FC2ブログ

薄桜鬼 (feat.グリーンさん)

第56話 恋君(前編)

 ←それは触れるための口実 →第56話 恋君(後編)

*こちらはグリーンさんとのリレー小説 第56話 ですw
  もう誰のルートだかわかりゃしねえww
  第55話はこっち → 第55話 ケイコとマナブ


その日、非番だった斉藤は千鶴を伴って町へ出た。
正確には、近藤の使いで兎屋へ行くことになり、それならば千鶴も一緒にどうだ、と声をかけたのだが。

兎屋までの道中で二人は思いがけず高杉と出会った。当然のようにその後には紫苑が控えている。

「よう。番犬じゃねえか。」

高杉は臆する風もなく、陽気に声をかけてくる。
その背後で紫苑がわずかに貌を顰め、高杉の着物の袂をそっと引いた。

「・・・うるせえ。」

それは紫苑に向けられた言葉だった。どこかバツの悪そうな顔をしている高杉に、斉藤は目を細める。

「悪いが貴様に構っている暇はない。」

自分の背に千鶴を庇うようにしながら、斉藤は低く言った。
高杉が何かを仕掛けてくるとは考えにくいが、用心するに越したことはない。
まして、先日は桂と話をしていたことを副長は懸念していた。
隠すつもりはないが、これ以上副長に余計な心配をかける必要もない。

「千鶴、行くぞ。」

斎藤はそっと千鶴の手首をつかみ、高杉の脇を通り過ぎる。
なんとなく申し訳なさげな顔をして、千鶴は高杉たちに頭を下げた。

「おい。」

斎藤の背に高杉の声が響く。その声音にいつもと違う何かを感じ取った斎藤は立ち止まり、ゆっくりと振り返った。
「-てめえんとこの副長はどうしてる。」

斎藤は僅かに表情を動かした。

なぜ高杉が土方のことを気にしているのだ?

斎藤が屯所を出るとき、土方はすでに外出したあとだった。
どこへ行ったのか、斎藤は知らない。
玄関まで見送った原田によれば、あまり楽しい外出ではないような顔をしていたとのことだったが。
そういえば、昨夜道場での土方も、少し様子がおかしかったような気もする。
けれど、そんなことを高杉に教える必要はないだろう。

斎藤は淡々と告げる。

「貴様に何の関係がある。」
「関係なくもないんだがな。」

高杉は意味ありげに笑った。
だが、これ以上しつこく追求するつもりはないのだろう。
彼もまたあっさりとその場を離れる。
けれど。

「-この前は悪かったな。」

雑踏のざわめきとともに、低い詫びの声が聞こえたような気がして、斎藤は口端をあげてみせた。


「-土方さんがどうかされたんですか。」

少し先を歩く高杉の背に向かって紫苑は言った。
彼があんな風に他人のことを気にすることは珍しい。
高杉は足を止めることはなかったが、肩越しにちらりと紫苑を見た。

「・・・まあ、わからねえでもないな。」
「はい?」

不思議そうに小首をかしげる紫苑に、高杉は口角をあげた。
ぐいっと細い腕を掴むと、そのまま手近な細い路地の奥へと入り込む。
何が起きたか紫苑が理解する前に、高杉は紫苑の体を抱きしめた。

「なにを・・・!」
「他の男の名を口にされるだけでも面白くねえってのによ。」

自嘲気味に言うと、紫苑の細い首筋に唇を這わせる。

「・・・っ・・こんなところで・・・っ!」
「褒美をくれよ。」

高杉は顔をあげると、愛しげに紫苑を見下ろした。
その眼差しに、紫苑は抵抗することを忘れる。

「俺はちゃんと奴に謝っただろう?だから褒美をくれ。」
「な・・あなたは何を言って・・・」

ほんのり頬を赤く染める紫苑に、高杉は笑みを浮かべる。

こいつの唇が他の男の名を告げるだけで腹立たしいんだ。
あんたの気持ちもわからなくはねえよ。

賑わう往来に背を向けて紫苑を人目から庇いながら、高杉はゆっくりと口づけを落とした。


ちっ・・・。

土方は小さく舌を打った。
それは、ここまで来て躊躇している自分自身に対する苛立ちにも似ている。
何度も帰ろうとした。
俺は何をやってるんだ、と自分に呆れたことも事実だ。
実際、もと来た道を引き返そうとしたのだが。

