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 ←総司の恋物語12-放っておいてくれる?- →第58話 もう一度約束を
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「薄桜鬼 原田左之助」
それでもお前が愛おしい(完)

序 おまえだけを見ていた

 ←総司の恋物語12-放っておいてくれる?- →第58話 もう一度約束を

その目が誰を見てるのか。
そんな事はとっくに気付いてた。
お前があの人を見ている以上に、俺はお前の事を見つめていたから。


「あいつのことはどうすんだ。」

土方はあからさまに眉を寄せた。
それは怒っているというよりは、痛いところを衝かれたという表情で。
どんな時でも表情を崩さず冷静沈着な土方であっても、ことこの事に関しては本音を隠すことは難しいらしい。
原田は思わず苦笑した。

「なにもあんたを責めてるわけじゃねえよ。」

そう。
原田に土方を責めるつもりは毛頭ない。責めたところでどうしようもない。
こんな状況になってしまったのは土方のせいではない。
気付けば、どうしようもない迷路に足を踏み入れてしまっていただけだ。
土方も、そして自分も。

「・・・どうするも何もない。俺が決めることじゃねえ。」

土方らしくない、原田はそう思った。
そう思ったらもう止まらなかった。

「ずるいぜ、あんた。」

単刀直入な原田の言葉に土方はますます眉間の皺を深める。
けれど反論しなかったのは、それを否定できない自分に気付いているからかもしれない。
それでも視線を逸らさなかったのはさすがと言えるだろう。

屯所として与えられた秋月邸の一室で。
二人は黙ってお互いの目の奥を探りあう。
だが、この勝負は原田に分があった。

原田はすでに腹をくくっている。別室で近藤と話をしている新八も同様だろう。
交渉は決裂し、ここを去る日はそう遠くはないだろうと、原田は踏んでいた。
早ければ、明日にでも自分たちは新撰組を離れることになるだろう。
刃を向ける敵は変わらない。そういう意味では袂を分かつわけではない。
ただやり方が違う-原田にとってはそれだけのことだ。

それは土方だって同じだろう。
彼には彼の信義があって、だからこそ歯を食いしばってここまで戦ってきたのだ。
その信念が揺らぐことはあり得ず、地に倒れ伏すその瞬間まで彼は戦い続ける。

だがただひとつ。原田と土方には決定的な違いがあった。
とても大きな違いが。

「あんたは馬鹿じゃねえ。もうわかってんだろうが。」

大きく溜息をつく原田に、土方は目を細めた。

「いい加減、認めちまえよ。」
「-何の話だ。」

ここまできてまだとぼける土方に、原田は語気を強めた。

「俺の口から言ってもいいってんなら、はっきり言ってやるけどよ。」

見えすいた脅しであることは土方も見抜いているだろう。
だが、それでも言わねばならない。もう時間はないのだ。

「俺と新八は明日にでもここを出ていくだろう。心残りはなにもねえし後悔もしてねえ。けどな。」

原田はまっすぐ土方を見つめた。

「あんたの返答如何によっちゃ、それも変わってくるからよ。」
「原田、お前・・・」

土方は目を見開いた。まるで信じられないことを聞いたとでも言いたげな表情に、原田は苦く笑う。

まったく。あれだけ察しが良くて頭が切れる人だってのによ。
今まで気付きもしなかったのかよ。

「・・・あいつが誰を見てて、あんたが誰を見てるかなんざ、お見通しだって言ってんだよ。」

言葉になどしなくても同じ想いを抱いていることなど、手に取るようにわかる。
同じ女を見つめ、同じ女に心惹かれ。
けれど女は、彼女を抱きしめてやりたいと思う男ではなく、振りむくことをしない男の背中を追い続けている。

