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「薄桜鬼 土方歳三」
甘い影(連載)

甘い影 10

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名は告げない
お互いのことは詮索しない
この関係に日常はもちこまない

言葉にして約束したわけではないけれど
あの雨の日から
それがふたりの間の決まりごとだった


それなのに
まさかあんなところで会うことになるとはな


思いもかけぬ場所での邂逅に息をのんだのは土方だけではなかった
女もまた目を見開き、一瞬言葉を失くす
けれど、そこはさすがに大店の女将だ
後ろに控える使用人が不審に思う前に、何事もなかったかのようににこやかに応対をするその姿は、土方も舌を巻くほどだった
主の不在を詫び、品物は後日改めて届けると土方に申し出る様子は、誰が見ても客と女将の関係で、それは土方が店を辞するまで変わることはなかった
土方も冷静に受け答えをしたつもりだったが、さて、あの女ほどそつなくこなせたかどうか自信はない


あの後、「約束の日」がやってきた
正直、どうするかと迷わなかったわけではない
お互いの素性を知ってなお、以前と変わらぬように接することができるのか
名もない、ただの男と女としてだからこその逢瀬ではなかったのか
そんな躊躇いと逡巡を抱えながら、それでも土方は約束の場所に向かった

来なければそれで終いだ それだけのことだ

そう自分に言い聞かせながら、眼下に流れる川を見下ろす
初めて出逢った橋の上 そこがふたりの約束の場所
あの時と同じように、鴨川の流れは淀みなく

そう 来なければそれで

静かな水の流れにまじって響く足音に、土方は顔をあげた
凍てついた夜空に浮かぶ月の明りは青白く
その中に佇む女の貌には、僅かな翳りが滲んでいた

来なければそれで終い けれど

「なんで来たんだ」

その低い声に、女は一瞬怯んだように見えた
じりりと後ずさりする女から目を離すことなく、土方はゆっくりと歩みを進める

「・・・あなたこそ」

それで終い、のはずだった
終わりを確かめるために、終わりなのだと自分を納得させるために来た約束の場所のはずだった
それなのに

伸ばした手が女を捉える
瞬きもせず自分を見つめる女の身体を土方はその腕の中に閉じ込めた

冴えた月の灯りの下 ひとつに重なる影が水面に揺れる
冷たい風が吹き抜ける秋の夜のことだった



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~ Comment ~

NoTitle 

アップお疲れ様!
お色気副長の艶恋話。いったい今後の展開は…

>名は告げない
>お互いのことは詮索しない

よく考えたらこれってすごいことだよね。
副長の立場で、相手の素性を調べないなんて危険すぎるー
よっぽど惚れ込んだんだねえ。

店で偶然再会した時の女の態度、かっこいいよね。
驚いたのは一瞬だけで、あとは平静さを保ったままなんて。
私だったらもう少し慌てさせちゃうなあ、きっと。(書き手として)

>名もない、ただの男と女としてだからこその逢瀬ではなかったのか

この一文、刺さるねー。
名もない同士だからこそ、預けられるものってあるもんね。
預けられるっていうか、さらけ出せるって感じかな?
裸になれるっていうか?キャー

最近艶とは縁遠い生活してるからなあ。
こういう話を読んでもけっこう冷静な自分がいるw
でも自分的にはちょうどいいバランスかも。
アニメで熱いスポ根に燃えて、うさ夢では大人のお色気っ
(そしてスマホで完全R/18を見てることは言わずもがなである)

>そう 来なければそれで

この時の土方、ちょっと胸が締めつけられるね
来てほしい、いや来なければいい。っていう。
ざわつく心とは対照的な青白い月。素敵なシーンだ。

>瞬きもせず自分を見つめる女の身体を土方はその腕の中に閉じ込めた

二人、どんどん引き返せないところに近付いて行ってるね。
どうなることやら!

ぐりんたん 

まったり副長艶話
コメントありがとうです!

>副長の立場で、相手の素性を調べないなんて危険すぎるー
>よっぽど惚れ込んだんだねえ。

普通は調べるよねえ
ほれ込んだのか、溺れてるのかw

>名もない同士だからこそ、預けられるものってあるもんね。
>預けられるっていうか、さらけ出せるって感じかな?

やったことはないけどさ
行きずりの恋って、こういうことなのかなって思う
どんな自分でも見せられるよね、きっと
恥ずかしいとか、変なプライド不要だからさー
これが片思いの相手とかならこうはいかないw
良く見せようと必死になるもん

>最近艶とは縁遠い生活してるからなあ。

私もですが?

>(そしてスマホで完全R/18を見てることは言わずもがなである)

うん。書かなくていいよ。
知ってるから。

>来てほしい、いや来なければいい。っていう。

副長もね
自分で切る(別れる)ことは出来ないんだよね
相手任せなら諦めもつくという、ある意味卑怯なスタンスなんだけど
なので今回の副長は(この話の副長は)ちと情けない男に成り下がるかも

>二人、どんどん引き返せないところに近付いて行ってるね。
>どうなることやら!

わっかりませーーーん!
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