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 ←番外編 まだ奴の夢を見ている(R18) →第60話 視線
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「薄桜鬼 原田左之助」
それでもお前が愛おしい(完)

四 あのひとのあんな眼差しを俺は知らない

 ←番外編 まだ奴の夢を見ている(R18) →第60話 視線

おまえを守ってやりたいと思ってた
それは恋とか愛とか、そんな感情じゃない
ただ、守ってやりたいだけだと
それだけだったはずなのに


山南さんが変若水を呑んだ。
それは予想できたことで。
左腕を失った-実際に失くしたわけじゃねえが、剣を握る者にとっちゃ、使えねえ腕なんざ、失くしたも同じだ。
そう、腕を失くした山南さんが、禁断の手を使ってもおかしくはねえさ。
まあ、あの伊東のバカがいなきゃ、そんなことにもならなかったかもしれねえけど。

総司が山南さんを斬ったのは正しい判断だ。
あいつの腕だ。あの修羅場でも急所を外すなんてことはしねえ。
最初から山南さんの意識を飛ばす目的で斬ったに違えねえし。

けど、総司の刀傷よりも変若水の影響の方が心配だ。
今はまだ眠ってるが、目を覚ました時に山南さんが正気を保ってるかどうかはわからねえ。

その時、土方さんはどうするつもりだろう。

俺は、土方さんの判断はいつも適切だと思う。
それは、正しいとか間違ってるとか、そういうんじゃねえ。
あの人は常に「その状況に合った判断」を下す。
もしかしたら、それは人としてどうなんだって判断であっても、それがその場に合うことならば、あの人は非情なまでに冷酷な決断をする。

そういう人だから誤解されやすいけどよ。
けど、本当は一番情に厚くて、優しい人なんだよ、あの人は。

あの人にとっちゃ、山南さんは試衛館時代からの旧友で、兄貴分みたいな人で。
そんな相手を斬ることが出来るのか?

八木邸の前で夜空を見上げながら。
俺は何度も自問自答する。
けど出てくる答はいつも同じだ。

それでもあの人は決断するんだろう。
新撰組を守るために。
そして旧い友の心を守るために。
涙を隠して、その手を血に染めるんだろう。

そういう人だよな、あんたは。


なんでそんなことをしちまったのかはわからない。
そん時は、行くんじゃなかったって後悔するとは思ってもいなかったからな。
土方さんの事が心配だったのも事実だし。
俺は見張りをきりあげて、八木邸の中に戻って行った。

「土方さ・・・」

そう声をかけようとして、俺は咄嗟に口を閉じた。
障子のむこうに人の気配。
ひとつは土方さん。そしてもうひとつは-千鶴だった。

別に隠れる必要はなかった。
騒動のあと、千鶴が土方さんと部屋に残ったことは知ってる。
何が起こるかわからねえから、今夜は誰かと一緒にいろって土方さんは千鶴に言った。
それは至極まっとうな判断だった。
俺や新八たちは前川邸とか八木邸の見張りだったから、どっちかっていや危険だ。
羅刹化した隊士たちが暴れる可能性もあったからな。
総司は山南さんにつきっきりだし、土方さんの傍にいるのが一番安全って言えば安全だったんだが。

けど。
あの時の土方さんの言葉を聞いてなお、千鶴が土方さんの傍に残るとは正直思わなかった。

お前は新撰組には必要ねえ。
網道さん探しには役にたつかもしれねえが、いなくても多少不便になるだけだ
まだ殺さねえよ。もっともいつ死のうとも困らねえがな。

山南さんの事で気が昂ぶっていたんだろうとは思うし、その言葉も間違っちゃいねえ。
だからといって、あんな風に言う必要もねえだろう。
いつもの土方さんらしくねえ。
そう思ったのは俺だけじゃなかったはずだ。
何も言わなかったが、どんな時でも無表情を貫く斎藤でさえ眉をひそめてたからな。

だから、危険なことはわかってたが、俺と来いって。
千鶴にそう言ってやりたかったんだけどよ。

千鶴は土方さんの傍に残った。


「-お前は腐っちまってる山南さんしか知らねえだろうが。」

障子のむこうで、土方さんの低い声が聞こえる。
行灯の灯りが二人の姿を障子に浮かび上がらせていた。

「山南さんは、もともと才もあり腕もたつ人だ。」
「-頭の回転が速い方だな、とは思っていました。」

控えめな千鶴の声が響いた。
見えてるわけじゃねえが、その声になんとなく部屋の空気が和らいだような気がした。

「新撰組が出来る前から、俺の兄貴分みたいなもんだった。あの薬を捨てちまわなかったのも、山南さんの腕を治したかったからだ。」

訥々と土方さんが語っている。
それはひとり言のようでもあり、千鶴に聞かせているようでもあり。

土方さんが。
あの土方さんが、自分の本音を他人に話すなんざ、これまでなかったんじゃねえか。

「俺たちには山南さんが必要なんだ。・・・あの人を失うわけにはいかねえんだよ。」

土方さん。
あんた、自分で気づいてねえもしれねえけど。

つい先刻、「必要ねえ」って言った相手に、自分の弱さをさらけ出しているように俺には思えた。
俺はそのまま踵を返した。

八木邸の前で迎えた夜明け前。
源さんが「もう大丈夫だ」と知らせてくれた。
俺は安堵の息をつき、槍を片手に邸内に戻る。

安心したのは俺だけじゃねえ。
きっと夜通し起きてて、源さんから知らせを聞いて。
良かった、と泣きじゃくったんだろうな。
そこには、目を真っ赤にした千鶴がいた。

そんな千鶴を見つめる土方さんの眼差しがどこかいつもと違っていたことに、俺は気付かぬ振りをした。


*お題配布  確かに恋だった さま


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~ Comment ~

 

