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「薄桜鬼 土方歳三」
恋するふたり(短編)

鬼哭

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また夜が来る

橙から濃紺へと色をかえた空を
土方はどこか恨めしげな目で眺めていた
ほうっと無意識に口から漏れた溜息に気付き、ちっと舌を打つ

彼方の地平に沈みゆく夕陽に目を細める
遮るものがなにもないこの地に沈む陽は 京や江戸で見た夕陽よりも
大きく紅く そして禍々しいように見える
まるですべてを焼き尽くすような そんな落日は
過ぎた日々を思い出させた

おまえは鬼になれ

そう言った男がいた

豪胆で烈しくて
その破天荒な言動に始終振り回され 奴の後始末に追われた日々
迷惑でしかない
このままでは害にしかならない
自分にそう思わせた男

それなのに
嫌悪はいつしか羨望に姿をかえ
その生き方から目が離せなくなっていた自分がいた

おまえは鬼になれるのか

そう問うたあの男の目には 微塵の迷いも躊躇いもなく

ああ これが覚悟を決めた男の目か

反発しながらも
そう思ったことを覚えている

今の俺を見たら あんたはどう言うだろうな

鬼になれというあの言葉通り、鬼になってしまった自分を
あの男は嘲笑うだろうか
それとも


最果ての地ではあっという間に陽は沈み 地平は宵の闇に包まれる
そして夜が来る
誰にでも等しく訪れる夜が

眠る者にしてみれば、朝はあっという間に訪れるものだろう
たとえそれが鬼であったとしても

けれど偽物の鬼にとって夜は眠るための刻ではなく 
眠らぬ者にとっては、夜明けは永遠にも思える時の果てにあるものだった


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~ Comment ~

NoTitle 

怒涛の新作アップだ。ありがとう!
私もコメントもりもり書いちゃうぞー
軟膏だらけのべとべとの手でな!

ってか!

あれ?
うさぴょん黎明録やってないのに?!

まさかの芹沢?!

>大きく紅く そして禍々しいように見える

この表現すごいと思った。
蝦夷の空を考えた時、私は広大でかっこいいとか、あとは寂しいとかそんな言葉しか出てこない。
禍々しい夕陽なんて思いつきもしなかった!
(あ、蝦夷じゃなかったらごめんw
仙台とかの可能性もありますな)

ところで私黎明録すっかり止まっててさ。
土方ルートやってないんだよ…
超後悔。
やっとけばこの話の感想も、また違うものになるだろうに。

>その破天荒な言動に始終振り回され 奴の後始末に追われた日々

ほんとあいつは厄介としかいいようがない男だ。
実際は違う思惑があったようだが、まだプレイしてないから知らん!
平助ルートと総司ルートの途中までを読んだ限り、
プレイヤーにとってはすごく鬱陶しい存在だった!しつこかった!モテないよあれじゃ!

でも放火とかは実話だもんな…
すごいよね。

>嫌悪はいつしか羨望に姿をかえ

そ、そうなんだ!!!
これ知らなかった。
てっきり最後まで反発してたんだと思ってた。

>微塵の迷いも躊躇いもなく

そうみたいだね。
揺るぎない信念の元に動いてたらしいね。

なんだかんだでそこは共感したんだろうなあ、副長。
ちくしょう黎明録やりてえな。

>けれど偽物の鬼にとって夜は眠るための刻ではなく
>眠らぬ者にとっては、夜明けは永遠にも思える時の果てにあるものだった

この話、かっこよすぎて感想をためらってしまう。

副長の真剣な表情が頭に浮かぶよ。
全然笑ってない。

禍々しい夕陽って芹沢そのものだね。
近藤さんとは対極。

目が覚めるような話だった。ありがとう!

ぐりんたん 

コメントありがとー!

>怒涛の新作アップだ。

連休だったからさー
一気に書き溜めた!
おかげで手元にはもうなにも残っていないw

>軟膏だらけのべとべとの手でな!

う、うん
キーボードちゃんと拭いてね 
って、冗談抜きで大丈夫かい?

>うさぴょん黎明録やってないのに?!
>まさかの芹沢?!

