FC2ブログ

薄桜鬼 (feat.グリーンさん)

番外編 雨の冷たさも感じない

 ←焦がれるほどに →第46話 言葉にはしなくても

*こちらはグリーンさんとのリレー小説 番外編 ですw
  いつもながら趣味に走りまくってますが、ご容赦を!



遠くの空で雷の鈍い音が響く。
紫苑は思わず足を止め、高杉は溜息交じりに振り返った。

「・・・お前、まだ駄目なのかよ。」

呆れたように呟く高杉に、紫苑は珍しくムッとした表情を浮かべる。

「大丈夫です。」

短く言うと、高杉のことなど無視するようにさっさと歩き出す。
振り向きもせず歩いてゆくその後ろ姿を面白そうに見つめながら、高杉は肩をすくめた。

「おい。」

呼び掛けても紫苑は振り返らない。むろん立ち止まることもしない。

「意地張ってんじゃねえよ。」

低く呟くと、高杉もゆっくりと歩き出した-と、再び足を止める。
肩越しに背後をそっと振り返り、怪訝そうに眉を寄せた。
遠ざかる紫苑の背に視線を移し、小さく舌を打つ。

「・・・面倒くせえな。」

その呟きは紫苑には届かなかった。
紫苑の姿が雑踏に紛れると高杉はくるりと踵を返し、なぜか紫苑とは反対の方向に歩き出した。


ほどなく雨が降り出した。
紫苑は困ったように空を見上げる。
黒い雲に覆われた空からは、容赦なく雨が落ちてきた。
藩邸まで走るか、それともどこかで雨が通り過ぎるのを待つのか。
紫苑は判断を委ねるために、高杉を振り返った-のだが。
そこに高杉はいなかった。

「え・・っ」

いつの間に。
ついさっきまで後にいたはずなのに。
どこではぐれてしまったのだろう。

紫苑は慌てて周囲を見回すが、高杉の姿はどこにもなかった。

「なぜ・・・」

呆然と立ちすくむ紫苑の体を冷たい雨が打ちつけた。


傘を叩く雨音に眉を寄せながら、風間はひとつ溜息をついた。
雨は嫌いではないが、足元を濡らす感触は好ましいものではない。

早々に藩邸に戻るが得策か。

そう考え、風間は足を早めた。
と、視界の端を色鮮やかな何かが掠めたような気がして、風間は立ち止まる。
そのまま視線だけを動かしてみる。

そこには、雨の中、途方に暮れたように立ちすくむ見知った人間の姿があった。

「-何をしている。」

傘をさしかけると、風間は低く言った。
その声に、初めて気づいたとでもいうような表情をして紫苑が顔をあげる。
白い頬を濡らしているのは雨か。それとも涙か。
風間は目を細めた。

「どうした。まだ雷は鳴っていないだろう。」

震える紫苑に、風間は皮肉めいた口調で言った。
紫苑が雷に弱いことは先刻承知だ。
それがきっかけで紫苑と知り合い、それが原因で高杉に無理難題-とばかりは言えないが-を押し付けられたのだから。
だが予想に反して、紫苑は首を振った。
そんなことはどうでもいい、とでも言うように。
いつもと様子の違う紫苑に、風間の口元から笑みが消える。

「どうしたというのだ。なにがあった。」
「・・・高杉が・・・っ」

珍しいほどうろたえた様子を見せる紫苑に、風間は眉を上げた。
紫苑は縋りつくように風間の胸元を掴んでいる。
琥珀の瞳からは涙が零れ落ちていた。

こんな紫苑を見るのは初めてだった。
いつも冷静で、感情を顔に出すような女ではなかった。
たとえ目の前で斬り合いが始まったとしても眉ひとつ動かさないだろう。

そんな女がここまで取り乱す理由はなんだ-?

