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薄桜鬼 (feat.グリーンさん)

番外編 甘い熱だけを残して

 ←やさしく愛して すべてを奪って →弐 おまえの楽しげな笑みが目の前にあって

*こちらはグリーンさんとのリレー小説 番外編 ですww


女を抱くのはもちろん初めてではない。
萩でも下関でも。
あちこちの遊郭で浮名を流し、人妻との情事を愉しんだことも数え切れない。
素人であろうが玄人であろうが、女を抱きたいと思えばいつでも抱けた。拒まれたことも一度もない。
女の扱いなど慣れたもの、のはずだった。

けれど。
心から愛しいと思い、自分から欲しいと望んだ女を抱くのは初めてだったかもしれない。


肌襦袢一枚という姿で目の前に座っている女。
行灯の灯が、女の白い影をぼんやりと浮かび上がらせている。
ただ座っているだけ。
それだけなのに、高杉は思わず息をのんだ。

自分の動揺を悟らせることなく後手で障子を閉めると、女の背後に回る。
女は視線を動かさない。けれど女に近づくと、その細い身体が小さく震えていることに気付いた。

「-紫苑。」

女の背後に腰を下ろし、その肩に手を伸ばす。
高杉の手が肩に触れると、紫苑はわずかに身じろいだ。

「紫苑。」

もう一度名を呼ぶ。それでも紫苑は答えない。
触れた肩から彼女の緊張が伝わってきて、高杉は笑みを浮かべた。

「怖いか。」

肩に置いた手はそのままに、高杉は低く聞いた。
返事を待たずに、撫でるようにその肩に手を這わせていく。高杉の掌ひとつにおさまってしまうほど、その肩は小さかった。
襦袢越しに滑らかなその感触を楽しみつつ首筋に唇を寄せると、紫苑は思わず顔をのけぞらせた。高杉は背後から紫苑を抱きすくめると、白い首筋から項、そして頤へと唇を這わせてゆく。
赤い唇から吐息が漏れた。

「紫苑。」

紫苑の耳元で低く囁く。そのまま柔らかな耳たぶをそっと噛んだ。

「あ・・・っ」

戸惑うような、それでも艶を含んだ紫苑の声に、高杉は目を細める。
その腕にほんの少し力を入れるだけで、紫苑の身体は難なく高杉の胸に倒れこんだ。

「怯えるな。」

自分の胸に細い体を抱え込むと、高杉は紫苑の髪に唇を寄せる。
甘い香りが鼻をくすぐった。
それはこれまで嗅いだどんな香りよりも芳しく感じられた。

「・・・怯えるな。」

もう一度、囁くように告げると、高杉は両腕で震える華奢な体を強く抱きしめた。
紫苑の背中の温もりが胸に伝わる。
それだけで胸の奥が熱く疼いた。

「・・・紫苑・・・!」

欲望の赴くまま、高杉は紫苑の褥に押し倒した。
それでもまだ辛うじて理性は残っていて。
怯えたように目を潤ませる紫苑を見下ろしながら、高杉はどこか困ったような顔をした。

「怯えないでくれ・・・」

搾り出すような、苦しげにさえ聞こえる高杉の声に紫苑は目を瞬かせる。
こんな高杉を見るのは初めてだった。
いつも自信に溢れ、誰よりも強気で。他人の顔色を伺うような男ではなかったのに。
今、目の前にいる高杉はまるで別人のようだ。
紫苑はそっとその手を高杉の頬に添えた。
高杉の目をまっすぐに見つめながら、紫苑は小さく微笑んだ。


灯りの落とされた寝間。
高杉は、壊れ物を扱うような慎重さで、ゆっくりと紫苑の体の線をなぞってゆく。

「紫苑。」

囁きながら細い首筋に唇を這わせると、高杉の体の下で紫苑は身を震わせた。
けれど、それを気遣ってやるだけの余裕は、高杉にはもうなかった。
襦袢の袷を乱暴な手つきで押し広げると、露になった白い肌が目に飛び込んでくる。
高杉は躊躇うことなく、鎖骨から胸元へと舌を這わせた。
無意識に抵抗しようとする紫苑の細い手首を片腕で掴み、その頭上に縫いとめる。
空いた片手で紫苑の肌を撫でながら、高杉は濡れた唇に口づけた。


