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「四季綴り-薄桜鬼異聞」
始まりの章

6 I seem to you are crying

 ←そんなこんなで秋が過ぎ →隠れ鬼

めんどくせえ

言葉にこそしなかったが、正直それが本音だ
それでなくてもやらねばならないことが山積みで、一刻も無駄にしている暇はない
今日だって、これから会津藩邸に行かねばならないのだし

なんでこんなことになっちまったんだ

自分が蒔いた種じゃないと言いたげな総司の顔を視界の端に捉えながら、土方は深い溜息をついた


真夜中の街角で、自分たちの所業を目撃した娘
悲鳴をあげられ騒ぎになると面倒だと思い屯所まで連れ帰ったのはいいが、はっきり言ってその時は娘の処遇など考えてもいなかった

一晩蔵に放り込み、一応身元は確かめて、朝になれば家に帰してやればいい
こんな小娘が騒ぎ立てたところで、別段困りはしない
自分たちが「奴」を斬ったことは事実だが、「奴」の遺体はすでに片付けた
仮に娘が町方に訴え出たとしても、娘の言葉を裏付ける証拠はどこにもないのだ

朝になれば一件落着だったはずなんだがな

茶の入った湯飲みを口元に運びながら、土方はちらりと視線を動かした
紫紺の眼差しのその先には、まっすぐに土方を見つめる-いや、睨みつけている娘の姿がある
両腕は後ろ手に縛られ、口にはさるぐつわを巻かれているが、それは断じて土方の趣味ではない
蔵から出してやるときに、娘が大声をあげて暴れたから仕方なく、だ

たかが小娘ひとりに、なんでこんな真似をしなきゃならねえんだ

苦々しげに眉を寄せたのは、口に含んだ茶が思っていたよりも熱かったからで、小娘ひとりに振り回されているこの現状のせいじゃない
土方は自分にそう言い聞かせた

「…ちっとはおとなしくする気になったか」

湯飲みを盆に戻すと、土方は袂の中で腕を組んだ
おまえに危害を加えるつもりはない、という土方なりの意思表示ではあったのだが、果たしてそれが娘に伝わったかどうかはわからない
障子の前に座った総司は、面白そうに二人を見比べていた

「手荒な真似をするつもりはねえ。おまえさえおとなしくしてりゃ、すぐに家に帰してやる」
「あれ、そうなんだ」

総司の茶々には答えず、土方はもう一度繰り返す

「おとなしくするって言うんなら、すぐに縄もほどいてやる」
「こんな子供相手にさるぐつわなんて、土方さんも大人げないよね」

いちいち口を挟むんじゃねえ!と怒鳴りつけたい衝動を土方はぐっと堪えた
ここで怒鳴ってしまっては総司の思うつぼだ

「それとももう一度あの真っ暗な蔵へ戻されてえか?」

にやり、と
誰が見ても悪党にしか見えない笑みを浮かべながら、土方は娘の顎に手をかける
京の町では「人斬り集団の鬼副長」と恐れられている自分の脅しに、まだ年若い娘が怖がらないはずはない

「あの蔵は俺たちが不逞浪士を尋問する場所でな。暗い中じゃわからなかっただろうが、壁や床には血糊がべったりついてるんだぜ」

こんなやり方は好きではなかったが、この際文句は言っていられない
娘が恐怖に震えながらおとなしく家に帰ってくれればそれでいいのだ

「…もう一度聞くぞ。おとなしくするな?」

瞬きひとつせず、低いその問いかけに娘が一度だけ頷くと、土方の目にはわかりやすいほどの安堵の色が走り、そして総司は怪訝そうに眼を細めた
土方が、細い顎をつかんでいたその手でさるぐつわをほどいてやったその瞬間、娘の唇がわずかに動く

人殺し

そう呟いた娘の瞳は挑むように土方を見据えていて、一筋の涙も零していなかったけれど
小さな肩が小刻みに震えているのは恐怖のためか、あるいは別の理由か
土方にはわからなかった

*うーん。まだ先が見えてこねえw

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~ Comment ~

NoTitle 

アップおつかれさまー
うーむ、うさぴょんが何を思ってこういうゆっくり展開にしてるのか、分からないんだよなあ…
何も考えてないよーって言われそうだけど、そうじゃなくてさ。
書いてるときって何かしら思いながら書くじゃん?
そういうの汲み取るのって難しいもんだねえ。
(暗いイメージで言ってるわけじゃなく、なんとなく感嘆してる感じ)

ぐりんたん 

コメントありがとー

何を思ってゆっくり展開・・・?
・・・・何も考えてな
と書こうとしたら「そうじゃなくて」と釘を刺されていたw

いや、何か思惑があるとかじゃないんだけど
あえて言うなら、「場面」を書くことにこだわってはいるかもしれない
前に(ほんとずっと前。ぐりんたんと知り合ったくらいの頃)思ったんだよ
ぐりんたんって「あるひとつの場面」を切り取るのがうまいなあって。
私はストーリーを追うことに目が行っててさ、「短編」ってのを書くのが苦手だったから、すっごくうらやましくて勉強になったのー
だから、なるべく「場面」を書いてみようって意識し始めて
その名残はまだあるかもしれないw

