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「お題シリーズ-拍手御礼-」
だって苦手なんだもの-雷シリーズ-

だって苦手なんだもの -(なぜか)桂の場合-

 ←その視線が見つめる先は →第62話 ぬくもりは確かにそこに在った(前編)

ごろごろごろ。

低いうなり声のような音が耳に届いた。
こりゃ、一雨くるかもしれねえな。
まあ、雨が降りゃこの暑さもちっとはましになるかもしれねえけど。

とりあえず。
雨が降り出す前にお嬢さんを四季まで送ってくか。

そう思った俺は、後ろを歩いてた-はずのお嬢さんにそう言おうとしたんだが。

なんでいねえんだよ。
今の今まで俺の後ろにいたじゃねえか。

俺は慌てて周囲を見渡す。
けど、お嬢さんの姿は見えねえ。

-まさかとは思うが、新撰組の奴らに連れてかれたわけじゃねえだろうな。
連中は俺の事を血眼になって探してやがるからな。
もしもそうなら、奴らただじゃおかねえ。

俺の背中に冷たいものが流れた。

来た道を小走りに戻りながら、お嬢さんの姿を探す。
空は黒い雲に覆われ、ぽつぽつと、雨が頬を叩きだす。

新撰組にとっ捕まったんじゃなくても、この雨だ。
早くお嬢さんを-

と。その時。
視界の端を赤い色が掠め、俺は足を止めた。
細い路地の奥を目をこらして覗き込んでみると。
-赤い着物を着たお嬢さんが、壁に向かうようにして立っていた。

・・・なにしてんだ?

お嬢さんが見つかったこと、無事だったことに安堵しつつも。
その不審な行動に俺は眉を寄せる。

「-お嬢さん?」

訝しげに声をかけると、お嬢さんの肩がびくっと震えた。
けど、振り向くことはしない。
なんでかはわからねえけど、壁にぴたっとくっついてしまっている。

一体どうしたってんだ。

「おい、お嬢さん-」

もう一度声をかけたその時。
目もくらむような稲妻が光り、直後に近年まれなほどでかい雷鳴が轟いた。
それは、さすがの俺もびっくりしちまうくらいで。
けど、俺が声をあげる前に。
お嬢さんが悲鳴をあげた。
それは悲鳴と言うよりは絶叫にも近いもので。
壁に身体を押し付けるようにして、両手で耳をふさいでいる。
華奢な身体はカタカタと震えていた。

原因はこれか。

降り出す雨。響く雷鳴。
俺は小刻みに震えるお嬢さんの後ろに立つと、その細い腰に手をまわす。

「お嬢さん。」

耳元で低く囁くと、ようやくお嬢さんは顔をあげた。
肩越しに振り返ったその瞳には涙が溢れていた。

「雷、怖いのか?」
「・・ご、ごめんさな・・・わた・・・っ」

涙声のお嬢さんを俺はぎゅっと抱きしめる。
華奢な背中はまだ震えていた。

「大丈夫だ。俺が傍にいるだろう?」

俺はお嬢さんの耳に唇を寄せる。
やわらかな耳朶をそっと噛むと、お嬢さんの身体がびくっと震えた。

「雷がやむまで、ずっとこうしててやるよ。」

俺は耳朶から白い項へと唇を這わせてゆく。

「桂さん・・・」

俺を呼ぶお嬢さんの声は掠れていた。

雷鳴は何度も続く。
けれど、可愛い唇から洩れるのは悲鳴ではなく、いつしか甘い吐息にかわっていて。

お嬢さんを後から抱きしめながら、俺は願う。

まだもう少し、雷が鳴り止まないようにと。


*お久しぶりの雷シリーズw桂バージョンでございまする。
  イケ幕・リレー・繊月花、お好きな桂でどうぞ♪(←いや、どれも同じだろという突っ込みはなしでw)



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~ Comment ~

 

!!!
くらっ…。

あ、最初に言っときますけど!!
お嬢さん≠イケ幕主人公
ですからっ!!←書いたの私じゃないくせに

久しぶりの雷シリーズ!
これ大好物です♡
読み返しちゃった♡

桂さんに抱きしめられてたら雷の恐怖なんて吹っ飛んじゃうなぁ〜(≧∇≦)
前半の桂さんの焦りとか、最後の甘さとか、すごく好きです。
…ってか、ここ、外だよね 笑

うさぎさん、ありがとう♡
うさぎさんも大好きだーーー♡
次はどの桂さんで読もうかな〜 笑

 

まさかの風間に続き、なぜかの桂ー!
アップありがとう♪
最初読んだ時、このお嬢さんは誰なのか限定されてなくて、実はあーやんさんなんだと思ってた。
そしたら「四季まで送ってくか」って書いてあって、しまった!!みたいな。←何がしまったなんだw
でもイケ幕とは限らないぜ!
あーやんさんの言うとおり、

>お嬢さん≠イケ幕主人公
>ですからっ!!

ですからっー!!

それにしても雷シリーズでくるとは思わなんだ!

>なんでいねえんだよ。

ここが妙に好きだっ
やっぱ桂だよ。この口調がいいんだよねー!

>もしもそうなら、奴らただじゃおかねえ。

怒りに燃える桂ってのも見てみたい!
いつも軽妙な会話ですべて切り抜けちゃうし。(そこが魅力なんだけど)

>なんでかはわからねえけど、壁にぴたっとくっついてしまっている。

なんかかわいいw
桂もきょとんとしてそう。

>目もくらむような稲妻が光り、

うわっ、すごい!!
光も音も想像してしまった。
これは雷苦手じゃなくても怖いわ…

>肩越しに振り返ったその瞳には涙が溢れていた。

これ多分、かわいいって思ったんだろうな桂。
生唾ゴクリだよ!
かっさらっていきたくなるよね。

>やわらかな耳朶をそっと噛むと

柔らかいんだね…
いや、もう忘れちゃってるからさ!\(^o^)/
もう桂もヒートアップだね!
この後大雨降ってきて、ずぶ濡れのままどうにかなっちゃえばいいよ!