ふわぁ〜…。
切ない。。
自分の気になってる人が、他の人を特別な眼差しで見てる。
それに気づいた時に(気付かないふりしてても)自分の相手に対する気持ちにも気付いちゃうんですよね。
何で今気付くの?!って思っても。
彼女の視線の先が、とんでもなく嫌なヤツだったりしたら楽だろうに…。
報われない恋って、切ないけど綺麗ですよね。
言い方おかしいですけどσ(^_^;)

 

アップありがとー!

この話ってすごいよ!
原田目線で進む完全な薄桜鬼!なのに土千!
しかも一話完結ならまだしも連続だよ?
すごい…

今回切ないなあと思ったのが、原田が、千鶴じゃなくて土方の視線を追ってるとこ。
どんどん感じていくわけじゃん、土方の中で千鶴の存在が大きくなってくのを。
自分に勝ち目がなくなっていくのを。

あと、やっぱ土方は原田にとって、恋敵である前に同志で。
しかも寝食を共にする仲間で。

ここまで書いてて改めて感動したわ。
薄桜鬼とは全然違う切なさがあるのね…

ありがとううさぎさん!なんかカルチャーショックw

あーやんさん&グリーンさん 

早々にコメントありがとうございます!
原田編第5話でございまするww

◇あーやんさん

>自分の気になってる人が、他の人を特別な眼差しで見てる。

これ、つらいよねえ。
んで、こういうのって、絶対気づくんだよね!(←リアルに実話ww)
「あ。この人、あの人を見てる」ってわかっちゃうんだよ。
気付かなきゃ良かった・・と何度思ったことか(笑)

>報われない恋って、切ないけど綺麗ですよね

うん、同感。
原田もこれから、どんどん報われぬ恋に身を焦がしていきますがww
しばらくお付き合いくださいませ。

◇グリーンさん

>原田目線で進む完全な薄桜鬼!なのに土千!
>しかも一話完結ならまだしも連続だよ?

実はね。意外とこっちのほうが書きやすいのー!
すでに話が完成してて、そこの一場面の第三者目線だから、余計なことを考えたり、ネタを考える必要がないので(笑)
純粋な土千書くより、うんと楽だったりしますww

>どんどん感じていくわけじゃん、土方の中で千鶴の存在が大きくなってくのを

ですねー。
むしろ、それがこの『原田編』のテーマだったりするので(ひどいww)
原田アニキには申し訳ないけど、このまま路線はかわりません(断言)
でも、これを書き始めたおかげで、「この頃の土方は千鶴をどう思ってるか」とか「千鶴の気持ちは」とか、そういうのが冷静に見られるようになってきて。
ようやく超苦手な土千も書けそうな機がしてきたー!
・・・気がするだけww

>ありがとううさぎさん!なんかカルチャーショックw

とんでもない!!
こちらこそありがとうです!!

 

とりあえず理性くんを書き上げようと必死こいた。
前編ほどの勢いはないです(>_<)

http://green11984.blog.fc2.com/blog-entry-328.html?sp

返したいコメントいっぱいあるんだ。
明日書くねー!♪(´ε` )

 

この原田5話目も、一緒に振り返りたいシーンとか、原田目線の記述とか超語りたいっ

大人ってなんでこんなに時間がないの…
負けないぞ!

明日は少し余裕ができるはず!

グリーンさん 

>とりあえず理性くんを書き上げようと必死こいた

読んだー!!
アップありがとね♪
コメントはまたのちほど。

>大人ってなんでこんなに時間がないの…
>負けないぞ!

あははは!!
負けるなグリーンさん!!


NoTitle 

改めましてー!
今日いっぱいコメント書いちゃうけど、ごめんね。
返信とか無理に書かなくていいからねっ
私の愛を受け取って下さいw

いきなり余談だけど、PCってやっぱ楽だよね。
スマホしかいじれない日もあるんだけど、そういうときって記事もコメントも返信もすごく中途半端になっちゃうの。
そういうときは「あー今日はグリーン、あの日なんだな」と思ってやって!

ではまず、この原田編の感想の続き!

