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【  2015年01月  】 

終わりと始まりと

繊月花-もうひとつの終章-

2015.01.31 (Sat)

 -ほんっとに俺はお人好しだよなあ。新撰組副長・土方は生きている。それはまことしやかに囁かれている噂だった。まあ、その噂を頭から信じたわけじゃねえけどよ。確かに、奴の死についてはわからないことが多いんだよな。一本木関門の攻防戦で銃弾を受けて落馬、そのまま死亡した-俺が受けた報告はこれだけだ。奴が被弾し、落馬したことは確かなんだろう。その瞬間を目撃していた者もいることだし。だが、謎は残ってる。誰が奴を...全文を読む

届かなかった指先 (仙台にて)

つま先立ちの恋(完)

2015.01.30 (Fri)

 ではこれで、と静かに退室する医師に軽く頭を下げると、土方は視線を戻した。そこには、青い顔色をした千鶴が横たわっている。自分の目の前で千鶴が倒れた時は血の気が引いた。どんなに過酷な戦場であろうと怯んだことのない土方が、言いようのない不安に襲われ、そして怯えた-千鶴を失ってしまうかもしれないという恐怖に。気付いてやれなかった。千鶴はいつも笑っていたから。それが彼女の性質だということは充分知っていたはず...全文を読む

視線を交わらせて (屯所時代)

つま先立ちの恋(完)

2015.01.29 (Thu)

 「入るぞ。」土方は抑揚のない声で告げた。だが返事はない。それは予想していたことだったので、土方は特に驚くことも、また不機嫌になることもなく、ただ溜息をついた。静かに障子を開ける。-行灯をつけていない暗い室内の真ん中に、千鶴はこちらに背を向けて座っていた。土方が入ってきたことは当然わかっているだろうが、振り向こうとはしなかった。土方はもう一度溜息をついた。千鶴の気持ちはわからなくもない。知人とはいえ...全文を読む

やさしくなんてできない

それはきっと恋だった(短編)

2015.01.28 (Wed)

 それはある日の夕刻。珍しく近藤が、手の空いている幹部連中を島原に連れて行くと言い出した。土方は眉を寄せ、原田・新八は目を輝かせ、斉藤は黙っていた。巡察当番に当たっていた平助は、文句を口にする。酒は好きだが、女にはあまり関心がない総司は島原に行くことは滅多になかったが、近藤の誘いであれば断るという選択肢は考えられず、ふたつ返事で賛成した。宴席で贅沢な食事を楽しみ、旨い酒にほろ酔いになったころ。近藤は...全文を読む

大人ぶった言葉 (屯所時代)

つま先立ちの恋(完)

2015.01.27 (Tue)

 屯所に戻ったのは夜も更けてからだった。もう少し早く戻るつもりだったが、思ったより手間取ってしまったことに、土方は内心で舌を打った。むろん、傍にいる女に気付かせるようなことはしない。自分の半歩後をついてくる女を肩越しに振り返る。その視線に、女は口元に艶然な笑みを浮かべた。土方には珍しく、かなりの時間をかけてようやく口説き落とした女だった。男の欲望を満たすだけであれば花街の女で十分だったが、金を払えば...全文を読む

これから出会うすべてのものに貴方を重ねてゆく

永遠に愛する唯一の人(完)

2015.01.26 (Mon)

 -やっぱり慣れてる・・・それは心の中で思っただけのはずだった。が。無意識のうちに声に出していたようで。「なにが?」と、総司に聞かれて、それでなくても大きな目をもっと見開いてしまった。「えっ・・・私、なにか言ってました?」「言った。」総司は面白そうに笑っている。「慣れてる、って言った。-なにが?」「え・・・と、あの。」にこにこと、それはそれは楽しげな総司の笑顔を見ると。なんとなく逃げ腰になってしまう...全文を読む

だって苦手なんだもの -(まさかの)風間の場合-

だって苦手なんだもの-雷シリーズ-

2015.01.25 (Sun)

 ぽつり、と。肩を濡らした雨粒に、風間は眉を寄せた。つい先ほどまでは晴天だった。だが、空気に混じる雨の匂いは確実に近づいてきている。見上げると、空は真っ黒な雲に覆われ、遠くで雷鳴が唸りをあげていた。ここから藩邸まで遠くはない。急げば雨が本降りになる前には帰りつけるだろう。今夜は長州からの客人が来るとも聞いているので、藩邸に戻らねばならないことは事実だが、今戻ったところで楽しい話があるとは思えない。た...全文を読む

終章 想いはうつつに花と降り (1871.5)

繊月花-新撰組外伝-4 (完)

2015.01.25 (Sun)

 ったく。ほんとに俺はお節介っつうか、お人好しっつうか。我ながらあきれるね。これから戦争するって時に「蝦夷に行きたい」って言われた日にゃさすがに俺も自分の耳を疑った。あのなあ。いくら俺でも出来ることと出来ねえことがあるってんだ。ほんとにお前らは、俺をなんだと思ってやがる。ちっとは俺の立場ってのも考えてくれ。とは言ったものの。それをなんとかしちまうのが俺の長所っつうか、欠点っつうか。これが最後だぞと念...全文を読む

だって苦手なんだもの -土方の場合-

だって苦手なんだもの-雷シリーズ-

2015.01.25 (Sun)

 そろそろ帰るか。土方は湯飲みを盆に戻すと腰をあげた。そのまま慣れた足取りで土間を渡り戸口に立つ。その背後からあやめが肩に羽織をそっとかけた。「見送りはいらねえ。俺が出たらすぐに戸は閉めろ。」「はい。」それはいつものことだったので、あやめも素直に頷く。土方は、あやめが家の外に出て自分を見送ることを嫌がった-特に夜は。自分が去った後に何かがあっては困る。だから、土方はあやめがちゃんと家の中に入ったこと...全文を読む

想いは紫苑のいろに似て (1869.5)

繊月花-新撰組外伝-4 (完)

2015.01.24 (Sat)

 -空が青いな。ふとそう思った。そんな自分に苦笑して。なんで空が見えてるのかと、やけに冷静に考えてみる。-ああ。そうか。撃たれて馬から落ちちまったんだ。人間は、死ぬ間際ほど意外に落ち着いてるもんなんだな。そんなことを考えられる余裕に、また苦笑する。-ここで俺は終わるのか。だが胸に悔いはない。足掻いてもがいて。それでも自分の想いを貫き通した。それだけで満足だ。青い空に白い雲が流れていく。こんな風に空を...全文を読む

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Author:うさぎ
こんにちは。うさぎと申します。
拙い小説をちまちまと書き綴っては自己満足に浸っている未熟者ではございますが、よろしくお願いいたします。

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