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「四季綴り-薄桜鬼異聞」
始まりの章

序章 It was the beginning of everything

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しんと静まり返った闇の中
きぃぃぃんと空気を切り裂くような冷たい音が響く
けれど夜も更けた刻限 その音に振り向く人の影はない

「やれやれ」

たった今切り捨てた、元は人の形をしていた異形のものを
青年は醒めた眼差しで見下ろしていた
怯えも恐れも、怒りも憎しみもその目からは感じられない
あるとすればそれは蔑みにも似た色かもしれない

「これ、どうするの」

己の刃から滴る血糊を懐紙で拭き取りながら、青年は肩越しに振り返る
その視線の先には、揃いの羽織をまとった黒髪の男が立っていた

「監察方が始末をつけるだろう」
「まったく。ゆっくり寝てる暇もないよね」

それは、「始末をつける監察方」を労うというよりは、こうして夜な夜な駆り出される自分を憐れんだ言葉か
それには答えず、黒髪の男は無言で踵を返す

「あれ。どこ行くのさ」
「ここでの俺たちの役目は終わった。次へ行く」

男の言葉に青年は目を細め
漆黒の空に微かにこだました甲高い悲鳴に、もう一度溜息をついた

「っとに。なんでこんなことになっちゃったんだろうね」

あーあと天を仰ぐ青年に返事をすることなく、男はさっさとその場を後にする
その背中を追いかける青年の表情は、どこか楽し気に見えた

それは雪さえ降らない凍てついた冬の夜
もうすぐ新しい年を迎える年の瀬のことだった

*ううむ。この先どーなるのだw


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~ Comment ~

1.暗闇にはいつも何かが隠れてる 

「土方さん」

青年が黒髪の男に声をかける。

「……」

「ねえ土方さんってば」

「ったくてめえは…!
外でほいほい名を呼ぶなってあれほど言ってるだろうが」

「そんなことより後ろ、う・し・ろ」

「うるせえな分かってんだよ。
お前はここ見張ってろ、総司」

土方と呼ばれた男はくるりと体の向きを変えると、ただでさえ暗い夜道の、さらに奥へと入って行った。

「自分だって名前呼んでるじゃない」

総司はやれやれとため息をついた。






『!!』
『騒ぐな。とっととこっちに来い』

暗闇の向こうでは何やらドタンバタンと物音が聞こえる。

『痛てっ。こら、暴れるな』


「ずいぶん活きがいいみたいだな…あの土方さんが苦戦してる」

のんびりと夜空を仰いでいた総司は、くすりと笑った。

程なくして土方が何かを抱えて戻ってきた。
それは犬猫にしては大きすぎ、そしてもし不逞浪士であるとしたらひどく小柄だ。

総司は薄い笑みを浮かべつつ土方の荷物に近付き、その鼻をちょんと突つく。

「君みたいな子供が、こんな夜更けに何してるの」

「……」

土方の腕の中でもがく少女は、恨めしそうな顔で総司を見つめ返した。

「口、聞けないの?」

それは気遣いから出た言葉ではない。
総司の目は“君に黙る権利はない”と冷たく告げていた。


「…貴方が」


少女の口から言葉がぽろっと零れ落ちた。


「貴方たちが、さっき殺した人は」


総司の片眉がピクリと動く。
土方は僅かに眉間のしわを深くした。


「私と…夫婦になる約束をしてたんです…っ!」


少女の瞳から涙があふれ、ポタポタと地面に染みを作る。

硝子玉みたいだ、と総司が呟いた。


  • #3674 借りぐらしのぐりエッティ 
  • URL 
  • 2016.09/16 18:54 
  • [Edit]  ▲EntryTop 

 

あははーとうとう始まっちゃったねー( ´ ▽ ` )
まあのんびりやりまっしょい

ぐりんたん 

あははじゃねえしw

いや、始まったねえ
始めちまったねえ
なんだかんだで楽しいんだけどさっ(*^_^*)

気長にのんびりいこうぜい!
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