女を抱くことなどなんでもないことだった。
どんな女を抱いていても、頭も心も冷静だった。
女にせがまれ、義務のように奥を突き上げるだけで、体の快楽は得ることはできても、気持ちは常に醒めていた。

それがどうだ。
抱いている相手が紫苑だというだけで、まるで理性の箍が効かない。
紫苑は当然、初めてなのだ。
怯えさせぬよう、優しく穏やかに抱いて然るべきなのに。
ほんの僅かな愛撫と口づけだけで、高杉の本能はすでにはち切れそうなほど高まっていた。

「紫苑・・・っ!」

口づけの合間に、愛撫の最中に。高杉は何度も紫苑の名を呼んだ。
呼ばれるたびに、紫苑は高杉の背中を抱きしめた。
広い背中は、両腕を回しても届かない。それでも紫苑はその背に縋りつくように、手を伸ばした。

身も心も。
たとえようもなく熱く、甘く。

東の空が白んできても、高杉はまだ紫苑を離そうとはしなかった。
素肌に触れる夜明け前の冷たい空気も気にはならない。
ただ、この甘い熱だけを感じていたい。
まどろむ紫苑の唇に口づけを落とし、高杉は再び細い体を組み敷いた。

 
*お題配布  確かに恋だった さま  


*高杉×紫苑の初めての夜だー!
本編じゃあり得ねえ展開だから、描けて満足ですww


 
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~ Comment ~

 

きゃーーー!!!
\(//∇//)\/(\\∇\\)/
緊張する高杉!
余裕のない高杉!!
冷静さを欠く高杉!!!
やっぱり、自分の心が欲する相手を抱くって違うんですよね。
体の欲求だけじゃなくて心も満たさせると。
あー、素敵だ、高杉×紫苑。

私、名前呼びに弱いかもです。。。
好きな人に呼んでもらって一番嬉しいのは名前ですもんね。
吐息まじりに呼ばれた日にゃあ…(≧∇≦)

ぷはぁ、うさぎさん、ごちそうさまでした。

NoTitle 

ちょっとうさぎさん!
甘々2連発とか!やばいからそれ!

あ、余談ですが松下村塾を世界遺産に申請したみたいですね。
初めて映像見ました!!

>素人であろうが玄人であろうが、女を抱きたいと思えばいつでも抱けた。

高杉のテクニックがどれほどのものかは知りませんが、でもそれなりだったんだろうなと思います!(曖昧でごめんw)
だからこそ!そんな手慣れた高杉が

>ただ座っているだけ。
>それだけなのに、高杉は思わず息をのんだ。

すっごい興奮した。
だってさ。紫苑は私の中では本当に、(ここでどう書けばいいか迷いすぎて手が止まったぜ)
なんていうか透き通ってる存在で。
それをようやく自分のものにしようとしてる高杉がさ。

高杉としては、紫苑を、出会った時の無垢なままで置いておきたいっていう気持ちと、
でも自分だけのものにしたいっていう気持ちと、両方あった気がするんですよね。
それって、どっちが上とかどっちが強いとかじゃなくて。
どっちも、高杉の心からの願いといいますか。

だから

>搾り出すような、苦しげにさえ聞こえる高杉の声

こうなったのかも?と。
見当はずれだったらごめんなさい!!!

>抱いている相手が紫苑だというだけで、まるで理性の箍が効かない。

くはっ
荒々しいのがまた素敵だ。
最初っから気遣うつもりがないのと、「気遣う余裕がない」っていうのは別物だよね。

高杉と紫苑に関しては、「好き」とか「愛」とかそういう言葉があんま似合わない気がする。
なのでどう感想を書いていいか難しいところだけど。

食い入るように読みましたーーー!!!
それだけは本当!!!