「珍しい客人もあったものだ。」

背中に届いた低い声には、驚きと、そしてどこか楽しげな色が混じっていた。

「-風間。」

振り向いたその先に、西の鬼の頭領が佇んでいた。


*待って!私を責める前にちょっと待って!!(汗)
  ここで終わったら鬼畜だってわかってるからっ!!
  後編、ちゃんと書くからっ!!
  今日中にはアップするから許して―っ(土下座中)




関連記事
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
もくじ  3kaku_s_L.png 作品のご紹介
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
もくじ  3kaku_s_L.png 鏡花水月
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
もくじ  3kaku_s_L.png 宝 箱
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png イベントレポ
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類

~ Comment ~

 

きたーっ!!
会いに行ったのは、風間だったんですねっ!!
後編、気になりますっ。
とりいそぎ 笑

 

風間だったー!
続き書いてくれるなら、全然オッケーすよ!土下座なんてしないでーーーー

高杉が所かまわず紫苑を求めまくってるの、素晴らしいね。

あー時間がないよう 泣
また後でね!

そうそう、ゆうべ昔のブログ(私のもうさぎさんのも)読んでて、お互い敬語だったのがウケたw

 

改めまして( ´ ▽ ` )ノ
アップありがとうございます♡
後編も読んでからにしようかなぁと思いつつ。

高杉が謝った!
高杉が嫉妬した!!
高杉が土方さんの気持ち理解した!!!
高杉が盛ってる!!!!

謝っちゃうあたり、やっぱり紫苑には敵わない感じなんですかね(o^^o)
嫉妬しちゃうあたり、やっぱり紫苑のこと大好きなんですよね♡

>賑わう往来に背を向けて紫苑を人目から庇いながら
ここに高杉の優しさも感じるけど、きっと紫苑のこと誰にも見せたくなかったんだろうなぁーって思ったりしました(*^^*)

土方さん、風間に会いに行ったんですね!
男同士の対決(?!)

>どこか楽しげな色が混じっていた
ドキドキしますっ!

あーやんさん&グリーンさん 

コメントありがとうございます!

◇あーやんさん

>会いに行ったのは、風間だったんですねっ!!

どうしようか悩んだんですけどね。
兎んとこに行くのはあまりにも当たり前というか、ベタな展開なのでw
敢えての風間だー!!

>高杉が謝った!
 (以下略 笑)

高杉って言いすぎww
しかも「!」がだんだん増えてるしv
そんなに驚かんでもいーやんかあっ!!

そうです。
もう高杉は紫苑にベタぼれなんです!(断言)
彼女が他の男の名前を口にすることすら許さねえぜ!
独占欲って言葉が逃げ出すくらい、ベタぼれですww

>土方さん、風間に会いに行ったんですね!
>男同士の対決(?!)

ごめん。
男同士のやりとり、大好物なのー♪
でもBLはいや(笑)

◇グリーンさん

>風間だったー!

だって。
どう考えても風間でしょ(なんでや)
でも、最初はどうしようか悩みながら書いてたのー
だから高杉×紫苑のいちゃこら話になっちゃったのー(いや、おかしいから)

>高杉が所かまわず紫苑を求めまくってるの、素晴らしいね。

所構わずてww
盛りのついた犬かーい!!
・・・否定できないけどさ

>ゆうべ昔のブログ(私のもうさぎさんのも)読んでて、お互い敬語だったのがウケた

あ。気付いた?
私もね、グリーンさんのブログを時々読み返しててね。
「あら?なんでこんなに他人行儀なのかしら?」って笑ってたww

 

そういえば、私、お二人に敬語がかなり崩れちゃってますっσ(^_^;)
ごめんなさーいm(__)m
  • #990 うさぎさん&グリーンさん 
  • URL 
  • 2015.04/26 20:28 
  •  ▲EntryTop 

あーやんさん 

>お二人に敬語がかなり崩れちゃってますっσ(^_^;)

敬語。
んなもん、いらねえっ(副長風ww)

NoTitle 

改めてアップありがとうです!
まずは質問なの。恋君ってなんて読むの?
こいぎみ?こいきみ?れんくん?
勉強不足でごめん(>_<)

>「よう。番犬じゃねえか。」

斎藤ほど犬が似合うキャラはいないよね!
安心の忠実さ。
はっ!ってことは高杉、斎藤のこと狙ってる?!
やばい。千鶴じゃ高杉には勝てない!!色んな意味で!

