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- ┗ 君に恋をした-桂小五郎の恋-
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- ┣ 恋情の鎖
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- ┣ 色は匂へど
- ┣ 手を握ったのは
- ┣ わたしの彼
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「繊月花-新撰組外伝-」
君に恋をした-桂小五郎の恋-
17 灯火が消えた夜に
それは最初からわかっていたことで
驚くことでもなんでもなかった
遊郭に売られてきたあの日から、この日が来ることはわかっていた
煌びやかな着物、豪華な髪飾りに珍しいお菓子
そんなものが日々届けられるようになり
ほとんど毎晩、お座敷に呼ばれるようになり
三味に踊りに小唄を愉しみ、夜が更ければ籠を呼んで帰って行く
彼はそんな人だった
城下に店を構える老舗の若旦那
女将さんからはそう聞いた
女遊びには慣れてないから、おまえくらいの女がちょうどいい、と
やさしい方だった
お座敷でも、酔って騒いだりはしない
遊女に手を触れようともしない
帰り際には芸者だけでなく禿にまで心付けを渡し、それをひけらかしたりもしない
郭でもすこぶる評判のいい方で
おまえは客に恵まれている
お姐さんたちは笑ってそう言ったけれど
わたしも彼のことは嫌じゃなかった
穏やかな眼差し、温和な人柄
郭に来るお客様には珍しいほどおとなしい方で
だから彼のお座敷に呼んでいただくことは楽しみでさえあって
あの日までは
いつものようにお座敷に呼ばれ、いつものように三味を愉しみ
そして夜が更ける頃
籠を呼ぼうとしたわたしの手に、初めて彼が触れた
気づけば、いつのまにか他の芸者たちはいなくなっていて
控えていたはずの禿の姿も見えず
驚いて彼を見上げれば
彼の眼は、まるで何かを請うかのようにわたしを見つめていた
女将には話をつけてある
そう言ってわたしの腕をひく
そのまま胸の中に倒れ込んだわたしを抱きしめながら
彼は静かに囁いた
もう良い頃合だろう?
それがどういう意味なのか
彼の瞳が何を請うているのか
わたしはすぐに理解することができた
なにを驚くことがある
ここはそういう場所で、わたしはそういう女なのだから
姐さんたちから教えてもらってはいた
どうすればいいのか どうすれば悦んでもらえるのか
けれどわたしはなにも出来ず
薄い闇の中 熱い息遣いを肌に感じながら
ただ目を閉じて 身を硬くするばかりで
それでいい おまえはそのまま何もしなくてかまわない
灯した行灯にふっと息を吹きかけながら
低く笑う彼の声が耳に届く
時が止まった夜の中
わたしは閉じた瞼の裏に ただひとりの人の面影だけを思い浮かべていた
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- 18 夏の終わりの水平線に
- 17 灯火が消えた夜に
- 16 繋いだ手に残るぬくもりに
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鏡花水月

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お題シリーズ-拍手御礼-

- ┣ だって苦手なんだもの-雷シリーズ-
- ┣ 今宵貴方に酔わされて
- ┣ 花言葉
- ┣ 今、あなたのもとへ
- ┣ 恋情の鎖
- ┣ A Fairy Tare
- ┣ 色は匂へど
- ┣ 手を握ったのは
- ┣ わたしの彼
- ┣ Balladeを聴きながら
- ┣ 恋のうた
- ┣ 星に願いを
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~ Comment ~
あーやん
コメントありがとー!
桂話、全然進んでなくてごめんよう!
>こういう遊女さん、いっぱいいたんだろうなぁって
私は遊郭のことは、物語とかでしか読んだことないからさ
実際のところはわからないんだけど
今で言う水商売とは意味合いが違ってるだろうなとは思っていて
だからあくまでも想像なんだけど、
きっとこういう思いをしてたのではないかな、と
>……で、桂さん、どこ??
・・・・え~と・・・・
桂話、全然進んでなくてごめんよう!
>こういう遊女さん、いっぱいいたんだろうなぁって
私は遊郭のことは、物語とかでしか読んだことないからさ
実際のところはわからないんだけど
今で言う水商売とは意味合いが違ってるだろうなとは思っていて
だからあくまでも想像なんだけど、
きっとこういう思いをしてたのではないかな、と
>……で、桂さん、どこ??
・・・・え~と・・・・
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そうだよね、そういうお仕事だもね…。
きっと、この若旦那もすごくいい人なんだろうなぁって伝わってくるんだけど、でもでも、思い浮かべるのはあの人よね…。
きっと、こういう遊女さん、いっぱいいたんだろうなぁって、、ちょっと胸が痛くなったよ。
……で、桂さん、どこ??