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薄桜鬼 (feat.グリーンさん)

人の気も知らないで

 ←終わりと始まりと →手をのばせばすぐそこに

*こちらは仲良くしていただいているグリーンさんとのリレー小説の第2話めですww
  第1話はこちら → http://green11984.blog.fc2.com/blog-entry-225.html



ぱたぱたぱた。ばしゃばしゃ。
ぱたぱたぱた。ばしゃばしゃ。

規則正しく右から左へ、そして左から右へと響く音に土方は眉を寄せた。
音の正体が何かはわかっている。そして、それを責めるつもりもない。
だが、この音がかれこれ一刻近く続いていることが問題だ。

ぱたぱたぱ・・・

音が自室の前に来た時。土方は思い切り障子を開けた。

「てめえ!一体どんだけ掃除すりゃあ気が済むんだっ」

頭上から突然落ちてきた怒声に、千鶴はぴしりと固まった。
恐る恐るといった風情で顔をあげると、なんでそんなに怒っているのかと聞きたくなるくらい怖い顔をした土方と目が合ってしまって、もう一度千鶴は固まった。

「あ、あの。廊下の雑巾がけを・・・」

かろうじて。無理やり作った笑顔を張りつかせて答えてはみたものの。
ますます土方の眉間の皺は深まった。

「んなこたぁ、わかってる!」

忌々しげに舌を打つ土方に、ますます千鶴は身を縮こまらせた。

「俺が言ってるのは、何回廊下を往復すりゃ気が済むんだってことだ!」
「す、すみません!うるさかったですか!」

千鶴は慌てて立ち上がり-そう。いままで土方の剣幕に押され、立ち上がることさえ忘れていたのだが-何度も頭を下げた。びくびく震えるその姿は、まるで大型動物に狙われた獲物のようだ。
そんな千鶴に、土方は深く溜息をついた。

「そうじゃねえよ!」
「へ?」
「いくら掃除だっつっても、物事には限度ってものがあるだろうが!」

土方は、いささか乱暴に千鶴の手から雑巾を取り上げた。ぽいっと雑巾をその辺に放り投げたと思ったら、小さな手首を掴みあげる。

「ひ、土方さん?」
「-ああ、やっぱり。」

掴んだ千鶴の手をじっと見つめながら、土方は嘆息した。
千鶴はと言えば、わけがわからずぽかんと土方を見上げている。

「・・・こんな寒い日に水仕事なんぞやってたら、手が荒れるだろうが。」

言われて土方に掴まれている自分の手を見ると、確かに赤く腫れていた。

「あ、でも。こんなのは慣れっこですし、すぐに治ります。」
「そういう問題じゃねえ。」

土方の大きな手が千鶴の手を包み込む。冷え切っていた手を温めるかのように。

「あの、土方さん。」
「お前はもうちょっと、自分の体にも気を遣え。」

戸惑う千鶴に、土方は柔らかな眼差しを向ける。
それは、鬼副長と呼ばれる男には珍しいほど優しげなもので。
なんとなく居心地の悪さを感じつつも、千鶴は頬を染めた。

「・・・なんで、こんなに何度も廊下を拭いてやがったんだ。いつもはもっとさっさと終わらせてるだろうが。」

その疑問はもっともだった。
千鶴はほぼ毎日廊下の水拭きをしているが、こんなに何度も往復はしていなかった。
土方の問いかけに、千鶴はぎくっと体を強張らせた。逃げようとしたのは条件反射だったかもしれない。
だが、両手を土方に掴まれたままだったので、逃げることは叶わなかった。
そんな千鶴の反応に気付かぬ土方ではない。
穏やかだった目がみるみる鋭さを帯びる。