原田の言葉に土方は無言だった。

「なあ、土方さん。もういいじゃねえか。なんでそこまで意地を張るんだよ。」
「・・・意地を張ってるわけじゃねえ。」

土方はほんの少し表情を和らげた。
いや、和らげたのではなく、本音を漏らしたと言うべきか。
それでも大した進歩だと原田は笑みを浮かべる。

「てめえに言われるまでもねえ。あいつの気持ちもわかってる。」
「だったらなんで」
「原田。」

土方は低く告げた。

「俺はあいつの人生を狂わせた男だ。」
「それは・・・」

原田は表情を曇らせた。
土方が何のことを言っているのか、原田にわからぬはずがない。

「本当ならあいつは、普通の女として幸せな人生を送るはずだった。それを奪ったのは他でもない俺だ。」
「けどそれは」
「もしも俺が。」

原田の言葉を遮るように、土方は強く言った。

「もしも俺が新撰組副長なんてもんじゃなくて、ただの男だったら-そう思ったことは何度もある。けどな。」

紫紺の瞳が原田をまっすぐ捉える。そこには強い意思の光が宿っていた。

「けど、俺は新撰組副長・土方歳三なんだよ。」

遠くで新八の怒鳴り声が聞こえる。
おそらく近藤と口論になっているのだろう。
それは予想していたことで、特に驚くべきことではない。

怒鳴り合う方がよほどましだ。

原田がそう思うほどに、この部屋は静寂に満ちていた。
それも、恐ろしいほど濃密な重みを持った静寂に。

どれほどの時間が経ったのだろう。
それは長かったかもしれないし、短かったかもしれない。

「・・・ひとつだけ訊かせてくれ。」

ようやく原田は言葉を発した。土方は黙って原田を見つめている。

「あんたはあいつを守ってくれるんだろうな。」

それがどれほど困難なことか、原田にはわかっている。
これから幕府軍は-新撰組はこれまで以上の激戦の中に飛び込んでいくことになるだろう。
その戦乱の中で。

あいつを死なせるなんざ、俺が許さねえ。

怒りさえ感じさせる原田の燃えるような目に、土方は静かに言い切った。

「それが俺の役目だ。」


初めて会ったあの日から、俺はおまえを見てきた。
ずっと見つめ続けてきた。
ただおまえだけを。


原田と新八が新撰組を除隊し、秋月邸を後にしたのはその翌日のことだった。


*記念すべき原田編第1作ですがw
  なぜか「原千」ではなく、のっけから「土千←原田」になっちまったのはなぜだ(汗)
 


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~ Comment ~

 

うわーまさかの原田!!!
なんか久しぶりで嬉しい!!
しかもこの段階から始まるの!?
これは楽しみ♪

こちらもまた後でちゃんと感想書くね!

NoTitle 

どもども!
なんだか原田にわくわくです!

>お前があの人を見ている以上に、俺はお前の事を見つめていたから。

のっけからこれかあ!
なんつーか、ばりばり片思いって感じ。
優しく見守ってたであろう、今までの原田が想像できる。
で、きっと、見守ると同時に我慢してたんだろうな。

>「あいつのことはどうすんだ。」

だからこんな言い方になっちゃったのかな、と。
「責めてるわけじゃない」っていうのも本音だけど、「あいつ」のことに関しては遠慮しないっていう。

>気付けば、どうしようもない迷路に足を踏み入れてしまっていただけだ。
土方も、そして自分も。

おおお…
なんか、なんか、恋愛だー!
それにしても、いつにも増して妙にこじれちゃってる印象を受けたけど、どうしてだろう。


この後を読んで、原田と新八が出ていく直前だって分かったけど、すごく新鮮だったー!
ここから始まる話ってどういうこったw
かっこいいっ

二人とも譲れない信念があって、敵は同じだけど一緒にいられない。
この辺読んでると胸が痛くなってくる。
原田も土方も悲壮感はないんだけど、でも読み手としては寂しいなぁ…

>だがただひとつ。原田と土方には決定的な違いがあった。

む。
なんかさー、ここまで名前出てきてないから気になってるんだよね。
千鶴とは限らないよね。これ繊月花かもしれないじゃん。
(このときはもう紫苑は出て行ったあとだろうけど)
もしくは全然違う人だったりして。

と思ったらあとがきに「原千」って書いてあったw
無駄に悩んでしまったぜ!