風間がその肩をそっと抱き寄せたことにも紫苑は気付いていないかもしれない。
それほどまでに紫苑は動揺していた。

「・・・高杉がどうしたというのだ。」

紫苑の唇から漏れるのは高杉の名ばかり。
そのことに僅かに顔を顰めつつも、風間はなだめるように紫苑の肩をそっと撫でた。

そういえば高杉はどうしたのだ?
最近の京の町はなにかと物騒だ。紫苑ならば自分の身くらい自分で守れるだろうが、それでも高杉が紫苑を一人にするとは考えにくい。

風間は周囲を見渡した。
雨に煙る町並みに人影はない。

「紫苑。」

泣きじゃくると言っても過言ではない紫苑を風間はその胸に抱きしめた。
嗚咽を漏らす紫苑の髪をそっと撫でながら、風間は思いだす。

そう言えば。
呉服屋で火事騒ぎがあった時も、様子がおかしかった。
ここまで動揺はしていなかったが、やはり身体を震わせていた。
あの時、紫苑はなんと言っていただろう-?

それを思いだすことは出来なかったが、とにかく紫苑を落ち着かせることが先決だろう。
風間は嘆息すると、低く囁いた。

「-泣くな。お前に泣かれると、俺はどうしていいかわからん。」

その言葉に、紫苑は驚いたように顔をあげた。
瞬きもせず、風間を凝視している。

「・・・どうした?」
「高杉・・・っ!」

紫苑は再び風間の胸でむせび泣いた。
打ちつける雨の冷たさにさえ気付かぬように泣き続ける紫苑を風間は黙って見下ろしていた。


*す、すみません!
  番外編にはあるまじき、未完結(笑)
  ごめんっ!!続き、書くからっ(汗)
  そして、リレー本編の続きも書くからっ!!

関連記事
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
もくじ  3kaku_s_L.png 作品のご紹介
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 土方歳三
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 沖田総司
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 原田左之助
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 斉藤 一
総もくじ 3kaku_s_L.png 薄桜鬼 風間千景
総もくじ 3kaku_s_L.png 四季綴り-薄桜鬼異聞
もくじ  3kaku_s_L.png 鏡花水月
総もくじ 3kaku_s_L.png イケメン幕末
総もくじ 3kaku_s_L.png 捧げ物
もくじ  3kaku_s_L.png 宝 箱
総もくじ 3kaku_s_L.png その他二次
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
もくじ  3kaku_s_L.png イベントレポ
総もくじ 3kaku_s_L.png うさぎの芸術部屋
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類

~ Comment ~

 

書きたいことむちゃくちゃあるのだけど、とりあえずこれだけ!

紅蓮の残月…。・゜・(ノД`)・゜・。

。・゜・(ノД`)・゜・。

 

風間 は、薄桜鬼の方ですか?

これは、グリーンさんとのリレー小説も読破せねばっ!
あぁ、また寝不足に…笑

グリーンさん 

>書きたいことむちゃくちゃあるのだけど、とりあえずこれだけ!

あははは!
今日はライブですもんね!
楽しんできてくださーいww

>紅蓮の残月…。・゜・(ノД`)・゜・。

あらら。
よく覚えてましたねー!!感激です!

あーやんさん 

>風間 は、薄桜鬼の方ですか?

そうです!
薄桜鬼に出てくるキャラです。
通称「ちーさま」ww
たまにグリーンさんのブログで私が「ちーさま!」って叫んでます(笑)

>これは、グリーンさんとのリレー小説も読破せねばっ!

あーやんさんチャレンジャーですね(笑)
はっきり言って、グリーンさんと私の自己満足の世界ですけど!
それでもよろしければぜひトライを!

私のブログの「薄桜鬼(feat.グリーンさん)のカテゴリーがリレー小説置き場になってます。
そこからグリーンさんのとこへも飛べます♪

 

こんばんは
読みましたよ、読んじゃいましたよ、うさぎさんとのリレー小説、読破ですよっ!!
グリーンさんの方にもコメしましたが。。。
もー、お二人の才能に感服しきりです。
泣いて、笑って…。
個人的には、土方×兎、高杉×紫苑、沖田×千鶴
がいいですねっ♡
これからも楽しみにしてますっ!!

