまえ 分岐点 

「それじゃいったん休憩にしようか。
読者の皆さんこんにちは。江戸中の女の子を血祭りにあげ…虜にする魅惑の剣士、沖田総司です」
「今血祭りって言ったよな。ほぼ言ったよな」
「あれ、左之さん。ストーリーでもここでもどうして突然出てくるのさ?それ流行りなの?」
「知るかよ!俺だっていきなり呼びつけられて迷惑してんだ。ったく二次元ってのは面倒な世界だぜ」
「まあいいじゃない。この世界があるから僕達イケメンでいられるんだし」
「ん?どういう意味だ」
「ちょっと探してみたけど、左之さんって写真とかあんまり残ってないみたいだね。
僕、ばっちり残っててさ」
「ああ…見たことあるぜ」
「どう思う?」
「純日本人だなって思った」
「でしょ?薄桜鬼の沖田総司と全然違うんだよね」
「品のある顔立ちだと思うぜ、俺は」
「僕ももちろんそう思ってるよ」
「あとは…そうだな。白黒だからよく分かんねえけど、ほっぺたなんかは食ったら旨そうだよな。
餅とか団子みてえでよ」
「はい来た。それだよ左之さん。ほら、お団子といえば?」
「はあ?団子ねえ…団子といやあ月見だろ。満月を愛でつつ、団子を肴に酒をクイッとだな」
「さすが左之さん!」
「何だよさっきから」


「さ、早く満月を思い浮かべて。休憩終了だよ」


***


それでも原田の目には、金色に輝く満月が見えるような気がした。
明日で己の生が終わるかもしれない。
こんな夜になぜあの娘のことを思い出すのか。

理由は明白だった。数日前、件の娘と再会したからに他ならない。




それは本当にただの偶然だった。
彼女は暗い夜道を、手にした提灯だけを頼りに、それでも気丈な足取りで歩いていた。

「お前…!」

自分でも驚くくらいの大声が出た。
もう二度と会うことはないと思っていた娘。
原田やかつての仲間と、共に生きた娘。

彼女も原田が誰なのか分かったようだ。

「原田さん!」

原田は口を開けっぱなしで棒立ち、娘はパチパチと瞬きを繰り返している。
互いに間の抜けた様子を見合い、二人は同時に吹き出した。
まるで時間が巻き戻ったようだった。

だが今の二人に積もる話をする暇などあるはずもない。
短い会話の中で、原田が彼女について聞き出せたのは二つ。
京を出て江戸に渡ったこと、そして現在は古い道場を手伝っていることだった。

「道場か…お前、剣筋はよかったもんな。斎藤は無口な男だけどよ、お前のこと褒めてたんだぜ?」

「本当ですか?」

ありえない、とでも言いたげに娘が目を丸くする。

「ああ本当だ」

屯所暮らしにもようやく慣れたであろう頃。
彼女が斎藤に剣術指南を乞い、修練に励んでいた光景は昨日のことのように覚えている。
何人かいる幹部の中でなぜ斎藤を指名したのかと問えば、娘が口にした理由は"無口だから"。
『余計な詮索をされたくないんです』
彼女の言葉に永倉や藤堂、そして一緒くたにされた沖田までもが面白くなさそうな顔をした。

口下手同士で黙々と稽古をする斎藤と娘は、ある種新選組の名物だった。
妙に息が合っていて、見る者を感心させるのだ。

ある日斎藤は、稽古場で懸命に木刀を振るう彼女を見守りながらこう言った。

『あの娘は、もう身近な人間を失いたくないと言っていた。
刀は持つ者の意志を映し出す。
彼女の心は強い。だから俺は協力したいと思ったまでだ』

原田はふと迷う。
あのときの斎藤は、今まで見たこともない眩しそうな眼をしていた。
おそらく彼女のことを憎からず思っていたのだろう。

再び会えた今、これを話しておくべきだろうか。

(いや…やめておくか)


娘とはその後すぐに別れた。


原田も娘も、「また会おう」とは言わなかった。




「まだ剣術やってたんだな、あいつ」

雨の縁側。
波のように寄せては返す追憶に浸りながら、原田は呟いた。
そしてとある方角を見つめる。

(この先をずーっと行きゃ、京だ)

口端には笑み、瞳には慈しみが滲んでいることに彼は気付かない。
もう取り戻せない日々への想いがそこにはあった。


(斎藤だけじゃねえ。
俺だって、他の奴らだって皆あいつを気に入っていた)

再会した娘が予想以上に美しく成長していたせいもあるのだろう。
原田はもし彼女と所帯を持っていたら、という幻想を捨てきれなかった。

(…あいつはどうだったんだろうな)

聞いておけばよかったと、彼は自分を嗤う。

(今度会ったら教えてくれよ。
お前、俺達の中で誰か心に決めた奴がいたんじゃねえのか?)




原田の推測は正しかった。
娘の心に今も尚棲んでいる男。

その名は







***うさぴょんへ***

分岐点です。(勝手に決めた)

A.土方
B.沖田
C.斎藤
D.原田
E.藤堂

好きなルートを選んで、まっしぐらに続きをお願いします!
私はうさぴょんが選んだルートに合わせて続き考えるので。
タイトルは、例えば土方なら次作は「10(A-1).〇〇〇(タイトル)」って感じで。
分かりにくかったらごめん

  • #3704 借りぐらしのぐりエッティ 
  • URL 
  • 2016.11/16 23:12 
  • [Edit]  ▲EntryTop 

 

補足。
うさぴょんが仮に土方話を書いた後、私が書くとしたらタイトルは「11(A-2).◯◯◯」になるイメージです。
強引に分岐点に持ち込んだけど、ついてきてくれるんだもんね( ^ω^ )よろしくです!

  • #3705 借りぐらしのぐりエッティ 
  • URL 
  • 2016.11/16 23:42 
  • [Edit]  ▲EntryTop 

下宿人のぐりさん←嫌がらせ 

うわあわあわあわあわあわーー!(ToT)(ToT)(ToT)

 

あ、別に「その名は」から続ける必要ないからねー\(^o^)/
  • #3707 下宿人のくせに態度がでかいぐり 
  • URL 
  • 2016.11/17 07:31 
  •  ▲EntryTop 

態度のでかい下宿人ぐりさんへ 

つづき、ありがとー!

ありがとーだけど。
どーすりゃいいんだこれw

この流れだと、どの分岐もありだよね
や、そうできるように書いてくれたんだろうけど
あ。平助除外だけど。

>この先をずーっと行きゃ、京だ

この一言、泣けた。
原田は別に泣いてないんだろうし、今の自分を悔やんでるわけでもない
だけど、なんての?なんともノスタルジック(という陳腐な表現さえホントはしなくないけど)

うわああああああ
悩むよう!!
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