>まったく。あれだけ察しが良くて頭が切れる人だってのによ。
>今まで気付きもしなかったのかよ。

やれやれ、だよねー!(原田に話しかける私)
まったく呆れちゃうよ。
人の恋路にはほとんど無関心だったんじゃないかしら。

>けれど女は、彼女を抱きしめてやりたいと思う男ではなく、振りむくことをしない男の背中を追い続けている。

この台詞はぐっと来たなー!
抱きしめてやりたいと思う男っていう表現が好き。
これは原田の望みであって、それが必ずしも彼女の為になるかどうかは分からないってことを、原田は分かってる。(変な日本語ごめん)

>「俺はあいつの人生を狂わせた男だ。」
>「けど、俺は新撰組副長・土方歳三なんだよ。」

リレー書いてても思ったけど、やっぱここから離れられないよね!
土方は、どうしても何があっても副長で。

>怒鳴り合う方がよほどましだ。

分かる。ほんとにそう思う。
その方がどんなに気が楽だろう。

>「あんたはあいつを守ってくれるんだろうな。」
>あいつを死なせるなんざ、俺が許さねえ。
>「それが俺の役目だ。」

くー!!
このやり取り好きだー!
気持ちに応えるとか、そういうんじゃなくて。
死なせないことだけは必ず約束する、みたいな。

でもこの後どうなるんだろう。超気になる!!

グリーンさん 

コメントありがとう!

お久しぶりの、そしてまさかの(笑)原田です。
ほらリレーで原田書いて玉砕したじゃん?
あのリベンジだーっ!!

>しかもこの段階から始まるの!?
>これは楽しみ♪

あんまりプレッシャーかけないで(汗)
おっしゃる通り、原田の片思い話になりますが。
土方ルートの原田視点みたいな感じになればいいなあ・・・と思ってはいる。思うだけ。

>いつにも増して妙にこじれちゃってる印象を受けたけど、どうしてだろう。

あれ?そうですか?
あんまり考えずに書いてたけど、グリーンさんがそう感じるなら、こじれちゃってるのかもしれない (おいw)

>原田と新八が出ていく直前だって分かったけど、すごく新鮮だったー!

ですです。
新撰組を離隊する時の話です。
別室では新八と近藤がやり合ってるとき。
なんか懐かしいなあ・・・

>この辺読んでると胸が痛くなってくる。

私もゲーム本編を思い出して、ちょっと切なかった。
この頃になると、ひとり、またひとりと仲間がいなくなっちゃうんだよね・・・

>千鶴とは限らないよね。これ繊月花かもしれないじゃん。
>と思ったらあとがきに「原千」って書いてあったw

ああっ!その発想はなかった!
そうか。考えてみたら繊月花ってのもありだったか!
余力があったら繊月花バージョンも考えてみようww

>抱きしめてやりたいと思う男っていう表現が好き。

ありがとう!!
私の「原田」と「土方」のイメージを伝えたい表現だったので、そう言ってもらえて本当に感激!

>、それが必ずしも彼女の為になるかどうかは分からないってことを、原田は分かってる。(変な日本語ごめん)

そうなの!そうなのよ!
原田は千鶴を抱きしめてあげたくて(身も心も)。
でも千鶴が望んでるのはそうじゃないってわかってて。
その葛藤で原田はこれまで苦しんでたはずなのよ!
・・・というお話になりそうですww

>やっぱここから離れられないよね!
>土方は、どうしても何があっても副長で。

うん。そう。
これがあるからこその土方なんだけど、おかげで書く方はむちゃくちゃ書きづらい(笑)

>気持ちに応えるとか、そういうんじゃなくて。
>死なせないことだけは必ず約束する、みたいな。

リレーのちーさまともそうだったけど、やっぱり私は「男同士の約束」に弱いwww

>でもこの後どうなるんだろう。超気になる!!

あんまり期待しないでください(汗)
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