あーやんさん 

えーっ!!

(コメントお礼のまえに驚いたww)

いやいや、まずは。
コメントありがとうございます(笑)

リレー小説まで読破てww
番外編も含めたら50話近いと思うんですけど。
まあ、なんとチャレンジャーな!

でもありがとう!素直に嬉しいです!
基本的には薄桜鬼のキャラを使ってるので、未プレイの方に楽しんでいただけたなら、本当に嬉しい!

>個人的には、土方×兎、高杉×紫苑、沖田×千鶴

なるほど!
実は私もです(笑)

とくに高杉×紫苑(=あやめ)は、本編では悲恋になっちゃってるので、リレーでは本編無視!
思いきりいちゃこらさせてます!

きっとまだまだ続くと思いますが(汗)
お時間あれば覗いてみてくださいね!

 

はい、娘にDVDを見せつつ、隣でガッツリ読んじゃいました。
ってか、止められなかった…笑

あっ、でも、お二人のやり取りの中に入っちゃっても大丈夫ですか??
的外れなコメとかもしちゃいそうだし…。
盗み読みしてるだけの方がいいかしら。。。

あーやんさん 

>娘にDVDを見せつつ、隣でガッツリ読んじゃいました。

ごめん、笑ったww

いやいや、気持ちはわかります!
私も子供が小さいときはよくやりました。
エンドレスでビデオ(当時はまだDVDじゃなかった・・・)を見せつつ、自分がやりたいことをやってたぜv

>お二人のやり取りの中に入っちゃっても大丈夫ですか??

大丈夫です!
ウチもぐりーんさんトコと同じである意味無法地帯ww
遠慮なくどうぞ!!
むしろ楽しいです♪

ってか、お互い早く寝ろよ(笑)

NoTitle 

○うさぎさん

アップありがとうございます!
まさかの未完番外編ww
しかも雷きちゃった!

>「・・・お前、まだ駄目なのかよ。」

この突っ込み、なんか好き♪
ムッとしちゃう紫苑もかわいいんですけど(´▽`)
怖いくせにっ

>肩越しに背後をそっと振り返り、怪訝そうに眉を寄せた。
>「・・・面倒くせえな。」

おっ?おおおっ??
なんだなんだ、何を見つけたんだ??
紫苑いっちゃったけどー!!

振り返ったら高杉がいない、って紫苑にとってはすごくショックなことだと思います。
それこそ子供みたいに不安になっちゃたんじゃないかな。

ここでちーさま登場!

>雨は嫌いではないが、足元を濡らす感触は好ましいものではない。

これ、すごくちーさまっぽい!
やっぱ育ちがいいからね(決め付け)
雨ごときが俺の足を濡らすなど…ってかっこつけてそうw

>視界の端を色鮮やかな何かが掠めた

また絵が浮かびましたー!
私、いつだったか紫苑に黒い着物選ばせちゃったけど、
彼女は色鮮やかな着物着てることの方が多いのかな。
(高杉の趣味とか?)

>「どうした。まだ雷は鳴っていないだろう。」

皮肉言ってるんだけど、でも!
あの雷の日のことをバッチリ覚えてるっていうちーさまにニヤついたw
紫苑のことなら全部覚えてそう!!
なぜなら紫苑のこと気に入ってるからー!

>高杉に無理難題

懐かしい!昨日読みなおしたよ♪
いったん京を離れる高杉に、紫苑を任されるんだよね。
あれも高杉とちーさまが認め合ってる感じで良かったなーー。

>「・・・高杉が・・・っ」
>紫苑の唇から漏れるのは高杉の名ばかり。

こんな紫苑は珍しいね。
見てるこっちがハラハラしちゃいます。
今何かしらの不安要素があるのか、繊月花に書いてあるエピソードに関係するのか、
それとも新しく別の思い出が出てくるのか?!