はいまさかの芹沢でございます

>禍々しい夕陽なんて思いつきもしなかった!
>あ、蝦夷じゃなかったらごめんw

蝦夷で合ってる!
実際に果てしない荒野に落ちる夕陽なんて見たことないので
これはあくまでも想像だけどさ
「羅刹になった副長が見る夕陽」だから、単純に綺麗だけじゃないだろうなあ、と

>超後悔。
>やっとけばこの話の感想も、また違うものになるだろうに。

いや、わたしもやってないから!
こっからの「芹沢に対する副長の思い」はわたしの主観です!
実際に黎明録の副長がどう感じていたかは知らねえ!
でもさ
芹沢がやったことはともかく、あそこまで潔くて、自分の信念を持ってる相手って、きっと副長は嫌いじゃないだろうって思うの

>この話、かっこよすぎて感想をためらってしまう。
>副長の真剣な表情が頭に浮かぶよ。
>全然笑ってない。

ありがとう!
ひたすらかっこいいというか、シリアスな副長
土千カテゴリーに入ってはいるけど
この場に千鶴は必要ねえ!ってくらいw

ほら今「甘い影」書き出してて
気分は副長祭だからさー
当分、副長ネタ続くかもしんないww

 

うっはぁ。
鴨さんやってきたねぇ!
梅毒で余命短い自分に悲観することもなく。
自らの血で読み書き記した辞世の句があるのに恩赦で生きながらえたとか。
この人は知ると凄すぎてびっくりするもんな。
たしかさ、近藤と芹沢の二人局長だったんだよね〜。
これが二つに割れた原因て部屋割りだったっけ?
鉄扇フリフリ、暴れ回ってたみたいだよね。
だいたいさぁ、金策断られて放火とか凄すぎて。
尊皇派に傾いたとこにワザワザ出向いてみたいだし、ハナっから燃やす気だったのかもね。
火消しさせないように妨害までしたとかいう話まであるもん。
わたし実は副長よりも芹沢鴨のが詳しかったりするのだ。
たしかに禍々しいものが似合う。
でもその禍々しいものにはとんでもなく魅力的なものが潜んでたんだろうね。
歳三君は鴨たんを斬るけれど、それは鴨たんがそう望んでそう仕向けたんじゃなかった?
はぁ〜。
例えばだけど。
芹沢が生きて新選組にずーっといたらどうなってたんだろうね。
悪名高くしたのは芹沢の影響大らしいし、もっと早くに空中分解してたかなぁ。
新選組に芹沢は危険過ぎ。
土方自身が芹沢に強烈な魅力を感じることが多かったらしいし。
だから斬ったんだろうなぁ。
あー久しぶりだよ芹沢鴨!
調べるとぶっ飛んだ伝説的事件だらけでまぁ驚くよ。
鴨って名前も自分で付けたんだから、何考えてたのか全く読めない人だよねー。
名など志の前では無。
そんな気持ちだったのかな。

姐たん腹わたに響く話をありがとう!


晴子たん 

溢れる愛のコメントありがとー――!
まさかカモ・・・違う鴨でここまで語ってくれるとは思わなんだよ

鴨はさー
わたしはあんまり詳しくは知らなくて
これまで読んだ本とかマンガとかゲームとかもさ
それこそ新選組側から見た鴨だからさ
どうしても悪役になってしまってるんだけど

でも、晴たんが語る気持ちはわかる
鴨側から見た話も書いてみたいなあって思うもん
書かないけど

やったことの是非はともかくとして
彼には彼なりの信念があり、覚悟があったはずでさ
道は違ったけれども、副長もそこはきっとわかってたんじゃないかな
いや、その時はわかってなくても
たとえば蝦夷に来た頃にはわかったんじゃないかな
・・・というスタンスで書いた話だw

鴨が副長に斬られようとしてたってのも
きっと鴨は、自分を殺してくれる相手を求めていて
こいつなら、と見込んだのが副長だったんじゃないかと

ほら、鴨ってば一度死にぞこなってるじゃん
水戸のときに
あれ以来、生ではなく、死に時を求めていきていたんじゃないかなあって思ってる

そう考えると、鴨ってば魅力的な存在なんだよねえ、書き手として
書かないけど(二回目)

なにはともあれ!
熱く語ってくれてありがとう!
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