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薄桜鬼 (feat.グリーンさん)

事件想起 7 (千鶴編)

 ←事件想起 7 (土方編) →髪の香りが胸をくすぐる

*このお話はグリーンさんとのリレー小説 第12話です。
  第11話はこちら → 事件想起 6
 なお第12話は「土方編」「千鶴編」があります。グリーンさんがどっちのお話の続きを書いて下さるかはわっかりませーんwww



「はい。あーんして。」

にこにこ笑いながら、総司は手にした箸を差し出す。
戸惑いつつも、千鶴は口を開けた。

「-美味しい?」
「は、はい。」
「良かった。」

総司は満足げに笑みを浮かべ、今度は別の小鉢を手にする。
そんな光景を面白そうに眺めながら、桂は原田の杯に酒を注いだ。
すでに何本もの銚子が空になって転がっているが、この場に泥酔している人間はいない。
高杉に至っては、顔色すら変えていなかった。

「あんたたち、酒強いな。」
「長州人だからな。」

原田からの返杯を受けながら、桂はさらりと答える。

「知ってるか?酒を愛し、女を愛す。それが長州男ってやつだ。」
「へえ。そりゃ粋じゃねえか。」
「あんたも嫌いじゃねえんだろ?どうだ。いっそ長州に来ねえか。」
「そりゃあいいな。前向きに考えてみるぜ。」

桂の言葉に原田は豪快に笑った。
酔っているのか、いないのか。冗談なのか本気なのか。
どちらとも取れるきわどい会話をむしろ楽しんでいるようにさえ見える二人のやり取りを千鶴は複雑な表情で見つめている。

「・・・すみません、沖田さん。ちょっと失礼します。」

千鶴は小声で総司に声をかけると、そっと腰をあげた。
「どうしたの、千鶴ちゃん。」
「すみません。ちょっと・・・」
千鶴はそれ以上は答えなかったが、総司は何も言わず、ずっと抱いていた千鶴の肩を解放した。

「-ここ広いからね。迷ったら大声出すんだよ。僕が迎えに行くからね。」

総司の言葉に千鶴は笑って頷いてみせた。

座敷を離れ、回廊を渡った千鶴は縁側に腰を下ろした。手入れの行き届いた広大な庭は闇に包まれ、点在する灯篭の灯りだけがぼんやりと浮かび上がっている。
そんな景色を眺めつつ、千鶴は小さく息をついた。

旨い食事、楽しい会話。
本来は敵対している立場のはずなのに、そうとは思えないほどの和やかな空気。
まるで気心の知れた仲間同士で語り合っているような、穏やかな時間。
なのに、なぜか千鶴の気持ちは晴れなかった。

-私はここにいていいのだろうか。

原田や桂たちの会話を耳にしながら、そんな思いがずっと頭から離れなかった。
彼らが楽しげであればあるほど、千鶴の心は沈んでいった。

-私はどこに行けばいいんだろう。

千鶴は再び溜息をついた。

「-疲れたか?」

不意に背後から聞こえた声に、千鶴は慌てて振り向いた。
まさか人がいるとは思ってもいなかったのだが、壁にもたれるようにして立っている高杉を見つけて、千鶴は目を見開いた。

「高杉さん」

驚く千鶴に目を細めながら、高杉はゆっくりと千鶴の傍に歩み寄る。そのまま隣に腰を下ろした。
一瞬、甘い香りが漂ったような気がした。

-なんだろう?花の香り?

その香りの正体に気付く前に高杉が話しかけてきて、千鶴の意識は高杉に向けられる。

「悪いな。あんたを風間に会わせてやるつもりだったんだが、酒盛りになっちまった。」
「いえ、それは構わないんですけど。」
「ひとつ、聞いていいか?」

まるで天気の話でもしているような、何の気負いもない高杉の口調に千鶴は素直に頷く。
高杉も桂も、新撰組にとっては敵だ。
けれど、決して自分に危害を加えるような真似はしない。自分が嫌だと思うようなことは絶対にしない。
なんの根拠もなかったが、それでも千鶴はそう確信していた。

「なんで風間に会いたかったんだ?」
「・・・理由はないんです。ただ、なんとなく・・・」

高杉の問いかけに、千鶴は曖昧に笑う。
それは嘘ではなかった。明確な理由はなかった。
ただ、風間に会えば-鬼の同族である風間に会えば。何かが変わるかもしれない。
そう思ったことも事実だ。
けれど、それを高杉に告げることはしなかった。