7.好感度が少し上がった日 

人殺し、という小さな呟きに土方さんは一瞬しかめ面をしたけれど、すぐ無表情に戻った。
いつも僕らには怒鳴ってばかりのくせに、女の子には弱いのかな?なんだか贔屓だ。
彼女の顎をもう一度掴みさらに上向かせ、土方さんは言った。

「これが最後だ。家に帰りたきゃあの夜のことは綺麗さっぱり忘れて、
誰にも言わねえと約束しろ」

あーあ…なんでそんな甘いのかな。
呆れるあまり、ついた溜め息が大坂越えて海にまで出てしまいそうだ。

これで彼女も素直に頷いて、うちに帰ってめでたしめでたしって?
そんな訳に行かないでしょ。
やれやれこの調子だと僕がこの子を送り届ける役になりそうだし、途中で斬るしかないかな。

いろいろ算段をつけていたそのとき、彼女が首を横に振った。

「嫌です」

ひっくり返りそうなくらい驚いた。
この子、自分の立場わかってるのかな。

「そこにいる人に」

彼女は土方さんと目を合わせたまま僕を指差した。
なんだかすごく失礼じゃない?
僕が彼女の旦那さんならお仕置きものだよ。

「死んだあの人のこと、どれくらい好きだったのかって聞かれました。
確かに、心からお慕いしてましたなんて堂々と言えるほどじゃなかったかもしれません。
でもそんなのは関係ないです。
私は絶対に忘れないし、貴方たちがのうのうと生きてるのが許せない」

きっぱりと言い切った彼女の眼を、綺麗だと思ったのはこれで二度目だ。
最初は、初めて会ったあの夜だった。
硝子玉みたいに透き通ったその瞳。

これだからガキは嫌なんだよ、と土方さんが呟いた。

「それに…もう家に戻ってもやりたいことなんてありませんし」

彼女の素っ気ない口ぶりに少しだけ胸を突かれた。

何となくだけれど、彼女はきっといいお嫁さんになったことだろう。
世話焼きの、ちょっと口うるさいけど旦那思いのおかみさん。


そんな彼女の未来を僕らは断ち切ってしまった。


あの男を斬ったこと、後悔は全くしていない。
けど…彼女に対しては?
僕の中に薄いもやのような何かが湧く。

「分かった、好きにしろ」

シンとした部屋に土方さんの滑らかな声が響く。
その眉間に皺はなかった。

へえ…怒ってないんだ。
もしかすると、僕と似たような気持ちなのかもしれない。
それはちょっと嫌だけど。

「その代わり、ここから出してはやれねえけどな」

土方さんの言葉を、彼女は騒ぐことなく受け止めた。
ほんのわずか顎が上下しただけの首肯。


かくして彼女と僕らの暮らしが始まった。


その晩、僕は夢を見た。

視界の中に一人の男。
背中を向けているので顔が見えない。
やがて刀を振るう音が聞こえ、男はのけぞった。
滴る血が見える。どうやら誰かに斬られたらしい。

ああ、あの夜のことか。
この男は彼女の未来の旦那さんだ。

男がゆっくりと倒れていく。

その着物が、いつのまにか見慣れた柄に変わった。
見慣れた髷、見慣れた背中。どんどん変わっていく。

まさか そんなはずはない

僕は戦慄し男の顔を確認しようと目を凝らす。


今や地面に伏し微動だにしないその男は、近藤さんだった。


近藤さん!

そう叫びたいのに、喉は痛むばかりで結局何も出てこない。
駆け寄りたいのに、足はこれっぽっちも動かない。

そこで足元の水溜まりに、僕は気付く。
水面を凝視するとそこに映っていたのは

まだ子供の僕だった

非力でひ弱で、何もできないあの頃の僕

これじゃ助けられない!
僕は悲鳴を上げそうになる。


そこで目が覚めた。
夢だってことは途中から薄々分かってた。
なのに、まだ余韻を残す無力感に僕は身震いする。

「…あの子もこんな気分だったのかな」

独り言なんて我ながら気味が悪いと思う。
でも言わずにはいられなかった。

あの子を見ていて感じた薄もやの正体に気付く。
きっと僕は君にこう言いたかったんだ。


「ごめんね」


ごめんね。
でも君に直接言う機会は、ないんだろうな。


  • #3700 借りぐらしのぐりエッティ 
  • URL 
  • 2016.11/10 23:20 
  • [Edit]  ▲EntryTop 

借りぐらしのぐりエッティさん 

ううむ。手ごわい(笑)

ってか、ようやく「この子」のキャラクターがおぼろげながらだけど
わかってきた感じだね!
千鶴ほど「よくできた優等生」じゃないところが好きだ!
わたしはやってないからわかんないけど
どっちかっていうと「裏語」のヒロイン(名前知らねえ)に近い感じかなあ?

ううむ。続きどうするかな。

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