FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←十六夜に肩を寄せ合い見た月の →おまえに見せよと結いたる髪を
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
もくじ  3kaku_s_L.png 作品のご紹介
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
もくじ  3kaku_s_L.png 鏡花水月
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
もくじ  3kaku_s_L.png 宝 箱
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png イベントレポ
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「繊月花-新撰組外伝-」
君に恋をした-桂小五郎の恋-

19 暮れなずむ空に想う刻

 ←十六夜に肩を寄せ合い見た月の →おまえに見せよと結いたる髪を

断るという選択は桂にはなかった
いや、そもそもその発想すらあるはずがない

江戸へ行け

それは藩命ではあったのだが、別に藩命だから従うというわけではない
春に江戸へと発った高杉を羨ましく思いつつ、はやる心を抑えこの日をじっと待っていた
信念のもと、甘んじて処刑を受け入れた僚友を偲びながら

時代は動き、状況は刻一刻と変化している
ようやくもたらされたこの命を喜びこそすれ、困惑する必要などない-はずなのに

なんで俺はぐずぐずしてるんだ

船で大坂を目指し、京の藩邸で準備を整えてから陸路で江戸に向かう
それが藩からの指示だ
必要な路銀も船の手配も出来ている
あとは出立の日を決めるだけだった

それなのに

「桂さま?」

やわらかな声に、桂は我に返った
顔をあげると、染花の心配そうな眼差しがある

「あの、どうかされましたか」
「…なんでもねえよ」

穏やかに答えると、染花も安心したように微笑んだ

「それより、そろそろ戻らねえといけねえだろう」

夏も終わり、日暮れも早くなっている
まだ暗いというほどではないが、日が落ちればあっという間に辺りは闇に包まれる
そうなる前に染花を郭に帰さねばならない
稽古や買い物、染花の僅かな外出の合間にこうして逢瀬を重ねていることは、むろんふたりだけの秘めごとだ
戻りが遅くなっては怪しまれてしまうし、露見すれば染花の外出も止められてしまうことも考えられた

町はずれの鎮守の森に囲まれた古い社
ここがふたりで過ごすことのできる唯一の場所だ
何をするわけでもない
ふたり並んで座り他愛無い話をするだけ
ただそれだけの僅かな時間が、ふたりにとっては至福の時だった

「…葉っぱが色づいてきましたね」
「そうだな」

赤く染まりかけた社を囲む森の木々
ひぐらしの代りに、虫の声が風に流れる

「故郷の里では」

薄紫の空を見上げながら、染花が呟く

「秋になると、お日さまが沈む時は山も空も燃えるように赤くて。とてもきれいでした」

弟たちと里山で木の実を拾ったり、芒の群れの中で隠れ鬼をしたり
時間も忘れて遊んでいて、よく母に叱られた

そんな幼い頃の思い出を訥々と語る染花を桂は黙って見つめている

山に囲まれた小さな里
田圃の畦道を子供たちが駆けまわり 夕餉を告げる母の声が谷を渡る
それはどこにでもあるありふれた風景で

けれど今の染花が、そして自分が決して手にすることはない光景

「-それもいいかもしれねえな」
「桂さま?」

おまえとふたりでそんな生活をするのも悪くねえかもしれねえな

それは夢か 願望か
それとも手を伸ばせば掴むことのできる現実か

一歩足を踏み出すたびに、足元の砂利が音を立てる
宵の星がひとつふたつと煌めき始めた赤い空を
桂は黙って見上げていた


*じれったいのはわかってますが、もうしばしお待ちをw←誰に向かっていってるのだ



関連記事
スポンサーサイト



 関連カテゴリ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
もくじ  3kaku_s_L.png 作品のご紹介
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
もくじ  3kaku_s_L.png 鏡花水月
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
もくじ  3kaku_s_L.png 宝 箱
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png イベントレポ
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類

~ Comment ~

 

はぁい。
待ってまぁす。
↑返事してみた 笑
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【十六夜に肩を寄せ合い見た月の】へ
  • 【おまえに見せよと結いたる髪を】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。