「自分の居場所を探してるのか?」

唐突にも思える高杉の言葉に千鶴は目を瞬かせる。
思わず目を逸らしたのは、まるで心を見透かされているように感じたからかもしれない。

なぜ私が考えていることがわかったのだろう。
そんなことは一言も言っていないのに。

なんとなく居心地の悪さを感じ、千鶴は視線を彷徨わせた。
動揺を隠そうともしない千鶴に、高杉は穏やかな笑みを浮かべる。

「-昔、あんたと同じような目をしてた奴がいた。」

え?と千鶴は顔をあげた。
高杉は千鶴を見てはいなかった。その眼差しは夜の向こうを追っている。

「そいつは親も兄弟もなく、誰からも見向きもされず、ずっとひとりきりだった。自分は人とは違う、自分は誰からも必要とされていない、そんな風に思ってた奴だった。」

懐かしむような、愛しむような、そんな高杉の声が夜に響く。

誰のことを言っているのかはわからない。
けれど、まるで自分の気持ちをそのまま言葉にされているようだ。

千鶴は黙って高杉の言葉を聞いていた。

「ひょっとしたら、今でもあいつはそう思ってるかもしれねえ。-けど。」

苦笑しながら高杉はその視線を千鶴に戻す。
強い光が宿るその目は誰かに似ている気がした。

「-あいつは気付いてねえ。あいつを必要としている人間がすぐ傍にいるってことにな。」
「高杉さん」
「親も兄弟も、同族も関係ねえよ。大事なことは、自分を必要としている人間がすぐ近くにいるってことに気付くことだ。」
「高杉さん、それって・・・」

高杉が何を言いたいのか。
もっと高杉の本心を聞きたい、とても大事なことを言われている気がする。
千鶴がそう思ったその時だった。

「-やれやれ。また厄介事が始まりそうだな。」

今までとはがらりと変わった口調でそう言うと、高杉は立ち上がった。
理由を説明することもなく、そのまま座敷とは反対の方へと歩き出す。

「高杉さん!」
「酒盛りの続きは厄介事が終わってからだ。桂にそう伝えといてくれ。」

それだけ言って高杉は振り向くことなく回廊の向こうへと消えて行く。
唐突とも言える高杉の言動と、自分に向けられたものとしては大きすぎるその声に戸惑いつつも、立ちあがった千鶴が返事をしようとした時。

「僕はあんたの伝令じゃないんだけどね。」

千鶴の耳の届いたのは、楽しげな総司の声と高杉の笑い声。
驚いて振り返った千鶴の視線の先には、いつもの悪戯っぽい笑みを浮かべた総司がいる。

いつのまに、いや、いつからここにいたのだろう。
状況が全く呑みこめず、目をぱちくりとさせる千鶴を総司は困ったような顔で見下ろしている。

「迷ったら大声あげてって言ったでしょ?僕が迎えに行くからって。」

穏やかな声とは裏腹にその目はいつになく真剣な色に満ちていた。
自分を抱き寄せる総司の腕を素直に受け入れながら、千鶴はふと気付く。

ああ。さっきの甘い香りは高杉さんの香り-白檀の香りだ。

そんなことを思いながら、総司の胸に顔を埋め、その温もりに身を委ねる。
庭を囲む高い塀のむこうから、土方の声が聞こえたような気がした。


*グリーンさん
 「千鶴編」でーす。どっちでもお好きな方を選んでね♪
 どっちも鬼畜かもしんないけどwww



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~ Comment ~

 

むむむむ。

うむ。

どっちも面白い場合はどうすりゃいいんだ?w

両方か?それしかないか?w

細かい感想はまた後ほど!
すごい面白かったです!

グリーンさん 

すみませんねえ。お手を煩わせてしまいますねえ。←反省の色、見えずww

>両方か?それしかないか?w

えっ!
それ、嬉しいかも!
どっちもグリーンさんが書いてくれる続きが読みたい!!

・・・でも、それって。また自分で自分の首を絞めることになるのか?(汗)

NoTitle 

こっちは総司だーーー♪ありがとうございます!

