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薄桜鬼 (feat.グリーンさん)

第30話 意外と慣れてねえんだな

 ←番外編 男と女Ⅱ →お知らせwww

*こちらはグリーンさんとのリレー小説 第30話 ですww
お話の流れとしては、第26話 の続きみたいな感じ。
分岐しちゃいましたー!「原田編」でございまする。
第29話(総司編)はこっち → 春遠からじ



「どうした。珍しくさえない顔じゃねえか。」

背後から聞こえた陽気な声に、原田は振り返ることはしなかった。
誰の声かはわかっている。
まさか、こんなところで会うとは思ってもいなかったが。

「・・・ほっといてくれ。」

そう言って苦く笑う原田の前に、桂は遠慮なく腰をおろした。

祇園花見小路の小さな飲み屋。
いつもは鴨川を越えてまで呑みには来ない。呑むのは屯所近くか、足をのばしてもせいぜい四条通りまでだ。
それがわざわざ祇園まで来たのは、知った顔に会いたくなかったからだというのに。
桂の事は嫌いではなかったし、むしろ一緒に呑むのは楽しい。
だが今日だけは一人で呑みたい-いや、一人になりたかった。
原田は深く息をついた。

「・・・なんでこんなとこで会うんだよ。」

ぼそっと呟く原田に、桂はにやりと笑う。

「極秘情報だがな。長州藩士は祇園で呑んでんだよ。島原界隈は幕府側の連中が多いからな。」
「そりゃあまた、すげえ極秘情報だな。」

さして面白くなさげに、それでも原田は言葉を返した。
そんなことは今さら言われなくてもわかっていることだ。

「なんだよ。今日はえらくへこんでるじゃねえか。」

空になっていた原田の盃に酒を注ぎながら桂は言った。そのまま自分の盃にも酒を注ぐ。

「へこんでるように見えるか、やっぱり。」

原田はもう一度溜息をついた。
自分ではそんなつもりはなかったのだが、桂がそう言うからには、やはり自分はへこんでいるのだろう。

「これ以上ねえってくらい、へこんでるようにしか見えねえが?」
「だよな。」

原田は盃の酒を一息に煽った。

「なんだよ。そんな呑み方、お前らしくねえな。」
「ほっといてくれ。」
「おいおい。」

手酌で呑もうとする原田の手を桂が止める。

-こういう呑み方はろくなことにならねえ。

桂は、原田の手から徳利を取り上げると自分の方に置いた。

「止めるなよ。」
「やめとけ。どうせ呑むなら、旨い酒の方がいいだろうが。」

口調は穏やかだったが、桂の眼光は鋭い。原田は僅かに目を細めた。

「なにがあったんだよ。」

原田の様子を観察しながら、桂はここ最近の京の動向を思い返す。

確かに緊迫した状勢になりつつあるが、それでも原田がここまで考え込むような大事は、今のところ起きてはいなかったはずだ。
自分たちは立場を越えた呑み仲間だったが、それでもお互いどこかで一線をひいていた。
原田はまがりなりにも新撰組の幹部だ。もし「何か」があったのなら、たとえ原田といえども、目の前にいる攘夷志士を見逃すはずはない。

