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「お題シリーズ-拍手御礼-」
だって苦手なんだもの-雷シリーズ-

だって苦手なんだもの -左之助の場合-

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その日は朝から雨だった。

あやめは縁側に座りほうっと溜息をひとつついた。
「どうした?」
声に振り返ると、笑みを浮かべた原田が立っていた。
「原田さん。」
慌てて立ちあがろうとするあやめを笑顔で制すると、原田は隣に腰を下ろした。
「なんだ。心配ごとか?」
浮かない顔をしているあやめの顔を覗き込むようにして原田は言った。
「いえ・・・心配事じゃないんですけど。」
「じゃあなんだ?何でもないって顔じゃねえぞ。」
「いえ・・ちょっと。」

そう言うとあやめは再び視線を空に戻す。
-厚い雲に覆われた空。雨は段々と強さを増している。
「ここじゃ濡れるだろ。中に入れよ。」
「・・そうなんですけど・・・」
珍しく歯切れの悪いあやめに、原田は眉を寄せる。

-なにかあったか?-

そう思い、今朝からの出来事を振り返ってみるが、特にあやめを悩ませるような事は思い浮かばない。
何かとあやめに構いたがる総司は巡察で出ているし、土方も朝から会津藩邸に呼ばれていて不在だ。
斎藤や平助があやめを悩ませるとか考えにくい。

-・・・まさか俺かっ!?-

と、嫌な予感がして自分の行動を振り返ってもみるが-いや。何もなかったはずだ。
というより、自分は昨夜は巡察で、戻ってからはずっと部屋で寝ていた。
さきほど目を覚ましたばかりで、そもそもあやめと話をするのは、今日はこれが初めてだ。
-俺じゃねえよな。-
ひとまず胸を撫でおろしてから、原田はもう一度あやめの顔を見た。

なんとなく。さっきより青ざめて見えるのは気のせいか?

原田がそう思った時。

ごろごろごろ。

遠くで雷鳴が響いた。と思った瞬間、あやめの肩がびくっ!と揺れた。

「お前、まさか・・・」

まさかな、と思いつつ声をかける。

ごろごろごろ。

先程よりも大きな雷の音が届いた。
今度こそあやめは、わかりやすいほど肩を震わせている。

「・・・お前、雷だめなのか?」
「言わないでくださいっ!」

と、あやめが顔を上げて言った瞬間。

ぴかっ。ごろごろ。がっしゃーんっ。

三拍子そろった雷の到来に、あやめは反射的に原田の体にしがみついていた。

「おいおい・・・」

と言いつつ、満更でもない様子で原田はその小さな肩を抱き寄せた。

「だめなんです、雷!」

自分の胸に顔を埋め震えるあやめの背中を原田は優しく擦ってやった。

-俺で良かったよなあ。-

段々近づいてくる雷の気配に、原田は苦笑する。
もしもこれが総司だったら。

-考えるだけで、別の雷が落ちそうだ。

そんな原田の呟きに、あやめが不思議そうに顔をあげた。


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~ Comment ~

NoTitle 

外伝アップもありがとうございます!

タイトルに吹き出してしまいましたww
「だって苦手なんだもの」(*≧▽≦*)
原田の場合、ってことは総司もありますよね?ありますよね?
せっかくだから「だって好きなんだもの」編も読みたいですw

>-・・・まさか俺かっ!?-

原田w
らしくないぜ!うろたえるなんて!

雷苦手なんだ、あやめちゃん♪
かわいいーーー!

>「・・・お前、雷だめなのか?」
>「言わないでくださいっ!」

言うのも駄目なんだ!
でも分かります。知人にもいるんです、雷が本当に苦手な人。
その人の場合は、自然の脅威である雷を実体験してしまった過去があるんですが、
話をするだけで嫌がります(^^;

>「おいおい・・・」
>と言いつつ、満更でもない様子で原田はその小さな肩を抱き寄せた。

こら原田!どさくさにまぎれて何してるの!
総司のあやめちゃんの背中をさするなんて…!(しつこくてすいませんw)

この場面を土方&総司が目撃したらどえらいことになりますね♪
原田、あやめのこと慰めてる場合じゃなくなるよ~(*ノω<*)

でも結局見つからなかったのか。残念w

可愛いお話ありがとうございますー♪

グリーンさん 

こちらにもコメントありがとうございます!

ふっと思いついたまま書いてしまいましたww
総司も副長も出てこないんですけど
たまには左之とも遊びたいww

>総司もありますよね?ありますよね?

あ。二回言った(笑)

>せっかくだから「だって好きなんだもの」編も読みたいですw

そして何気にプレッシャー・・・

>らしくないぜ!うろたえるなんて!

ですねー。
原田っていつも意外と冷静でオトナですもんね。

>雷苦手なんだ、あやめちゃん♪

ノリで書いたので、本編とは設定違うかも(汗)
そこは突っ込まないでくださいっ!

>総司のあやめちゃんの背中

何気にまた「総司の」になってるしwww

でも本編無視で
総司×あやめも楽しそうなので書いてみたいです♪

>可愛いお話ありがとうございますー♪

こちらこそありがとうございます!
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