「・・・なんだ?」
「いえ、あの。」

うろたえて口ごもってしまった千鶴に、土方は目を細めた。

「-吐け。」

地を這うような土方の低い声に、千鶴は泣きそうになる。
けれど土方の追求をかわせるとは到底思えず、千鶴は消えそうな声でぼそっと呟いた。

「・・・最近、千鶴ちゃん太ったんじゃないって言われて・・・」
「・・・は?」
「廊下の水拭きしたら痩せるんじゃない・・・って・・・」

荒れた手以上に真っ赤になって千鶴は俯いた。

「・・・敢えて聞くが。誰が言いやがったんだ。」

聞かなくてもわかっている。わかってはいるが、とりあえず。

「・・・・・・・・・沖田さんが。」

ぴきん。

何かが切れたような音に千鶴が顔をあげたのと、土方の怒号が屯所中に響き渡ったのはほぼ同時だった。

「総司―――――っ!!!!」


その頃。
一番組組長は暖かい火鉢にあたりながら、巡察帰りに買って来た団子を旨そうに頬張っていた。


*すみません・・・っ!すでに力尽きそうですっ!
  グリーンさん、後はよろしく!!(笑)



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~ Comment ~

 

うさぎさんも早いよー!
ありがとうございます!(≧∇≦)

まさかのコメディテイストに笑ってしまいました!
総司が食いしん坊に戻ってしまったw
でもこの総司も好きなんだなー♪

>土方は思い切り障子を開けた

すっげー力入ってたんだろうねこれ!(≧∇≦)
障子壊れなかったかしら?

手荒れを気にしてあげる土方が親のようで微笑ましい。
ちゃっかり千鶴の手にも触ってるしー♪(´ε` )

>吐け。

出たー!土方のこの台詞好きー!
こんなかっこいいのに、言うタイミングそこかよ!みたいなw

真相にも笑わせていただきました!
千鶴が太ったとかw総司w

この後どう続ければいいんだろう。
出来ればこのまま後日談にしたいが…至難の技ですなこりゃw

グリーンさん 

もうドキドキもんですっ!!
フルマラソンしたくらい(いや、やったことないけどww)体力・気力使ってぐったりです!! ←大袈裟w

>まさかのコメディテイストに笑ってしまいました!

とりあえず。まずは軽めのお話で様子見です(笑)
総司、また食いしん坊になってますね・・・
私が書くと、どうしてもこの総司になってしまうww
でも大丈夫!!(なにが?)
シリアス総司も書ける!・・・書いてみせるさっ(汗)

>出たー!土方のこの台詞好きー!
>こんなかっこいいのに、言うタイミングそこかよ!みたいなw

あははは!確かに!
かっこいい副長もいずれ登場していただきたいもんです。

>出来ればこのまま後日談にしたいが…至難の技ですなこりゃw

できる!グリーンさんならできるよ!! ←他人事なので気楽に言ってるww

第一回目なので今回は即日アップしましたけど、慌てなくていいですからねー!
〆切りに追われる作家じゃないんだしねっ(笑)

NoTitle 

やったことのないフルマラソン、に爆笑!
なんとなく分かりますw

>シリアス総司も書ける!・・・書いてみせるさっ(汗)

あはは!
シリアスだったのかは分からないけど、修羅が微笑む雲の峰の総司はめちゃくちゃかっこよかったので、うさぎさんは(私の好きな)総司を完璧にモノにしてると思います!

って、別に総司出さなきゃいけないわけじゃないけどw
私も久々に副長さんを書く練習をしなくては…!

>慌てなくていいですからねー!

ありがとうございます!
平日は話をまとめる時間が取りにくいので、3話目さっきアップしてきましたw
http://green11984.blog.fc2.com/blog-entry-229.html
このあとはまったり感覚でいきましょうぜー♪

グリーンさん 

アップありがとうございます!
さっそく読んできました!

どうしよう・・・
非常に焦っておりまするwww

>うさぎさんは(私の好きな)総司を完璧にモノにしてると思います!

そう言っていただけると、喜んで図に乗ります(笑)

>私も久々に副長さんを書く練習をしなくては…!

ですね!
グリーンさんの副長、久しぶりにお会いしたいっ!
っていうか、またグリーンさんのお話が読めて嬉しいですー!!

>平日は話をまとめる時間が取りにくいので、

ですよねー。
私も空いた時間でこちょこちょ書いてくので、繊月花の時みたいに毎日アップは難しくなるかも、ですw
(繊月花はブログ開設前におおまかに書き終わってたので)

>このあとはまったり感覚でいきましょうぜー♪

はい♪
ほそーくながーく行きましょう!!

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