だが、今の原田はそういった素振りは一切見せていない。もちろん、油断させて-という気配もない。
ということは。

「-女だろ?」

さらりと告げられた言葉に、原田は顔をあげる。それが答えだった。
桂はやれやれと、肩をすくめる。

「なんだよ。お前が女のことで悩むなんざ、あり得ねえだろ?」
「・・・俺もそう思ってたんだがな。」

可笑しそうに笑う桂とは対照的に、原田は苦々しげに顔を歪めた。

「どうやら嫌われちまったみたいでな。」
「-ひょっとしてあのお嬢ちゃんにか?」

意外そうな桂の言葉に、原田は答えなかった。それが肯定の意味であることはすぐにわかった。

「なんだ。いきなり手を出して嫌われちまったか?」
「んなわけねえだろうが。」

桂の手から徳利を取り返すと、原田は自分の盃に酒を注ぎたす。今度は桂は止めなかった。

「・・・だがまあ、それに近いっちゃあ近いのかもな。」
「は?」
「なんだかんだ言っても、嫌われちゃあいないって自信はあったんだがなあ。」

原田はひとり言のように呟いた。

「今朝、飯の時にな。あいつが味噌汁の椀を落としちまってよ。火傷してねえかと思って咄嗟に手を掴んだんだがよ。」

そこで原田は一旦言葉を切った。桂は黙って聞いている。

「いきなり、その手を振り払われちまった。」
「・・・・あ?」
「で、千鶴はそのまま屯所を飛び出しちまった。」
「・・・・ああ?」
「まあ、屯所には無事に帰ってきたから、それはいいんだけどよ。それから俺と顔を会わそうとしねえ。」
「・・・・あああ?」
「俺はあいつの兄貴分だって思ってたんだがな。どうやらそうじゃなかったらしい。」

原田はみたび、深く深く溜息をついた

・・・おいおい。

桂はまるで珍しいものでも見るような視線を原田に向ける。

こいつ、ほんとに分かってねえのか?
女にかけちゃ百戦錬磨じゃなかったのかよ。
なんでこんなにわかりやすい展開がわからねえんだよ。
誰が兄貴分だって?
ったく。
なんで俺のまわりにいるのは、こういう面倒くせえ奴らばっかなんだろうなあ。

「・・・お前、ほんとに分かんねえのか?」
「どういう意味だよ。」

むっとした表情を浮かべる原田に、桂はわかりやすいほど大袈裟に溜息をついてみせた。

「お前もまだまだ青いな。」

桂は楽しげに笑うと、立ちあがった。

「おい、慰めてくれるんじゃねえのかよ。」
「んなわけあるか。ばかばかしい。」

あっさりと踵を返し店を出て行こうとする桂の後を原田は慌てて追いかける。

「もうちょっと付き合えよ。」
「-お前の奢りだぞ。」

そう言って笑う桂に、原田は仕方ねえな、と呟いた。


*無理やり、分岐させちまったぜww
「指が触れた相手=原田」バージョンでございます。
しかし、原田アニキ、珍しく読み間違いしてますな(笑)
この後どうなるかは知らねえwww(おい)



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NoTitle 

アップありがとうございまするるる!

ととと。

原田!
こう来た?w

ちょっとどうしようこれ!
察しが悪い原田なんて!

確かに本編でもちと迷ってる部分は見えてたけど。
彼も人間だもんね。しかも羅刹にならなかったくらい、人間くさいやつだもんね。
今さら感じるこの衝撃w

>女にかけちゃ百戦錬磨じゃなかったのかよ。

桂に全面同意だよ
一緒に飲みたいくらいだ!!

>いつもは鴨川を越えてまで呑みには来ない。呑むのは屯所近くか、足をのばしてもせいぜい四条通りまでだ。
>それがわざわざ祇園まで来たのは、知った顔に会いたくなかったからだというのに。

地理は詳しくないんだけど、こうやってちゃんと前置きつけてくれるうさぎさんを尊敬する。
だからこうやって桂とも会えた、っていう。
ほんと上手いですよね!もう!嫉妬しちゃう!w

>-こういう呑み方はろくなことにならねえ。
>「-女だろ?」

桂のかっこよさに涙が出そうだw

そうか…こう来たか…(2回目)

今時間なくて、感想が短くてごめん!
っていうかこれの続き考えたい!!w

グリーンさん 

原田編、突入しちゃったww

>ちょっとどうしようこれ!
察しが悪い原田なんて!

そーなのよねw
実はこれ、半分酔っ払い状態で書いてて(おいw)
なんだかヘタレな兄貴になっちまった。

>桂に全面同意だよ
一緒に飲みたいくらいだ!

ほんとに。
桂と呑んだら、絶対安心して酔える!!

>地理は詳しくないんだけど、こうやってちゃんと前置きつけてくれるうさぎさんを尊敬する。

わーい!!ありがとうっ!!
遠慮せず、尊敬して(笑)

>今時間なくて、感想が短くてごめん!

とんでもない!
わざわざありがとね。

>っていうかこれの続き考えたい!!w

ぜひお願いします!
このあとの展開はなーんにも考えてないのでー!

Pさん 

業務連絡(笑)ありがとうございました!
ご指定のアドレスにメール送信させていただきました!
ご確認くださいませww
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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