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薄桜鬼 (feat.グリーンさん)2

番外編 宵待月

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いつもより酒量が多いという自覚はあった。
けれどいつまでたっても酔うことはない。
むしろ飲めば飲むほど、醒めていくような気がする。

せっかくの銘酒なんだがな。

いつも世話を焼かせる悪友も、今夜はおとなしく藩邸にいるはずで。
夏の終わり、昼間の暑さは鳴りを潜め、頬を撫でる風は涼しい。
窓の向こうには綺麗な月がぽっかりと浮かんでいる。

静かな時間に薩摩から取り寄せた美酒。
酒を楽しむには絶好の夜ともいえた。

やれやれ。

桂は苦笑しつつ、盃を膳に戻した。

ひとりの女がいない。
ただそれだけのことなのに。
心が騒ぎ落ち着かない。

すぐに戻ります。

そういって彼女は出かけて行った。
行先や目的は聞いた。戻る時期も知っている。
道中の宿は、桂自身が使ったことのある宿を教えた。
行く先々で彼女が困らぬよう、何かあれば頼れるようにと各地に散らばる知己に文も書いた。
そんな桂に、悪友は笑っていたけれど。

このご時世だ。何があるかわからない。
夜盗に襲われるのではないか、かどわかされたらどうする。
いや、見知らぬ土地で流行り病にかかることだって考えられる。
そんな心配の種ならいくらでも思い浮かんだ。
行けるものなら一緒に行きたかったくらいだった。

自分に起こることならば、どんなことでも対処してみせる。
その自信が桂にはあったし、事実これまでそうしてきた。
けれど、それができないもどかしさ。苛立ち。不安。
そんな感情が一気に押し寄せてくる。

大きく波打つ心を抑えつけるかのように、桂は盃の酒を一息に煽る。
咽喉の奥が灼けるように熱かった。

ただ待つだけってのが、こんなに辛いもんだとはな。

空になった盃を掌の中でもてあそびながら、桂は自嘲する。

待つだけ。
それは、いつも自分が彼女にさせていることだ。
行先も告げない。戻る時期などわからない。
ある日突然姿を消して、長い間戻らないことだって幾度もあった。

それでも彼女は待っていてくれた。
自分が戻れば笑顔で迎えてくれた。

おかえりなさい、桂さん。

彼女が言うのはその一言だけ。
何も訊かず、愚痴ひとつこぼさず。
疲れた体と心を癒してくれた。

独りで待つことはどんなに心細いだろう。
何かあったのではないかと不安になった夜もあるだろう。
それでも彼女は何も言わない。

それが当たり前だと思っていた自分に気づき、そんな自分を嫌悪する。

もう待たせねえよ。
こんな思いをするのもさせるのも、もう真っ平だ。

ぐっと握りしめた掌の中で、盃が乾いた音を立てる。
割れた破片が肌を切った。
けれどそんな痛みなど、取るに足らないものに思えた。
これまで自分が彼女にさせてきたことに比べれば。

もう待たせねえ。
だから早く、そして無事に帰ってきてくれ-俺のもとへ。

独りで見上げる夜の空には宵待月。
同じ月明りの下、どうか彼女が穏やかな時間を過ごしているように。

桂はそう願わずにはいられなかった。


*ごめんグリーンさん!かぶっちまったよぅ!でもアップしちゃった(汗)
  あーやんさん、ちゃんと帰ってきてねー桂が待ってるよ♪


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~ Comment ~

NoTitle 

ほんとさー
うちらって双子なんだね!
あえてテーマを探す必要なしw

>ごめんグリーンさん!かぶっちまったよぅ!

いや謝ることじゃないって!むしろ嬉しいっ

銘酒ですら癒せない桂の心のざわめき♪
でも一番「おお!」と思ったのはここ。

>行く先々で彼女が困らぬよう、何かあれば頼れるようにと各地に散らばる知己に文も書いた

桂だー!
この配慮。さすがだよ。
力のある男は本当にかっこいいい。

で、

>それは、いつも自分が彼女にさせていることだ。

ちゃんとこれにも気付いてるっていうのがジーンとした。
この話すごくまとまりがあって好きだなー!
桂が「もう待たせねえよ」って決意するのも素敵!

なんていうのかな、この話はすごく分かりやすかった。
ストンと入ってくる感じなの。盤石?安心感?
早く彼女が帰ってくるといいね、って思える。

あーやんがうらやましいぜ!!

 

きゃー!!
うさぎさんまでー♡
もー、私、お二人に嬉し死させられちゃう…!!

呑んでも酔えない桂さん
旅の世話を過保護なまでに整える桂さん
苛立って不安になる桂さん
そしてそして、待つ立場になって、お嬢さんのことを思いやって、決意する桂さん

あぁ、やっぱりうさぎさんの桂さん素敵すぎる…。

もう待たせねえよ。

きゃーー!!!

26日に帰りまーすっ!!

宵待月 コメ返信です! 

コメントありがとう!

◇グリーンさん

かぶっちゃってごめんよ~!
やっぱり双子だねえ・・・
ほんとに、わざわざテーマ決める必要ねえなw

>この配慮。さすがだよ。
>力のある男は本当にかっこいいい。

ありがとう!
もうね。過保護で親バカ(・・・あれ?なんか違うような・・・)な桂を書きたくて!

>ちゃんとこれにも気付いてるっていうのがジーンとした。

桂ってさ、一応攘夷志士だからさ
留守にすることも多かったはずで、で、その間彼女は一人で待ってるわけで。
待つ身の辛さを桂にも味わっていただこうかと。

ホントは原田と酒を酌み交わしながら気づかされるって設定で書き始めたんだけど。
書き終わったら、原田出てきてなかった(笑)

>この話はすごく分かりやすかった

うわあっ!ありがとうっ!!
嬉しいようっ!!

◇あーやんさん

心配しすぎて苦悩する桂編w
こんなに心配させるなんて、あーやんさんも罪な女だぜw

>お二人に嬉し死させられちゃう

嬉し死(笑)
こんな死に方なら本望かもしれないっ

>やっぱりうさぎさんの桂さん素敵すぎる

そういってもらえて嬉しい!
こんだけ心配してたからさ。
帰ってきたお嬢さんを一晩中離さなかったんだよ桂ってば(グリーンさん宅でww)

>26日に帰りまーすっ!!

ほーい。
気を付けてねー!


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