あー私も総司に抱きつきたい。んで「触らないでくれる?」とか言われて刀を突きつけられたい。
最近熱出すぎておかしくなってるぜ!

あーやんさん&グリーンさん 

コメントありがとうございます!
酔った勢いで書いたので、ちょっと不本意ではあるんですけどww

◇あーやんさん

>お嬢さん≠イケ幕主人公
>ですからっ!!←書いたの私じゃないくせに

あははは!わかってます!
「四季」って単語は出てくるけど私もそのつもりで書いたしー

>久しぶりの雷シリーズ!
>これ大好物です♡

ありがとう!
私もこれは好き。だって悲しくないから(笑)
キャラ全員分(しかも風間まで)書いちゃってたから、これ以上書くことはないなあ・・・と思ってましたが!
なんと、最後の大物を忘れてたことに気付いたー!!

>前半の桂さんの焦りとか、最後の甘さとか、すごく好きです。

桂は絶対幸せにしてくれるよねえ。
最近、本気で幾松が羨ましいですww
優しいし、大人だし、それなりに経験あるし(笑)

>…ってか、ここ、外だよね 笑

うん外
しかも雨でっせww
桂、やりよる!!

>うさぎさんも大好きだーーー♡
>次はどの桂さんで読もうかな〜 笑

お好きな桂でどうぞww
喜んでいただけて良かったです!!

◇グリーンさん

>まさかの風間に続き、なぜかの桂ー!

ほんとに。
久しぶり過ぎて、書き方忘れてた(笑)

>でもイケ幕とは限らないぜ!
>あーやんさんの言うとおり、
>お嬢さん≠イケ幕主人公
>ですからっ!!

そうそう!
私の中に、イケ幕主人公は存在しない!!
自分だと思っていただいてオッケーだ!

>それにしても雷シリーズでくるとは思わなんだ!

なんかね。酔ってたのね私。
気付いたら書いてたww

>怒りに燃える桂ってのも見てみたい!

ああ!それもいいねえ!
でも、怒れる桂って想像できない・・・
一度は書いてみたいなあ。

>これ多分、かわいいって思ったんだろうな桂。
>生唾ゴクリだよ!

そうそう!
もう理性君も決壊しちゃったんだよ!
だから雨にもかかわらず、コトに及ぶ、と(笑)
なんだかんだ言って、桂もやってることは高杉とかわらねーじゃねえかww

>柔らかいんだね…
>いや、もう忘れちゃってるからさ!\(^o^)/

あはははは!!私もー!!!

>この後大雨降ってきて、ずぶ濡れのままどうにかなっちゃえばいいよ!

これはこれで燃えるんじゃね?
やりたいとは思わねえけど(笑)

>あー私も総司に抱きつきたい。んで「触らないでくれる?」とか言われて刀を突きつけられたい。

でたよグリーンさんの妄想!!
そこの場面だけの切り取でいいなら、いつか書いて進呈するわーっ!!

グリーンさん&うさぎさん 

お嬢さん≠イケ幕主人公
で す よ ね!!
よかったー!!
ってか、私ある意味イケ幕主人公羨ましいですよ。
あんななのに 桂さんにあんなに愛されるんだから。

グリーンさん、
私も怒りに萌える…間違えた、燃える桂さん見てみたいです!
どの桂さん見てても、感情を見せないのが上手いというか、そんな感じなので、どんなことに対してなら感情剥き出しにするんだろう…と思って。

>私も総司に抱きつきたい…以下略
グリーンさん 笑
そんなに沖田さんを愛してるグリーンさんが素敵です♡

うさぎさん、
はーい( ´ ▽ ` )ノ
お嬢さん=私だと思って読みました♡
私、四季で働いて桂さんの胃袋掴みます!

>本気で幾松が羨ましいです
私もです!
本気で羨ましいし、若干嫉妬してます 笑
でも桂さん、出石に潜伏してた時期に2回目の結婚して、幾松が手切れ金を払った、とかって話もありますよね。
それだけ幾松は強い人でもあったんだなぁ。

はぁぁ、桂さんのお話読んで、明日からの1週間も頑張れそうです♡

あーやんさん 

>あんななのに 桂さんにあんなに愛されるんだから。

あんななのにってw
わかるけどー!!

>どの桂さん見てても、感情を見せないのが上手いというか、そんな感じなので、どんなことに対してなら感情剥き出しにするんだろう…と思って。

そうですねえ。
ウチの桂もだけど、イケ幕でも幕恋でも、桂は冷静沈着みたいだもんね。
一度、激情のまま突っ走る桂に挑戦してみたい。

>お嬢さん=私だと思って読みました♡
>私、四季で働いて桂さんの胃袋掴みます!

あはははは!!
がんばってー
四季はオーナーのケーキが厳しいから、売上ノルマ大変だよきっとww

>出石に潜伏してた時期に2回目の結婚して、幾松が手切れ金を払った、とかって話もありますよね。

へえっ!それは知らなかったです!!
なんだ・・・幾松一筋の純愛じゃないのか・・・
ちょっとショック(笑)

>はぁぁ、桂さんのお話読んで、明日からの1週間も頑張れそうです♡

ありがとう!
がんばって桂×あーやんさんの話も書いてみるねー
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