>にこにこ笑いながら、総司は手にした箸を差し出す。

昨日黎明録やってたんで、こういう機嫌のいい総司が新鮮ですw

>すでに何本もの銚子が空になって転がっているが、この場に泥酔している人間はいない。

いいですね!こうじゃないと!!
ほら、原田って酔うと腹踊りとかしちゃうじゃないですか。
今回はそういう雰囲気じゃない、と私は思ってたので嬉しい♪

>「知ってるか?酒を愛し、女を愛す。それが長州男ってやつだ。」

台詞そのものがかっこいい!
確かに原田にもぴったり。

>「・・・すみません、沖田さん。ちょっと失礼します。」

これ謝らなきゃ。
私、本気で千鶴がトイレに行きたいんだと思ってた
でも総司に言うの恥ずかしくてもじもじしてるんだとばかりw

>-私はここにいていいのだろうか。

ね。
そう思っちゃうよね。(´・ω・`)
彼女がそれを悩みまくるのは原田ルートでしたっけ。

>一瞬、甘い香りが漂ったような気がした。

あやめの香り…
もしかして元々は高杉の香りだったのかな?
高杉からあやめへ。
それも素敵だな…

>ただ、風間に会えば-鬼の同族である風間に会えば。何かが変わるかもしれない。

そうなんですよね。
私もついついそう思っちゃうんですよ。
ただ、薄桜鬼ではあまりその辺掘り下げてくれなかったので残念。
風間ルートでも新選組ツアーになっちゃったし。
千鶴の鬼としての能力とか、ほとんどスポット浴びなかったですもんねぇ。

>「自分の居場所を探してるのか?」

高杉かっけーー!

>「-昔、あんたと同じような目をしてた奴がいた。」

繊月花思い出して読んできちゃいました。
子供の時の高杉とあやめちゃんのエピソードのとこ。
やっぱいいですよねあの二人!

>「-あいつは気付いてねえ。あいつを必要としている人間がすぐ傍にいるってことにな。」

きゃーーーー!いい!この台詞!
興奮しちゃいましたっっ
ってか、高杉が一番おいしいとこ持ってっちゃったよ!w

>「酒盛りの続きは厄介事が終わってからだ。桂にそう伝えといてくれ。」
>自分に向けられたものとしては大きすぎるその声
>「僕はあんたの伝令じゃないんだけどね。」

ここも大好きなシーンです!!!
うまいなーーー (*≧∇≦)
二人ともかっこいいっす、痺れるっす!

>庭を囲む高い塀のむこうから、土方の声が聞こえたような気がした。

そっか。
この2つの話は、分岐というより視点が違うだけなんですね。
ということは、いずれまとめることも可能ってことですよね。

いやいやいやいや私そんな能力ないわw(一人突っ込み)

グリーンさん 

コメントありがとうございます!

千鶴編は、高杉メインになっちゃったw
前にグリーンさんが「千鶴の居場所」みたいなコメントしてくださってたじゃないですか。
それをかなり意識して書いてみましたー

グリーンさんがおっしゃるとおり、ゲーム本編ではそのあたりには殆ど触れられてないですよねえ。
でもきっと、「私ってなにさww」みたいな気持ちはあって当たり前だし。
なので!!
今回は千鶴のアイデンティティ探しがテーマだ!!
(絶対、自分でハードルあげたよなあ・・・)

高杉が目立っちゃったのは、思いきり私の趣味です!!(威張るな)
ホントは繊月花でもうちょっと高杉書きたかったので、ついww

でもね!
がんばって総司にも活躍してもらったよん!
ほら、グリーンさんに総司全面禁止令出しちゃったからさ(笑)
では私が書こう!と勝手に燃えたwww

>この2つの話は、分岐というより視点が違うだけなんですね。
>ということは、いずれまとめることも可能ってことですよね

ですです!
若干の違いはありますが(土方編には、高杉×千鶴の語らいがないとか)、行き着くところは同じになってもおかしくないっす!
まとめてくださっても全然オッケー!!
もちろん、分岐にして2パターンでも嬉しいです♪
だってグリーンさんのお話、読みたいしww

>いやいやいやいや私そんな能力ないわw(一人突っ込み)

できる!
キミならできるよ!!

NoTitle 

千鶴編書きましたー!
ちょっと中途半端かな…
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