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「薄桜鬼 土方歳三」
甘い影(連載)

甘い影 8

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それは、いつもであれば土方のするべき仕事ではなかった
たまたま皆が出払っていて、たまたま自分の手が空いていた
出来る奴がやればいい、それが持論だったから迷わず手を挙げた
それだけのことだ

それが良かったのか悪かったのか
土方にはわからなかった


「おいでやす」

暖簾をくぐると、年若い丁稚がにこやかに出迎えた
いそいそと前掛けで手を拭き、笑みを絶やすことなく小上がりへと客を案内する
たとえ初めての客であっても、あからさまに眉を寄せたりはしない
大店に勤める丁稚であれば、それは当然のことだ
些細な粗相が大事になることを大店の主は身に染みて知っている
だから丁稚は、奉公に来た瞬間から客に対する応対は特に厳しく躾けられるのだ
初めて自分が丁稚奉公へ出向いたときのことを思い出し、土方は苦笑した

「頼んでいた品を取りに来た。主人はいるか」

小上がりに腰を下ろした土方に茶を出すと、丁稚は申し訳なさそうに頭を下げた

「申し訳ありまへん。主人はただいま出かけております」
「品を渡してもらえるなら、別に主がいなくても構わねえが」

土方とて、世間話をするためにこの店に来たわけではない
さっさと用向きが終わるのであれば、主がいようがいまいがどうでもいいことだ

「手前ではわかりかねますので、ただいま女将を呼んで参ります。しばらくお待ちいただけますやろか」
「わかった」

丁稚が奥へと引っ込むと、土方は出された茶器に手を伸ばす
さすが京でも指折りの大店だ 客に出す茶も茶器も高級品だった

近藤がこの店に頼んだのは、郷里の家族に送る羽子板だ
たかが羽子板、されど羽子板だ
特別に注文し誂えればそれなりの代価を払わねばならない
ましてこの店は細工では京でも一、二を争う老舗で、贔屓筋には公家もいると聞く
雅や趣などとは無縁と言ってもおかしくない武骨な近藤がこの店を選んだのは、今の自分の立場を誇示するためではなく、長く顔を見せていない家族へのせめてもの罪滅ぼしなのかもしれない

「…家族か」

土方だって天涯孤独の身というわけではない
両親はすでに鬼籍に入っているが姉夫婦が家を守ってくれているし、田舎のことだ
親類縁者は少なくはない
姉夫婦の子供-土方にとっては姪にあたる娘には、京の織物や小物を送ってやったりもしているし、逆にむこうから文を送ってくることもある
だが、純粋に「自分だけの家族」と言える存在はと聞かれれば、それは皆無だ

奉公に出た先でいざこざを起こし、店を追い出されたのは十五のときだった
それからいくつかの店に勤めにでたがどれも長続きはせず、結局家業の薬売りを手伝いながら、帰郷すれば近藤の道場に通った日々
幸か不幸か、幼いころから「役者顔負けの美形」と称され、正直女には不自由しなかった
実家はそこそこの豪農だったから縁談もあったし、若さもあり、手当たり次第に女と遊んだ時期もないわけではない
だがどれも、自分の生涯を賭けて守りたいと思えるほどの存在ではなかったし、そう望まれることは負担以外のなにものでもなく

嫁を娶り、子を育て、墓を守って一生を過ごす
そんな当たり前の日々を選ぶこともできた
だが、その「普通の日々」を土方は江戸を発つときにきれいさっぱり捨ててきた
もちろん、家族を思う近藤の姿を侮るつもりは毛頭ない
守るべきものが幾つもあれば、それは逡巡のもとになる
自分には無理だと、もしもの時にすべてを守れるほど自分は強くはないと
そう思ったから取捨しただけのことだ
その選択に後悔はないし、これから先もその気持ちは変わらないという自信もある

けれど
もしもあのとき、もうひとつの道を選んでいたら
今頃自分はどうしていただろうか


「お待たせいたしました」

滑らかな声に我に返った
女将が表に出てきたのだろう
手にしていた茶器を盆に戻すと、土方は肩越しに振り返った

「主人の留守中に済まねえが、預けていた品を…」

そこまで言って、土方は息を呑む
目の前に鎮座している女もまた、わずかに眉をあげてみせた

*なんだか展開がわからなくなってきたww



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~ Comment ~

 

土方って、夢を見つけてそれに邁進したっていうのもあるだろうけど、
そもそも平凡な暮らしが出来ない気質だったんだろうなあ。
(どっちが先だったかっていう話。
近藤さんに惚れて彼を押し上げるために平凡な暮らしを捨てたんじゃなくて、
もともと平凡な暮らしを嫌がってて、そして近藤さんに出会った…みたいな)

だからさ、この女性みたいに存在自体が天女っつーか、非日常みたいな人に出会ったなら、所帯持ってたのかも。

これ読んでそんなことを思ったよ。
繊月花のあやめに対しても同じイメージだ。

細かい感想はまた今度書くね!