ふぅ…ありがとうございます!!

あーやんさん&グリーンさん 

コメントありがとうございます!

◇あーやんさん

>緊張する高杉!
>余裕のない高杉!!
>冷静さを欠く高杉!!

高杉三連発(笑)
喜んでいただけたようで良かったです!!

>自分の心が欲する相手を抱くって違うんですよね。

きっと違うんじゃないかなという妄想ですが(汗)
願望もあるかもしれないww
高杉は女慣れしてるけど、きっと紫苑に対しては日頃のテクニックも使えないくらい緊張したのではないかとww

>体の欲求だけじゃなくて心も満たさせると。

うんうん!
身体って、心が伴わないと気持ちよくならないんじゃないかなあ?
・・・過去を振り返ってみるとそう思うぞ(笑)

>私、名前呼びに弱いかもです。。。

これわかるーっ!!
私もそうです!
実は私の名前って、意外と呼び捨てにしにくいみたいで。
過去のあだ名は名前じゃなく、姓にちなんだ呼び方が多くて。
名前を呼び捨てにするのは両親くらいだったから、余計に憧れる!!
でもやっぱり好きな相手じゃなきゃやだけど

>ぷはぁ、うさぎさん、ごちそうさまでした。

こちらこそありがとうございます!!

◇グリーンさん

>甘々2連発とか!やばいからそれ!

だって。連休だったし(いや関係ないからwww)

>松下村塾を世界遺産に申請したみたいですね。

らしいですね!
ニュースで「松下村塾が」とか「高杉が」とかって聞くと手が止まりまするw

>高杉のテクニックがどれほどのものかは知りませんが、

私も知りません(笑)
でも、実際に遊郭では人気者だったらしい。
まあ、金払いのいいおぼっちゃまだし、遊び上手だったのは間違いないかと。

>紫苑は私の中では本当に
>なんていうか透き通ってる存在で。

ああ!わかります!!
っていうか嬉しいです!
まさにそんな感じですー!
透明感・・・というか、なんというか。
語弊あるけど、どっか現実離れした存在というか。
人の世のドロドロしたものとは無縁みたいな感じです、この人。

>高杉としては、紫苑を、出会った時の無垢なままで置いておきたいっていう気持ちと、
>でも自分だけのものにしたいっていう気持ちと、両方あった気がするんですよね。

うんうん!伝わって嬉しい!!
まさにそれです。
穢したくない気持ちもあるし、けど自分のものだって実感したいし。
うまく言えないんだけど、すごく混沌とした感情。
だからいつもみたいに気軽に手を出すことができない。

>見当はずれだったらごめんなさい!!!

いえいえ!その通りです!
ありがとう!わかってくれてホントに嬉しい!!

>最初っから気遣うつもりがないのと、「気遣う余裕がない」っていうのは別物だよね。

そうそう。
自分の欲望だけの場合は「気遣う」なんて気持ちは最初からないけど、「余裕がなくなる」のはそれだけ相手にのめり込んでしまうからで。
この二つは全然違う!!

>高杉と紫苑に関しては、「好き」とか「愛」とかそういう言葉があんま似合わない気がする

これもわかります。
っていうか、わかっていただけて感謝です。
そうなんです。こいつらは普通の恋愛じゃない。
グリーンさんが桂に言わせてくださったじゃないですか
「いつか破滅するんじゃないか」みたいな台詞。
あれ、真理をついてたと思う。
好きだ嫌いだ愛してる、なんて簡単な感情じゃないんですよね、この二人。
上手く表現できなんだけど、半身同士とでも言いますか。
魂のかたわれ、みたいなイメージです。

>食い入るように読みましたーーー!!!

ありがとうございます!!

NoTitle 

とりあえず続き?書いてみた。でも続きと言えるかどうか分かんないw
http://green11984.blog.fc2.com/blog-entry-320.html
土方編が綺麗に終わっちゃったから、けっこう悩んだんだ。
いまいちかもしれないけどごめんよー!
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