>すでに話が完成してて、そこの一場面の第三者目線だから、余計なことを考えたり、ネタを考える必要がないので(笑)

なるほど…確かに。
沿って書けばいいもんね。

こないだも書いたけど、それでもうさぎさんってすごいなーって心底思った。
視点切り替えてるだけなのに、どうしてか新鮮な気持ちでのめりこんじゃうんだ。

>それは恋とか愛とか、そんな感情じゃない
>ただ、守ってやりたいだけだと

これもね。
んと、上手く言えるか分かんないけど。
薄桜鬼の序盤って、どのルートだろうが皆こんな風に感じてたと思うの。
でもこうやって独立した原田視点として読んでると、ぎゅっと来るんだよね。

>そう、腕を失くした山南さんが、禁断の手を使ってもおかしくはねえさ。
>総司が山南さんを斬ったのは正しい判断だ。

ここだって、薄桜鬼本編ではこんな描写ないわけで。(ない…よね?)
でもすんなり入ってくるし、痛いなあと思って読んでしまう。

>あの人は常に「その状況に合った判断」を下す。

山南に対する土方の思いって、語りつくせないです。
できればもうちょっと掘り下げて欲しかったと思う(薄桜鬼で)
でもいざ堀り下げられたら、すごく辛くて読み進められない気もする。

>そして旧い友の心を守るために。
>涙を隠して、その手を血に染めるんだろう。

突き刺さった。
歴史として残ってる土方歳三は置いといて。
薄桜鬼の土方は、こういう人だよな、って。
本来萌えたりする対象じゃないんだよね…
仲間を手にかけて(粛清とかもね)、そいつらのことを全員忘れないって言って、
覚悟決めて駆けてった人。

だからあの時点では千鶴にも本気で

>お前は新撰組には必要ねえ。

って言ったんだと思う。
自分が千鶴をどう思うか、とか、そこはすっぱり切り離してるんだよね。
死なせたくはないって思ってるだろうけど、
「新選組に必要か?」そう考えたら「→必要ではない」
っていう。

あ、うさぎさんの解釈と違ったらごめん。ちょっと走りすぎたw

しかも原田の話なのに、今土方のことしか頭になかったー!

>だから、危険なことはわかってたが、俺と来いって。

そっか…
やっぱ左之はまっとうな人だなって思う。
最終的にそれを貫いたのがすごいと思う。

>つい先刻、「必要ねえ」って言った相手に、自分の弱さをさらけ出しているように俺には思えた。
>俺はそのまま踵を返した。

切ねえ…

察しが良すぎる左之が辛い。
千鶴に言いたい。
第三者が冷静に見たら、君が幸せになれるのはどう考えても左之かちーさまだ。

>これを書き始めたおかげで、「この頃の土方は千鶴をどう思ってるか」とか「千鶴の気持ちは」とか、そういうのが冷静に見られるように

そかーー!!
何か分かる気がする。
私もこうやってなぜか土方に注目してしまうし。
そういうものなのかもしれない。

勉強になった!ありがとうです!

グリーンさん 

>私の愛を受け取って下さいw

受け取らなきゃだめ?(笑)

>PCってやっぱ楽だよね。

私ね―スマホでは書けないの
コメントとか記事はスマホで読むけど、書くときは絶対PC!
楽だもん、こっちの方が。
でね、これも余談だけど。
話書くときは、まずワードで書いてUSBに保存して、それからブログにアップしてます。
直にブログに書いてく人、尊敬してしまう。私は絶対むり!!

>視点切り替えてるだけなのに、どうしてか新鮮な気持ちでのめりこんじゃうんだ。

ありがとう!
のめり込むって言ってもらえて嬉しい!!
でも書いてる本人も新鮮だったりします。
「原田」になってる気分だww

>ここだって、薄桜鬼本編ではこんな描写ないわけで。(ない…よね?)
>できればもうちょっと掘り下げて欲しかったと思う(薄桜鬼で)

記憶は定かでないけど、ゲームではサラッと流されてたと思う。いろんな場面が。
まあ、ゲームは「進めること」が目的だから、掘り下げる必要はないのかもしれないけど。
でも、もっと深身は欲しかった気がする。
あれだけでも泣けたんだもん。
もっと詳しく丁寧に作りこんでくれてたら号泣してた、きっと。

>薄桜鬼の土方は、こういう人だよな、って。
>覚悟決めて駆けてった人。

うん。そうだと思う。
そりゃ、もっと甘い場面も欲しかったし、だから巷で二次小説が生まれたんだろうけど。
でも、基本的には厳しい人で。
他人にも厳しいけど、自分には一番厳しかった人だと思う。

>死なせたくはないって思ってるだろうけど、
>「新選組に必要か?」そう考えたら「→必要ではない」 っていう。

個の感情とは切り離して考えなければいけない、と常に自分に言い聞かせていたイメージがあります、土方って。
心底非情じゃない。むしろ情に溢れた人。
そんな自分を知ってるからこそ、とんでもない自制心でそれを抑えてたんじゃないかな。

>第三者が冷静に見たら、君が幸せになれるのはどう考えても左之かちーさまだ

ほんとに!
なんでみすみす辛い選択をするのかねえ・・・
(それはプレーヤーが土方に惚れたから!)

>切ねえ…
>察しが良すぎる左之が辛い。

原田には辛い展開になるんだけどね、この話。
でも、切ないって言ってもらえて嬉しいです。
ありがとう!!
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