しかしこのドラマチックな再会…胸が高まりますなあ?

NoTitle 

>それは、いつもであれば土方のするべき仕事ではなかった

としぞうたんのはじめてのおつかい!!
電柱の陰から近藤が様子見てるんだねw
しかも総司が邪魔するんでしょ?バナナの皮とか置いちゃう感じでしょ?(>▽<)

>出来る奴がやればいい

土方のこういう合理的・ナチュラルなところ好き。

超~~~話逸れるんだけどね。ふと思い出しただけのただの雑談。
篠原涼子のCMで「立ってるものは上司でも使え」だっけ?うろ覚えだけど。
あれ、好きじゃない。
台詞の内容じゃなくて、CMの雰囲気が嫌い。
あんなこと言う部下がいたらドン引きだよ。
1upのCMといい、「社会舐めてんじゃねーよ」と言いたくなるCMが多いっ
私が年取ったせいもあるけどw
「上(←年齢じゃなくて立場)を立てる」っていう、ごく普通のことが崩れてきてるなあと思う昨今。

>いそいそと前掛けで手を拭き、笑みを絶やすことなく小上がりへと客を案内する

いいねえ。
私こういう仕事1回やってみたい!!
すっげーーー大変そうだけど。3日で挫折するかもw

っていうか、いつもにこにこ笑顔の人になりたいんだよねー。
咄嗟の時とか、顔が固まっちゃって笑えないことあるからさ。
常に笑顔出せる人、尊敬する。

>丁稚が奥へと引っ込むと、土方は出された茶器に手を伸ばす

小上がりに腰かけて高級茶を飲む土方…絵になるねえ。

>もしもあのとき、もうひとつの道を選んでいたら

昨日のコメントにも書いたけど、めちゃくちゃイイ女がいたら土方はあっさり結婚してたかも

今回の話は萌えが無いね!
むしろうっすらと社会問題を考えてしまう話だったw
この固さも心地いい。

>目の前に鎮座している女もまた、わずかに眉をあげてみせた

結局誰なんだこの人w

アップありがとね!

ぐりんグリーンさんへ 

ようやくゆっくりPCに向かえるぜ・・・!!
これまで職場でコソコソ打ってたんだけどさ
今の職場はそれすらできねえ!!
ああ、ストレスww

>そもそも平凡な暮らしが出来ない気質だったんだろうなあ。

うん。そう思う。
ぐりんたんが言ってるみたいに、近藤さんのために!ってのも
もちろんその気持ちは嘘じゃないんだけど
「何か」を求めてた彼の心に「近藤さん」が入ったって気がする

>この女性みたいに存在自体が天女っつーか、非日常みたいな人に出会ったなら、所帯持ってたのかも。

うんうん。
土千のED後もさ、あれはあれでいいんだけど
もしふたりが普通に出逢ってて、何事もなかったとしたらさ
きっと恋には落ちてない気がする

>繊月花のあやめに対しても同じイメージだ。

だねえ・・・
この人も浮世離れしてる存在だな
そして未だに確固たる顔が思い浮かばねえww

>電柱の陰から近藤が様子見てるんだねw
>しかも総司が邪魔するんでしょ?バナナの皮とか置いちゃう感じでしょ?(>▽<)

としぞうたんの初めてのお使いw
ってか、これぐりんたんが書いてくれよっ!!
すっげー楽しそう!

>土方のこういう合理的・ナチュラルなところ好き。

基本、土方ってこういうタイプだと思うのー
立場とか役職とか関係なく
「出来る奴がやればいい」ってタイプ

>私が年取ったせいもあるけどw
>「上(←年齢じゃなくて立場)を立てる」っていう、ごく普通のことが崩れてきてるなあと思う昨今。

なんでも実力主義っていう考え方も一理あるとは思うんだけどさ
それ以前の問題って気もする
ほら、「友達関係の親子なんです」って人、いるじゃん?
わたし、あれも嫌い
親は親で、友達じゃねーし
そんなこと言ってるから子供が親をナメきるんだよ

>私こういう仕事1回やってみたい!!
>すっげーーー大変そうだけど。3日で挫折するかもw

わたしは1日もちませんww

>小上がりに腰かけて高級茶を飲む土方…絵になるねえ。

やっぱ男前だしねこの人
出自とか関係なく、生まれ持ったオ―ラ?みたいなものがありそう

>めちゃくちゃイイ女がいたら土方はあっさり結婚してたかも

土方にとっての「イイ女」
・・・むっちゃハードル高そうだな・・・・

>今回の話は萌えが無いね!

ごめんよう!
今回と言うより「甘い影」自体が
あんまり萌える話じゃないかもしれないw

>結局誰なんだこの人w

わかりません
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