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「薄桜鬼 土方歳三」
恋するふたり(短編)

聖夜-白い誓-

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朝から冷えると思っていたら、案の定
陽が沈む頃には天から白いものがちらつきだし
夜半には 辺りはすっかり銀色に染まっていた
これはそんな夜のこと


暗闇に舞う白い欠片に思わず手を伸ばしたものの
掌に感じる刺すような冷たさに顔を顰める

掴んだ、と思った
この手に確かに掴み取ったと
けれど 広げた掌には何も残ってはいない

これが現実か

なにを今さら、と自分を叱咤する
こうなることは百も承知だった
わかっていて、それでも自分で選んだ道だ
決して後悔などしないと覚悟をしたはずだ

とけた雪の冷たさだけが掌に疼く
それはまるで いまだ心の奥に燻る想いのようで

この期に及んで我ながら女々しいことだ

己の不甲斐なさを嘲笑い 
未練を断ち切るように 掌を強く握り締める
鈍い痛みとともに流れ落ちる血が
足元を紅く染めていく

振り仰げば
やむことのない雪は漆黒の空を覆い
その煌きは天から落ちてくる星屑のように見えた

もう一度
そう願えば掴むことができるだろうか

そう願うことは罪ではないだろうか

ゆっくりと開いた掌の上に
ひとつ またひとつと雪の破片が重なってゆく
置いてきた想いが戻ってきたかのように

降りしきる雪 白い闇の中
土方はいつまでもそこから動こうとはしなかった


*時期がずれてしまった&幸せには程遠いお話が今年最後のアップってのもどーよw


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~ Comment ~

 

私今、わりと寒いところにいるのよ。ご存知だろうけど。
だからこういう話読んでると、それだけで寒さが増す感じ。
土方が自分を戒めているのも、いつもより痛く感じてしまう。

あとね、寒いところに来ていつも思うのは、本当に人恋しくなる。
部屋一つくらいなら暖房であっためられるけど、廊下に一歩でたら空気が痛くてさ。
誰もいなかったら、すごく苦しいだろうなって。

土方は一人になっても生きていけるだろうけど、そんな生き方して欲しくないなと思ったよ。
ちと上手く言えないけど。

うさぴょんの土方は孤独を感じることが多いw

 

姐たん!
コメント書き直す!
改めましてアップありがトン☆

>掴んだ、と思った
>この手に確かに掴み取ったと
土方が掴んだと思ったものはどれ位あったのかな。
近藤を支えて、組織運営を支えて、その組織の隊士を支えて、千鶴を支えて。
どれだけのものを守ろうとしたのか。
気がついた時には手のひらに残るのは残像だけ、とか胸が苦しくなるね。
だからさ、
>これが現実か
この台詞が痛みを感じるよ。

それでも土方は何かを支え続けることを望み、支えられることを拒絶して千鶴を残して北に進むじゃん。
支えられることを拒絶しなくちゃ立ってられない位、追い詰められてるんだよなぁ。
生き様がさ、一人で立つの似合い過ぎなのよ。
その隣が残像であることが一番似合う。
でもそんな生き方ってわたしはしたくない。
そんな道を選ぶことも出来ない。
雪ってさ、雨と違ってゆっくりと目に見える形となって降り注ぐじゃん。
それを手に取った瞬間、その白い姿は消えちゃうのよね。
降る雪の1つ1つが土方の守っていたものだとしたら、儚すぎて苦しいよ姐たん。Eのお胸が苦しい。
切望。
そんな言葉が土方の覚悟の裏側に見えたお話でした。
色々考えさせられたよ。

テンキュー姐たん。

ぐりんたん&晴たん 

コメントありがとうです!
年末年始、返信遅くなって申し訳ない!

◇ぐりんたん

>私今、わりと寒いところにいるのよ。ご存知だろうけど。

風邪ひかなかったー?
無事のご帰還良かったです!

>土方が自分を戒めているのも、いつもより痛く感じてしまう。
>土方は一人になっても生きていけるだろうけど、そんな生き方して欲しくないなと思ったよ。

これ、晴たんも同じようなこと言ってるけど
確かに土方は「ひとりで生きる」姿が似合う
ってか、私の土方像がそうなのかもしれない

>うさぴょんの土方は孤独を感じることが多いw

うううう・・・・痛いところをつかれた 笑
別に意識はしてないつもりだけど、どーしてもこうなっちまうんだよねえ
なんか「幸せな土方」は想像しにくいというかw
ED後は千鶴と幸せに暮らしてくれてオッケーなんだけどさ

よし!
今年の目標はは「幸せな土方&総司」だ!! ←嘘ですごめんなさい

◇晴たん

相も変わらず鋭いコメントというか
日頃の晴たんとのギャップが大きすぎて
驚き感激しておりまする

土方って「孤高の人」なんだよね私にとって
晴たんが言うように
>何かを支え続けることを望み、支えられることを拒絶して
これが「土方」なんだと思う
もしかしたら
支えること=自分の存在価値だったのかもしれない
生きていくために守るべきものが必要だった人
私も最初からそう思ってたわけじゃないんだけど
こうして「土方」を描いているうちに、そんな土方像が出来上がった感じだ

>生き様がさ、一人で立つの似合い過ぎなのよ。
>その隣が残像であることが一番似合う。

良い表現だなあ・・・
隣に立つのは残像かあ
せつないけど、でもそれが似合うのが副長なんだよねえ

高杉もひとりで立てる男なんだけどさ
彼とははまた違うんだよね
だからふたりとも好きなんだよ私 笑


NoTitle 

>とけた雪の冷たさだけが掌に疼く

私、ここが好き。
すごく詩的だなーと思った。

この話読み返すと、寒さが増すw

>今年の目標はは「幸せな土方&総司」だ!! ←嘘ですごめんなさい

嘘かよ!!!!

ぐりんたん 

>嘘かよ!!!!

嘘です。
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