>「・・・うるせえ。」
>どこかバツの悪そうな顔をしている高杉

わーーー!なんかのろけに見えた。
紫苑のことは無視して斎藤のことからかうのかと思いきや、まさかこう来るとは。
これって「悪い女」で紫苑に諌められたのが効いてるってことか?

>「-てめえんとこの副長はどうしてる。」

気にはなってるんだね。
助けようとは思ってないだろうけど。
兎屋で見た兎とちーさま、きっとすごくいい雰囲気だったんだろうなぁ…

>「-この前は悪かったな。」

あ!謝った!!!
ちゃんと紫苑の言うこと聞いてあげたんだね。
なんかかわいいっ。
斎藤ルートとか土方ルートとか言ってるけど、これ隠れ高杉ルートだね!!

そう、この時はまだそう思ってた。

>自嘲気味に言うと、紫苑の細い首筋に唇を這わせる。

隠れてないwwむき出しじゃないかー!!
最近、高杉しかかっこよくないぞ!なぜだっっ

>「俺はちゃんと奴に謝っただろう?だから褒美をくれ。」

おねだり…!!
さすがだようさぎさん。溢れんばかりの高杉愛を感じる。
こんな風に好きな人から言われたらとろんとしちゃうなー。

そして土方は風間の元、か。
私の感想もこのまま後編へ続きまっする!

>盛りのついた犬かーい!!

いや完全に盛ってるでしょw
このいちゃつきっぷりが最高です。もりもり食べちゃいますー♪
ごちそうさまでした!

あーやんさん!

>お二人に敬語がかなり崩れちゃってますっσ(^_^;)

ここで突然謝るとか意味わかんないw
どんどん崩して。楽にしちゃって。
座布団もう一枚いる?うさぎさん家のだけどどうぞ遠慮なく☆

グリーンさん 

コメントありがとー!!

>まずは質問なの。恋君ってなんて読むの?

「こいきみ」と読んでくださーいw
最愛の人とか愛する人、とかそんな意味ww
どっかで見たことあるんですけど、定かではないv

>斎藤ほど犬が似合うキャラはいないよね!

うん!
ほんとに番犬!
ド―ベルマンとかそっち系w
迂闊に手を出したら噛まれそうだもん。

>はっ!ってことは高杉、斎藤のこと狙ってる?!

・・・おいw
なんか、別の話が混じってるぞ(笑)

>わーーー!なんかのろけに見えた

見えたんじゃなく、のろけてるんですw
だって高杉は紫苑にベタぼれ

>兎屋で見た兎とちーさま、きっとすごくいい雰囲気だったんだろうなぁ…

でしょうねえ・・・
きっとちーさまはあの胸板で兎を慰めてたんだろうしっ!!
重低音ボイス&胸板!
もう勝てるわけがないwww

>斎藤ルートとか土方ルートとか言ってるけど、これ隠れ高杉ルートだね!!
>隠れてないwwむき出しじゃないかー!!

あははは!むき出してww
でも、反論する気はさらさらないぞ!

>最近、高杉しかかっこよくないぞ!なぜだっっ

それはね。
私が高杉にハマってしまってるからです

>溢れんばかりの高杉愛を感じる。

ええそうですとも!(←反省の色なし)
溢れてダダ漏れですものーっ!!

>このいちゃつきっぷりが最高です。もりもり食べちゃいますー♪

ごめんねー
よーく考えたら、この前半ってば、全く必要なかった気もするのー!
でも書きたかったのー!!

>どんどん崩して。楽にしちゃって。
>座布団もう一枚いる?

いっそ布団ひいたらどうやろww
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【それは触れるための口実】へ
  • 【第56話 恋君(後編)】へ