>そのことに僅かに顔を顰めつつ

あ、嫉妬してるw

>嗚咽を漏らす紫苑の髪をそっと撫でながら

ふふっ。ちーさまったら!
優しい!
手つきとか、すっごく想像しちゃった。

>それを思いだすことは出来なかったが

忘れたんか―い!
ちぇっw

>「-泣くな。お前に泣かれると、俺はどうしていいかわからん。」

これね!どっかで読んだはずなんだけど思い出せなくて。
また繊月花読み返しw
で、またいろんなとこで泣きそうになったしw

見つけた時は叫んださ!
残月だーあったーー!!!

そしてここで話が終わるという…!
衝撃でしたw
続きは用意して下さるということで安心しましたっ

そうそう。返信し損ねてたんだけど、アップ遅くなっても気にしないでね!!

○あーやんさん

うわーーー!リレー全部読んでくれたんですか???
疲れたでしょうに…ありがとうございます!!!
ほんと、うさぎさんも書いてるけど自己満ワールドですから。
でも本当に嬉しい!!!!娘ちゃんにもお礼言っといてくださいw

グリーンさん 

コメントありがとうございます!

>まさかの未完番外編ww

す、すみません・・!
言葉もありませぬ!
だって。途中で終わっちゃったんだもんww

>ムッとしちゃう紫苑もかわいいんですけど(´▽`)
>怖いくせにっ

ぷぷっ!
ですよね!
なんかね、リレーので紫苑は本編より素直な気がして可愛いぜ!

>おっ?おおおっ??
>なんだなんだ、何を見つけたんだ??

あ、これはちゃんと次に回収します(笑)

>振り返ったら高杉がいない、って紫苑にとってはすごくショックなことだと思います。

そうなんですよね。
高杉もなんだけど、紫苑にとっても「そこに高杉がいない」ってことはあり得ない状況で。
実はこの「あり得ない状況」での二人を書きたくて、これ書いたww

>やっぱ育ちがいいからね(決め付け)
>雨ごときが俺の足を濡らすなど…ってかっこつけてそうw

だよねー!
やっぱおぼっちゃまだし!
あとね、総司と同類のネコ族だから濡れるの嫌そうww

>私、いつだったか紫苑に黒い着物選ばせちゃったけど、
>彼女は色鮮やかな着物着てることの方が多いのかな。

ごめーん!言葉足らずでしたね!
着物が華やかというよりは、紫苑の存在自体が「鮮やか」な印象ってイメージです!
紫苑はきっと着物は地味系ww

>紫苑のことなら全部覚えてそう!!
>なぜなら紫苑のこと気に入ってるからー!

まさにその通り!
恋愛感情かどうかはともかく、ちーさまにとってお気に入りであることは間違いない!

>懐かしい!昨日読みなおしたよ♪

懐かしいてww
でもそーなんだよね。
リレー始めてから結構経ったよねえ・・・
そして終わりは未だ見えない(笑)

>今何かしらの不安要素があるのか、繊月花に書いてあるエピソードに関係するのか、 それとも新しく別の思い出が出てくるのか?!

・・・なんも考えてないって言ったら怒る・・・?(びくびく)

>これね!どっかで読んだはずなんだけど思い出せなくて。
>また繊月花読み返しw

あわわ!申し訳ない!
あんな無駄に長い話、読み返すの大変だったのでは(汗)

>見つけた時は叫んださ!
>残月だーあったーー!!!

あ、ありがとうございまするっ!!

>そしてここで話が終わるという…!
>衝撃でしたw

だよね・・・すまぬ!!
だって煮詰まっちまったんだもんww

大丈夫!何とかしてみせるっ!!
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【焦がれるほどに】へ
  • 【第46話 言葉にはしなくても】へ